2016.10.12 (Wed)

朝礼ネタ帳(第60回)

自分のペースで実践する「朝活」が人生を豊かにする

posted by しらと はる

 始業前の時間に勉強や趣味などの活動を行う「朝活」という言葉は、すでに一般に広く認知されており、オフィス街では、ビジネス交流会や婚活など、目的がはっきりしている朝活イベントが多く開催されています。しかし、早朝から多くの人に会うのはしんどいと感じる人もいるでしょう。

 ですが、ひとりで行う“自分なりの朝活”ならば、特に人間関係を気にすることなく、気軽に始められます。今回は、ひとりで実践する朝活について考えてみます。

まずは朝日を浴びることから

 まずは自分が朝、何をやりたいのか、やりたいことをリストアップすることから始めます。

 「せっかく早起きしたのだからと、片付けられそうな業務をリストアップしよう」と思うかもしれませんが、「やりたいことリスト」は「TO DOリスト」とは違います。本来なら寝ている早朝くらいは、仕事から離れて自由に過ごしても罰はあたりません。

 特にやりたいことが思いつかない場合は、シンプルに朝日を浴びてみましょう。太陽の光を浴びると、脳が「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを分泌するため、心身ともに自律神経が整う効果があります。

 セロトニンは、脳の前頭前野の働きを活発にしてくれる神経伝達物質。前頭前野が司っているのは、人間らしい意欲や自発性、創造力などの高次機能です。朝から前向きで建設的な精神状態をキープできるだけでも、非常に大きなメリットといえます。

今までやれなかったことに挑戦する良い機会

 朝日を浴びて自分と向き合うことに慣れてくると、やりたいことリストは徐々に埋まりはじめてくるでしょう。

 自分なりの朝活には、毎朝これをしなければならないというルールがありません。やりたいことリストから、その日の気分次第で、好きなメニューをピックアップします。焼きたてのパンを買いに行く、家庭菜園の手入れをする、読みかけの本を読む、ゆっくりコーヒー豆を挽いてみるなど、身近で簡単なことで構いません。楽しければ次の朝も同じことをして、飽きたら別のことをしてみます。

 たとえば、写経やジョギングなど、昔から関心があるのになかなか手を付けていないことがあるのなら、朝活はチャレンジするいい機会です。もちろん継続することは義務づけられていないので、やってみて案外つまらなかったら、すぐにやめてかまいません。

朝活で仕事をリタイアした後のライフワークを見つける

 やりたいことリストをこなしていくと、フットワークは次第に軽くなっていきます。たとえばギターを弾くのでれば、仕事帰りに楽器店へ寄り、新しい弦を買いに行くという行動が、普段の生活にプラスされます。また、読みかけの本を読破したなら、新作も読みたくなり、本屋へ足を運ぶ機会も増えるでしょう。

 朝活で生まれた好奇心は、本や映画など多くの芸術と出会ったり、遠く離れた土地へ訪問することへと発展していきます。こうした行動は、仕事をリタイアしてからのライフワークにつながるでしょう。

 もちろん、仕事が終わった夜にこうした活動を行うことも可能ではありますが、心身ともにリセットされた早朝という、人間の活動における“ゴールデンタイム”を活用した方がより効果的でしょう。

朝食に時間をかけてみよう

 時間をかけて朝食を摂るのも、立派な朝活のひとつです。朝食を摂らないと、昼食で一気に血糖値が上がります。糖尿予備軍には危険な行為です。早食いの習慣も、中高年の胃腸には大きな負担となります。

 理想的な朝食の摂り方の例としては、目覚めたらまず一杯の水を飲んで胃腸を目覚めさせる、食後は胃腸の消化吸収を優先するために休憩する、というものです。これを実践するだけで、通勤時のお腹の調子と出社後の体調は改善します。

 朝活は無理に行うものではなく、人生を豊かにする工夫のひとつです。まずは普段より少し早く起きて、朝日を浴びることから始めてみましょう。

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しらと はる

しらと はる

夫と息子と老猫をこよなく愛するフリーライター。バーテンダー、カスタマーサービスのクレーム処理など、あらゆる接客業で対人スキルを磨き、現在さまざまなジャンルで果敢に執筆中。好きなものは手帳と文房具、ライフスタイルとスピリチュアル。北国に暮らしています。

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