2017.04.20 (Thu)

朝礼ネタ帳(第84回)

新生活の「食生活の乱れ」が仕事の効率を悪化させる

posted by 福谷陽子

 4月は新しい会社に入ったり、人事異動で職場が変わったり、新しい生活が始まる時期です。その影響で、起床時間や就寝時間がこれまでと変わり、それにつれて生活も大きく変わってしまうことがあります。

 特に変わってしまいがちなのが、食生活の乱れです。2017年3月、株式会社ネオマーケティングが発表したアンケート調査「新生活と食生活に関する調査※」では、約80%の人が、新生活で食生活が乱れてしまった経験があると回答しています。

 食生活の乱れはなぜ起こってしまうのでしょうか。そして、乱れることでどんな問題が起こるのでしょうか。

新生活は何かと忙しく◯◯をないがしろにしがち

 このアンケートは、アンケートサイト「アイリサーチ」を利用したWEB調査で、4月から新生活を始める20歳から59歳までの男女400人が対象となっています。

 まず「生活環境に変化があると、食生活の乱れが気になるか」という問いでは、65%の人が「気になる」(うち36%が「やや気になる」)と回答しています。また、気になるだけでなく、実際に食生活が乱れた経験がある人は全体の80%に及び、新生活をはじめる5人に4人が、食生活の乱れを経験していることになります。

 食生活が乱れる原因としては、「忙しい」が72.3%、「時間がない」が61.4%と、時間の余裕のなさが主な原因となっています。

 朝食・昼食・夕食のうち、必ず食べているものに関する問いでは、「夕食」が最も多く78%、次いで「昼食」で71%でしたが、「朝食」は57%と、かなり低い数値となっています。

 さらに、20代に限定した回答では、50%の人が「朝食を食べないことがある」と回答し、そのうち「朝食をほとんど取らない」と答えた人は22%となりました。若い社会人の多くが、朝食を抜いてしまいがちな生活をしていることがわかりました。

 まとめると、新生活は何かと忙しくなってしまい、それを理由に朝食を抜いてしまい、食生活が乱れてしまう傾向にあるようです。

朝食を抜くと1日のスイッチが入らない

 しかし、朝食をとらないことは、好ましいことではありません。

 本調査レポートを考察した管理栄養士の麻生れいみ氏によると、朝食には体のスイッチを「ON」にし、胃腸の働きやホルモンの分泌を活性化させ、自律神経を調整する効果があるといいます。朝食をとることにより、体に刺激を与えることで、頭だけでなく、体も目覚めることができるというわけです。

 麻生氏はさらに、朝食を抜いてしまうと、午前中にエネルギーが足りなくなり、低血糖状態になって、昼食や夕食の食べ過ぎにつながると指摘しています。こうした急激な血糖値の乱高下は、肥満や生活習慣病にもつながる恐れがあるとも警告しています。

 つまり、忙しいからといって朝食を抜くことは、身体にスイッチが入らないため午前中の仕事の効率が悪くなるうえ、病気にもつながりやすくなってしまうため、何も良いことはないのです。

朝食にとるべき栄養成分は何か?

 新生活に慣れないうちは、暮らしのペースが掴めず、ついつい食事の時間をないがしろにしがちです。しかし、特に朝食に関しては、どんなに忙しくても、ないがしろにしない方が、1日を元気に過ごすためにも、健康のためにも良いといえそうです。

 前出の麻生氏によれば、朝食には「食物繊維」が豊富に含まれているものを積極的に摂取するのが好ましく、その理由として、昼食時に血糖値が急激に変わってしまうのを防ぐ効果があるといいます。これは「セカンドミール効果」と呼ばれるもので、最初にとった食事(ファーストミール)が、その次に摂った食事(セカンドミール)の血糖値に影響を及ぼすというものです。

 たとえば、キャベツや玉ねぎ、ごぼうやもやしといった野菜、ひじきやわかめ、昆布などの海藻類などは、食物繊維が多く含まれています。たとえば、これらの食材を用いたサラダであれば、まさに朝食にうってつけといえるでしょう。このほか納豆も、食物繊維を多く含んでいるため、こちらも朝食にふさわしい食べ物といえそうです。

 もし朝から元気が出なかったり、新たに配属されたスタッフが元気のない顔をしている場合は、朝食をないがしろにしてしまっていることが原因かもしれません。仕事のスイッチを入れるためにも、朝食は必ずとるようにしましょう。

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福谷陽子

福谷陽子

元弁護士。現在はライターに転身。ネット問題や相続、不動産、債務整理や交通事故、離婚などの各種の法律記事をはじめとして、税金や不動産、経営やITなどのジャンルで執筆を行っている。

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