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テクノロジーでビジネスの現場が変わる!(第80回)

「水道」は、我々の暮らしには欠かせない存在です。水道が通っていなければ、台所や浴室、トイレなど、いわゆる“水回り”が使えなくなり、生活の質は著しく落ちてしまうことが予想されます。
国土交通省の資料によると、日本における水道の普及率は「98.3%」(2022年度)と、ほぼ100%に近い数値となっています。今から70年以上も前の1950年の時点ではわずか26.2%でしたが、10年後の1960年には53.4%、さらに10年後の1970年には80.8%まで普及。1980年に91.5%に達して以降は、ずっと90%以上の高い数値が続いています。

水道普及率の推移。1980年以降、90%以上で推移している(国土交通省のPDFより引用)
都道府県別で見ても、ほとんどの都道府県で普及率は90%以上となっており、東京都と大阪府にいたっては、「普及率100%」を記録しています。
このように全国にいきわたっている水道が、いま危機を迎えています。
2024年6月、国土交通省の水管理・国土保全局 水道事業課は、「水道事業における適切な資産管理(アセットマネジメント)の推進について」という資料を公開。この資料によると、高度経済成長期に整備された水道が老朽化し、年間で2万件を超える水道管路の漏水・破損事故が発生しているといいます。
水道の老朽化が進む一方で、管路の更新は進んでいません。水道管路の法定耐用年数は「40年」ですが、その年数を超えてもなお使用されている水道管路の割合(管路経年化率)は年々上昇しており、2021年度は22.1%となりました。これは10年前の2011年度の8.5%よりも13.6ポイント高い数値です。
水道管路の更新が進まない背景には、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱なことが挙げられます。水道事業は主に市町村単位で経営されていますが、その多くが小規模で、かつ経営基盤が脆弱です。職員数も少ないため、今後訪れる人口減少社会においては、水道の管理や危機管理が適切に行えない恐れがあります。
経営基盤が脆弱な水道事業者では、給水原価が供給単価を上回る、いわゆる“原価割れ”が発生しているケースもあるといいます。資料では全国1,248の上水道事業者のうち、全体の約40%が原価割れの状態にあるというグラフを公開しています。

上水道事業の料金回収率。"原価割れ"している事業者が全体の約40%を占めている(国土交通省 水管理・国土保全局 水道事業課「水道事業における適切な資産管理(アセットマネジメント)の推進について」より引用)
このように、日本の水道は厳しい状況にありますが、一方でテクノロジーを活用し、水道施設の維持と修繕を進めていく動きも見られます。
国土交通省では現在、「上下水道DX推進事業」を進めています。これはCPS(※)やIoTなどの先端技術を活用することで、水道事業の運営基盤を強化する事業のことです。選定された事業者には、財政支援が行われます。
※CPS…「サイバーフィジカルシステム」の略。現実世界のデータを仮想空間に取り込み、高度な分析を行うことによって、その分析結果を現実空間にフィードバックするシステムのこと
たとえば2022年度にモデル事業として採択された岐阜県岐阜市水道事業では、AIによる衛星画像解析技術を用いた漏水リスク評価システムを導入し、「高リスク」と判定されたエリアには音聴調査も実施しました。この結果、調査コストは従来の約5,000万円から30%少ない約3,500万円に削減、音聴調査効率(漏水1件を発見するのに要した調査の距離)は従来の2.6kmから2.1kmに短縮できたといいます。
このほか兵庫県の朝来市では、水道管路情報と土壌、地形情報などのビッグデータを収集・解析して、AIによる管路1本ごとの劣化状況を可視化。破損の確率予測に基づき、破損リスクが高いと診断された管路を優先して更新することで、更新費用を従来から約2~3割削減したといいます。
地中に張り巡らされた水道は、我々の日常生活を支えるライフラインです。人手不足、財政難などさまざまな問題が重なる中で水道施設を維持することは簡単なことではありませんが、テクノロジーを活用すれば、今よりももっと効率的に管理することができ、これからも我々の生活を守り続けることでしょう。

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