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2016.10.05 (Wed)

朝礼ネタ帳(第59回)

会ったその日にアポを取る3つのポイント

posted by 秋田 舞美

 交流会や展示会など大勢の人と名刺交換をする際は、会話の糸口をつかむことができず、相手に何の印象も残せずに終わってしまうことも多いものです。

 ここでは、次のアポイントにつなげるため、相手を会話に引き込み、ビジネスの話に導く3つのポイントをお伝えします。

【1】足を止めてもらうための1分間スピーチ

 ライバルが大勢いる場で相手の興味をひき、次の約束を得るためには、自社の魅力を分かってもらうことが必要です。

 しかし、話す前から「ビジネスにつなげること」を目標にしていては、何を話せばいいかわからず、結局、企業名と氏名を述べるだけで会話が終了してしまいます。

 まずは、1分間、話題をつなげることを目標としましょう。1分間話題をつなげば相手の足は止まり、足が止まれば、1分間どころか3分間会話することもできます。そして、会話することができれば、自社の商品などビジネスの話ができ、アポイントを取るチャンスが生まれます。目標を1分間に定めれば、気が楽になるとともに、対策を立てることもできます。

 1分間スピーチの具体的な内容としては「自己紹介」、「自社製品」といった身近なテーマや、「時事問題」などホットなテーマが挙げられます。1分間のスピーチを、実際に口に出して練習します。

 1分間はあくまで目安ですが、時間感覚が身に付くとともに、適度な緊張感も生まれるため、人前で話す予行演習になります。

【2】鉄板ネタでつかみはOK

 そうは言っても、1分間も相手の興味を失わずに話し続けることは、難しいと感じるかもしれません。そのような場合は、相手に会ってから会話を考えようとせず、1分間で話せる鉄板ネタを仕込んでおきます。

 よく芸人さんが「つかみはOK」という表現をしますが、プレゼンや会話において、一番大切なのは導入部分。導入部分がうまくいくと緊張がほぐれ、相手を自分の空間に巻き込み、会話の主導権を握ることできます。

 1分間会話をした後では相手との親密度も高まり、その後、会話を続けるハードルはグッと下がります。

【3】ビジネスの要素を散りばめる

 鉄板ネタで話す内容は、ただの面白いエピソードではなく、さりげなくビジネス要素を織り交ぜることが必須です。

 たとえば名刺、ネクタイピン、社章などの小物は、心をつかむ小技としても使えます。木や発泡スチロールなど自社製品の素材を使用した名刺や、毎回鮮やかな緑色のネクタイをしている野菜卸企業の経営者もいます。小技を仕込んだら、相手から聞かれることを待たずに、自分から話題にすることが肝心です。

 エピソードで勝負する方法もあります。「社名の由来は◯◯なんです。うちの社長って発想力が豊かで、武勇伝もたくさんあるんですが、その分、社員はついていくのが大変で・・・」といったように、さりげなく、自社や自社商品の話題を散りばめていきましょう。ただし、最初から商品の直接的な営業はせずに、あくまで相手の興味を引くことに重点をおきます。

 1分間スピーチ、鉄板ネタ、さりげないビジネスネタという3要素で、相手を立ち止まらせる、会話の主導権を握る、ビジネスの話しに引き込むという流れができあがりました。自己紹介のみで終わっていた名刺交換を、ビジネスの小ネタを盛り込んだ会話に進化させることで、アポイント獲得の成功率は飛躍的に高まることでしょう。

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秋田 舞美

秋田 舞美

「秋田舞美のマーケ道」代表/マーケティング専門家/千葉商科大学大学院 客員講師/中小企業診断士。過剰な顧客目線を脱却し、企業の個性を尖らせる「コンセプト・マーケティング」を提唱。中小企業の努力を売上に、情熱を富に変えるコンサルティングを行っている。執筆や着物での講演実績多数。HP:http://akita-co.jp/

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