2017.10.25 (Wed)

朝礼ネタ帳(第112回)

苦手な人を避けるのは損!?克服へのちょっとしたコツ

posted by 大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 仕事をしていると、会社や取引先などに「苦手」と思う人が1人や2人はいるのではないでしょうか。しかし仕事の目標を達成するためには、苦手なタイプの人と協力しなくてはならない状況も発生します。ビジネスパーソンにとって悩ましい課題の1つといえるでしょう。

 苦手なタイプの人との関係を見直す方法として、ブッダの教え(仏典)が解決のヒントになるとすすめている『捨てる力 ブッダの問題解決入門』という書籍を紹介します。同書の著者である大喜多健吾氏は、苦手な人の関係を改善するには自分の内面に目を向けるべきだとしています。大喜多氏自身もビジネスパーソンの経験があり、上司やクライアントの関係を苦手と意識するあまり、うつ病を患いました。そのような状態から立ち直れたのは、ブッダの教えを参考に、自分の内面から対人関係を見直したことだそうです。本記事では同書の内容から、人が苦手と思うメカニズムを考察したいと思います。

人が「苦手」と感じる原因

 まずは、なぜ苦手なのか理由を考えてみましょう。たとえば食べ物が苦手な理由を考えてみると、味、食感、見た目、臭い、果ては食あたりを起こした経験など、食べ物そのものだけでなく、トラウマのような過去の経験まで含まれるかもしれません。

 同じく、ある人を苦手だと感じるようになった理由を考えてみると、厳しく当たる、嫌な言動をする、難題を押し付ける、恥をかかされたなどが思いつきます。

 しかし自分が苦手だと思っている人が、他の人も苦手だと思わっていることは少ないでしょう。逆に好感を持つ人もいるはずです。つまり万人が苦手だと思うのではなく、自分の受け止め方が左右しているという考えも成り立つのです。

苦手意識の向こうにいる「自分」

 大喜多氏によると、苦手な理由に「自分に」という言葉を添えると、その原因が自分の受け止め方にあることに気がつけるそうです。たとえば、前述した厳しく当たる、嫌な言動をするといった理由に「自分に」という言葉を添えると、自分に向けられているから苦手と感じることがわかるとしています。

 また大喜多氏は、ブッタの教えにある「煩悩、執着、偏見」という感情に自分がとらわれていると、対人関係で苦手という気持ちが生まれてくると説明しています。

 たとえば煩悩という受け止め方について、会議や飲み会で空気を読まずストレートに発言する同僚や部下がいたとします。

 自分自身もストレートに発言したいけれど相手が傷つくことを心配する性格から、そんな相手に嫉妬を感じるかもしれません。しかし他の人は、ストレートな発言が理解しやすいと感じているかもしれないのです。つまり嫉妬の裏には、自分もそうなりたいという煩悩が隠れているかもしれないと大喜多氏は説明していまます。

 ほかにも、「このやり方しかできない」や「人見知りだから」などの執着や偏見というネガティブな感情にも、人は囚われてしまうそうです。煩悩、執着、偏見があるから、対人関係に悩むことになるとしています。

やり過ごすから一歩踏み込む

 仕事で苦手な人と接する場合は、表面的な付き合いだけにとどめるという処世術もあります。しかし、それでは正面から接する状況になったときに手詰まりとなってしまいます。また後ろ向きの切り抜け方では、自分自身の成長も期待できません。

 苦手と正面から付き合うことが、精神面で厳しいのは確かです。そこで大喜多氏は、この関係が永遠に続くものではない、とうガス抜きの心構えも必要であると語っています。実際にプロジェクト終了、人事異動、転職などによって、その関係が終わる可能性もあることを忘れてはいけません。

 期間が限られているならば、仕事上の苦手な人を後ろ向きにやり過ごすという処世術から一歩踏み込んで、自分の内面にある意識を分析して対人関係の処世術をプラス成長させてみるのもよいでしょう。

【参考書籍】
大喜多健吾『捨てる力 ブッダの問題解決入門』 ダイヤモンド社

【関連記事】
http://diamond.jp/articles/-/136677

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大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

塾講師、マーケ系情報コンサル等を経てフリーライターへ。企業のオウンドメディア、英語学習サイト、ニュースサイトを中心に執筆している。

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