2024.10.08 (Tue)
テクノロジーでビジネスの現場が変わる!(第67回)
Web会議の新たなパートナー。耳を塞がないヘッドホンが登場
Web会議でヘッドホン/イヤホンを使用している人は多いでしょう。しかし、長時間着用した場合、痛みなど不快感が生じる恐れがあります。どうすれば解決できるのでしょうか?
Web会議の普及で、ビジネスシーンでもヘッドホン/イヤホンの使用が当たり前に
ヘッドホンやイヤホンは、今や現代人の必須アイテムのひとつといえます。スマートフォンに接続すれば、通勤など移動の際にも、周囲の騒音や話し声を気にせず、音楽や動画を鑑賞することが可能です。実際に普段から愛用しているという人も多いでしょう。
加えて、マイク機能が標準で搭載されているものも多いため、スマホを手で持ち端末を耳と口に近づけることもなく、ハンズフリーで通話ができます。もちろんWeb会議にも使用できます。外部の音を遮断しながらWeb会議に参加すれば、集中力を高めたティスカッションが可能になるでしょう。
最近では、ケーブルやオーディオジャック(端子)を省略したワイヤレスタイプのヘッドホン・イヤホンも世に多く送り出されています。端末とBluetoothを介して接続することで、ケーブルの存在を気にせず、快適に利用することができます。
ヘッドホン・イヤホンの市場は伸びています。「Straits Research」という調査会社のデータによると、2021年の世界のヘッドホン・イヤホン市場は248億1,000万ドル(約3兆5,583億円)で、以降年20%ほどの成長率で伸長し、2030年には1,292億6,000万ドル(約18兆5,243億円)まで成長すると予測されています。
ヘッドホン/イヤホンに潜む「圧迫感」「マイク」というデメリット
多くの現代人に利用されているヘッドホン・イヤホンですが、基本的には耳に長時間装着して使用するもののため、長時間着用し続けると、耳が塞がれることに起因する痛みやストレス、違和感を感じてしまうというデメリットも存在します。
特にヘッドホンの場合は、多くの製品では音の漏れを抑えるため、スピーカー部に耳を全面的に覆うようなカバーが採用されており、長時間使用し続けると、耳のあたりが蒸れたり、圧迫感や痛みを感じることも起きがちです。ヘッドホンの中には、耳への締め付けが緩い「オンイヤー」タイプのヘッドホンも存在しますが、逆に耳を密閉しないため、周囲に音漏れが発生する恐れがあります。
Web会議で使用する際は、マイクの性能も重要です。たとえばカフェや駅など外出先でWeb会議に参加する場合、ヘッドホンやイヤホンに搭載されているマイクが周囲の音を拾ってしまうことで、自分の声以外の雑音も伝わってしまいます。特に重要な会議の際にこうした雑音が入ってしまうと、他の参加者に不快感を与え、トラブルの原因にもなりかねません。
耳を圧迫せず、かつ音漏れも少ないヘッドホンが登場
このようにヘッドホンやイヤホンには、「圧迫感」と「マイク」という2つのデメリットが存在します。しかし、これらの問題を解決したヘッドホンも存在します。それが、NTTソノリティが2024年7月に販売を開始した「nwm ONE(ヌーム ワン)」というワイヤレス型ヘッドホンです。
nwm ONE(プレスリリースより引用)
nwm ONEは、従来のヘッドホンのように頭の上から耳の上に装着するオーバーヘッド型のデザインながらも、スピーカー部のカバーを廃したことで、耳周りが“スカスカ”で、スピーカーがほぼ丸出しになっている点が特徴です。頭に装着しても耳は完全には塞がれないため、頭に伝わる圧迫感は軽めです。かつ、スピーカーにはカバーも存在しないため、長時間着用しても耳が蒸れづらい構造となっています。
さらに重量も軽量化されており、頭や首への負担も軽減されています。同社ではリリースにて、“(ヘッドホンを)着けていることを忘れるほどの心地良さ”“長時間ストレスフリー”を謳っています。
ヘッドホンのカバーが存在しないという点では、通常のヘッドホンよりも音漏れが発生しそうにも思えますが、nwm ONEでは「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術」という、自分の聴きたい音だけを聴き、他の人へ自分の音を漏らさない技術を搭載。ある音波に対し、位相を180度反転させた波形を重ねると音が消える原理を応用することで、スピーカーから発せられる音が一定のエリアにのみ留まるため、カバーで耳をふさがなくても、周囲への音漏れが抑えられるといいます。
PLZ技術の仕組み(プレスリリースより引用)
周囲がうるさくても、声をクリアに届けるテクノロジーを搭載
nwm ONEにはさらに、周囲の音をカットし、発話者の声だけを相手に届ける「Magic Focus Voice」という技術も搭載しています。
Magic Focus Voiceとは、音が機器に搭載された2つのマイクに到達する時間差を利用して音響空間を認識し、話者を特定する「ビームフォーミング」と、雑音を除去して音声だけを抽出する「スペクトルフィルター」という2つの技術を合わせたものです。たとえばカフェや自宅、駅や空港などで使用しても雑音を除去するため、オンライン会議も快適に利用できるとしています。
ちなみにNTTソノリティでは、nwm ONEの発売の約1カ月前となる6月に、Magic Focus Voice技術を搭載したカナル型のイヤホン「nwm Voice Buds」も発売しています。nwm Voice Budsは移動中のオンライン会議や通話など音に悩むビジネスパーソンのために開発されたイヤホンとなります。
ビジネスシーンにてWeb会議が当たり前になった今、業務中でもヘッドホンやイヤホンを着用することも当たり前になりつつあります。ヘッドホンやイヤホンの性能ひとつで、快適に仕事ができるか否かも変わってきます。もし通勤時やWeb会議中に、耳に違和感を感じたり、Web会議の出席者にうまくメッセージが伝わらない場合は、今回紹介したようなnwm ONEのような新製品を導入してみてはいかがでしょうか。
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