2016.03.02 (Wed)

朝礼ネタ帳(第32回)

トヨタ式「整理整頓」を意識して仕事の効率化を図る

posted by KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 2015年3月期の決算で、過去最高益を出したトヨタでは、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を仕事の最優先事項としています。多くの部品を扱うトヨタでは、片付けができていないことは、取り付けるものを間違えるといった命取りになる可能性があるからです。使わない書類は1日、名刺は1年で処分するというトヨタ式の徹底した整理整頓法を紹介します。

片付けで4つのムダを解消

 トヨタに限らず、片付けをしない状態は4つのムダを生むことになります。

(1)スペースのムダ…不要なものを置いておくスペースがムダになります。
(2)時間のムダ…必要なものを使うたびに探すのでは、時間がムダになります。
(3)間違えるムダ…正しいものをすぐに選べないと、間違えるムダにつながります。
(4)取りに行くムダ…必要なものにすぐに手が届かない状態は、配置にムダが多いといえます。

 このようなムダがなくなれば、仕事の効率がアップし、売上を伸ばすことにつながるかもしれません。

整理整頓と整列は違う

 ところで、整理整頓と整列では、意味が異なります。「整理」は、いるものといらないものを分け、いらないものを処分すること。「整頓」は、必要なものを必要なときに取り出せるよう片付けること。「整列」は、ものをキレイに並べただけの状態と指します。

 ものを片付けるときには、「整列」にならないように注意しなくてはなりません。

■ 「整理」は時間を基準に

 トヨタで、いるものといらないものを見極める基準は、時間です。

(1)今、使うもの。
(2)いつか使うもの。
(3)いつまでも使わないもの。

 この3つに分け、(1)は整頓、(3)は処分します。また、(2)は期間を決めて保管します。

 保管する期間は仕事内容によって異なるので、個々で期限の目安を設けなくてはいけません。例えば、トヨタでは名刺は1年間保管し、その後は処分するとのこと。名刺の処分は抵抗があるかもしれませんが、ビジネスにおいて1年間接点がなければ、その後の付き合いはほぼ無いと考えてよさそうです。

「整頓」は所定の置き場所をつくる

 整頓のコツは、置き場所を決めることです。どこに、何を、どれだけおくかを決め、ものがあふれないようにすることが大切です。

 トヨタのリーダー教育の一つに「動作経済」というものがあります。これは、使用頻度や利き手などを考慮してモノを配置すれば、ムダな動きが少なくなるという考え方です。整頓する時は、取り出しやすさを考えて配置を決めましょう。

 また、デスクや棚などモノを置く場所に、ビニールテープで区画線を作るのも良い方法です。モノの定位置が決まれば、作業スペースを確保することが可能になり、片付けができてない場所が一目瞭然になります。

 さらに、備品倉庫のように多種のものが保管されている場所は、マップ図で全体像をわかりやすく表示することも効果的です。

 必要なものを必要なだけ取り出すことを心がけるようになると、余分なものを持たなくなります。

仕事も整理整頓する

 モノだけでなく、仕事の整理整頓も必要です。トヨタでは、先に仕入れたものを先に使う“先入れ先出し”を行っています。こうすることで、先に仕入れたものが劣化することを防ぐことができます。

 デスクワークでも同様で、書類を受け取る箱をひとつ用意しておき、この箱に入ってきた順に処理を行うと、先に受けていた仕事を残してしまう事態を防ぐことができます。ただし、なかにはすぐに取りかかれないものも出てくると思います。その場合はクリアファイルなどに入れて箱に戻しておき、付せんなどで「○月○日までに処理」「回答待ち」と書いておくなど、ひと目で状態や期限がわかるようにしておくとよいでしょう。

 さまざまな工夫で整理整頓を上手に行い、仕事の効率化につなげていきましょう。

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ライター・ウェブディレクター。プロのダンサーから転身。就職サイト、社会人向け情報サイト、エンタメサイトのウェブディレクターの経験を経て、記者、フリーライターとして活動しつつ、某テレビ局のサイト立ち上げ、コンサルなど幅広く活動している。

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