テクノロジーでビジネスの現場が変わる!(第87回)

黒字転換に成功し、Googleとの提携も発表。「note」好調の理由

 ブログサービス「note」が好調です。運営会社の業績は黒字転換に成功し、2025年1月にはGoogleとの業務資本提携を発表しました。好調の裏には何があるのでしょうか?

3億円の赤字から黒字に転換し、Googleとの提携も発表。「note」好調の理由とは

 「note」(ノート)といウェブサイトをご存知でしょうか? noteは同名の企業(note株式会社)が運営するメディアプラットフォームです。簡単にいえば、ブログサービスです。

 現在、このnoteのサービスは好調のようです。同社が2025年1月に発表した決算説明資料によると、累計会員登録者数は893万人で、前年同期比で21.7%の増加。公開コンテンツ数は同比28.1%増となる5,107万件、累計ユニーククリエイター数は同比19.6%増の152万人です。

2024年11月期における、noteのKPIの達成度。すべての指標で前年同期比を上回っている(note株式会社 2024年11月期決算説明資料より引用)


 業績も好調で、2024年度通期の売上高は33億1,200万円で、前年度の27億7,700億円から19.3%も増加しています。さらに営業利益は5,200万円で、前年度の3億8,000万円の赤字から黒字転換しています。

 しかも2025年1月には、世界的なIT企業のGoogle社と資本業務提携を締結。note社はこの提携により、Google社の高性能AIモデル「Gemini」を活用した新たなサービス開発を促進し、クリエイターの創作活動を支援するとしています。

 なぜnoteは、ブログサービスでこのような好調な数字を残しているのでしょうか?

人気の背景に「収益化」の仕組みあり

 noteが人気を博している特徴のひとつに「収益化」が存在します。

 noteは基本的には無料で投稿・閲覧が可能ですが、中には全文を読むために課金が求められる「有料記事」というものが存在します。有料にするかしないか、どの部分を有料とするかは投稿者が自由に設定でき、価格も100円から設定可能です。

 有料記事が売れた場合、その金額のうち数%は、note側が事務手数料およびプラットフォーム利用料として徴収し、残りが投稿者側に支払われます。事務手数料は購読者側の決済手段によって異なります。

 記事単位ではなく、月額料金として収益を得る「メンバーシップ」という方法も存在します。投稿者側はメンバー(購読者)に向けて、記事やライブ配信などを提供し、メンバー側は対価として月額料金を支払うというサブスクリプション型の課金モデルです。

 このほかにも、複数の記事をセット販売する「有料マガジン」、記事を定期的に配信する「定期購読マガジン」というものも存在します。この「有料記事」「メンバーシップ」「有料マガジン」「定期購読マガジン」の4つが、noteで行える収益化メニューです。

 すでにnoteでは収益のあるクリエイターが15.5万人存在し、その中のトップクリエイター(2023年4月-2024年3月で年間売上トップ1,000クリエイター)の年間平均売上は1,160万円といいます。

 投稿者が有料記事を設定していなくても、読者が気に入った記事や投稿者に感謝を伝える機能として「チップ」も存在します。こちらは100円から10万円までの金額で、クリエイターに記事の対価としてチップを支払うことができます。

法人向けの有料プランもあり。大手企業も利用中

 noteは、法人の利用も多い点が特徴です。2023年10月には、法人利用のアカウントが3万件を突破したことが発表されており、業態も流通、製造、金融、教育、観光、IT、メディア、行政など幅広い法人に利用されています。

 法人専用のプランとして「note pro」というサービスも存在します。これは通常のnoteのサービスを更に高機能にしたもので、記事を簡単に作るためのAI執筆サポート機能が無制限で利用できたり、noteの画面上で記事が優先的に表示されたり、専任の運用スタッフのサポートが受けられるなどのメリットがあります。独自ドメインも設定可能です。

 同サービスの利用企業一覧ページを見ると、カルビーやキリンビール、西武ライオンズやベネッセコーポレーションなど、さまざまな企業がnote proを利用していることがわかります。なお月額料金は8万円(税抜)が必要になります。

Web広告が表示されない!

 ここまではnoteを使って発信するクリエイター側、企業側のメリットを中心に紹介しましたが、読者であるエンドユーザー側が使いやすい工夫も施されています。

 たとえば「フォロー」機能です。読者は気に入った投稿者のフォローボタンをクリックすると、トップページのタイムラインに、その投稿者の投稿が表示されます。そのためタイムラインには自分のお気に入りのクリエイターの投稿が並ぶことになるため、面白そうな記事を読み逃す心配がありません。

 これに加えて、noteでは一般的なWeb広告を使用していない点も特徴といえます。Web上の読み物サイトの多くでは、バナー広告や動画広告が表示され、読み進める際の邪魔になることが起きがちですが、noteにはそのようなストレスを感じる心配はないといえるでしょう。ちなみにnote proでは、作成した記事をnote外のWeb広告に展開するプランも用意されています。

 このようにnoteは、投稿者側である企業やクリエイター、読者側であるエンドユーザーそれぞれにメリットを持ったプラットフォームということがいえそうです。

 noteのアカウントは無料で作成が可能です。まずは読者として参加し、読んでいるうちに“自分も何か発信できそう”と思ったら、クリエイターとしてコンテンツを作ってみてはいかがでしょうか。

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