2024.11.21 (Thu)

テクノロジーでビジネスの現場が変わる!(第70回)

Officeの買い切り版が新発売。サブスク版とは何が違うのか?

 2024年10月、Microsoftは“買い切り型”のグループウェア「Office 2024」を発売しました。サブスク型のサービスも存在しますが、どちらを選ぶのが良いのでしょうか?

買い切り型とサブスク型のグループウェアは、何がどう違うのか?

 2024年10月、Microsoftは“買い切り型”のグループウェアの新モデルである「Office 2024」を発売しました。

 Office 2024は、文書作成アプリ「Word」、表計算アプリ「Excel」、メール管理ツール「Outlook」、プレゼン資料作成アプリ「PowerPoint」など、ビジネスシーンで必要なソフトを一体化したグループウェアです。ビジネス向けの「Office Home & Business 2024」と、家庭用の「Office Home 2024」の2種類が用意され、オフィシャルサイトでの販売価格は順に43,980円、34,480円(税込)です。

 Microsoftはこうした買い切り版のグループウェアを発売する一方、使用する期間だけ料金を支払う、“サブスクリプション型”のグループウェア「Microsoft 365(旧Office 365)」も展開しています。

 Microsoft 365は、1ユーザーあたりの年額・月額料金を定期的に支払うことで、サービスを継続して利用することができます。一方、買い切り型のOffice 2024は、サブスクリプション型とは異なり、一度購入した後は追加料金なしで使用し続けることが可能です。

 “追加料金不要”という字面だけを見ると、買い切り型がおトクなようにも見えますが、実際のところ両者にはどのような違いがあり、どちらを選んだ方が良いのでしょうか?Microsoftが発売する、サブスク型の「Microsoft 365」、買い切り型の「Office 2024」という2つのグループウェアを比較します。

※本稿に掲載している情報は、すべて2024年11月時点のものです

アプリが充実しているのはサブスク型

 サブスク型のMicrosoft 365と買い切り型のOffice 2024の明確な違いの1つに、使用できるアプリの種類が異なる点があります。

 Office 2024の場合、永続的に使用できるアプリは「Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNote」の5種類です(Business Standardの場合)。

 一方のMicrosoft 365では、下位サービスの「Microsoft 365 Apps for business」でも、Office 2024と同じアプリが利用可能です。加えて、オンラインストレージ「OneDrive」も用意されています(容量は1ユーザーあたり1TB)。

 そのひとつ上位サービスの「Microsoft 365 Business Standard」であれば、Web会議やチャットが利用できるコミュニケーションツール「Microsoft Teams」や、動画編集プラットフォーム「Clipchamp」も利用できます。

 Standartよりもさらに上位の「Microsoft 365 Business Premium」では、ユーザーIDやパスワードを一元管理する「Microsoft Entra ID」、サイバー攻撃を防御する「Microsoft Defender」といったセキュリティサービスも含まれます。

 使用できるアプリのバリエーションが広いという点では、サブスク型のMicrosoft 365のほうが優れているといえるでしょう。

長期での使用なら買い切り型が安いが……

 アプリの充実度という点ではサブスク版が有利でしたが、価格面だけを見ると、買い切り型が有利になるケースもあるようです。

 Office 2024の販売価格は、冒頭で触れたように43,980円です(Business Standardの場合、税込)。買い切り型のため、追加料金は基本的には不要で、永続的に利用できます。

 一方のMicrosoft 365は、1年間で16,315円、2年間で32,630円、3年間で48,945円です(Microsoft 365 Apps for businessを年間購入した場合、税込)。つまり、3年以上継続して使用する場合、買い切り版のほうが安く済むケースも考えられます。

 一見すると「長く使い続けるのであれば、買い切り型の方が良い」といえそうですが、これはあくまでも価格だけを見た場合の話です。サポート面を考慮すると、買い切り型には不安があります。

 買い切り型のOffice 2024の場合、サポート対象期間が「2029年10月9日まで」と明記されています。これはサポート期間内であれば、脆弱性対応などの更新プログラムがアップデートされるものの、発売から5年を過ぎた2029年10月9日以降は、たとえアプリに脆弱性が確認されたとしてもアップデートは行われず、セキュリティに不安を抱えたままアプリを使い続けることになります。

 サブスク型のMicrosoft 365であれば、たとえ導入から5年、10年が経過しても、契約期間中であればサポートが受けられるため、ソフトウェアの脆弱性に対応した、最新バージョンのアプリが常に利用可能です。

【結論】ビジネスシーンでの使用を考えると、サブスク型が良い

 このほかの違いとしては、使用できる端末の台数も差があります。

 買い切り型の場合、2台の端末にインストール可能ですが、サブスク型の場合、ユーザー1人あたり最大5台のモバイルデバイス、5台のタブレット、5台のPC(Windows/Mac)にインストールできます。つまり、オフィスに据え置きの端末だけでなく、ノートPCやスマホ・タブレットなどにインストールして使用することも可能です。

 以上のことをまとめると、ビジネスシーンで使用することを考えた場合、サブスク型のMicrosoft 365を導入した方が、機能面やセキュリティ面でも優れているといえそうです。買い切り型の用途は、WordやExcelなどシンプルな機能を5年以内で使いたい場合などに限られそうです。

 サブスク型のさらなるメリットとしては、1カ月間の無料試用期間が用意されている点もあります。今まで買い切り型のグループウェアを使っていた企業は、これを機にサブスク型を試してみてはいかがでしょうか。

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