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2017.09.07 (Thu)

朝礼ネタ帳(第105回)

アスリートから学ぶ、メンタルを強くする方法

posted by 松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 ビジネスパーソンの日常には、不安や緊張を伴う場面が多くあります。大規模プロジェクトのプレゼンテーションや、目標予算の達成がかかった月末の商談など、大事な仕事をミスなく遂行するには、プレッシャーに動じない精神力が必要です。

 アスリートも同様に、パフォーマンスの良否というプレッシャーを感じています。プレッシャーを克服するために、いつも決まった動作を行ってからプレーをするように心がけているアスリートが数多く存在します。ラグビーの五郎丸歩選手がキックの前に行っている拝むようなポーズも、その一例といえるでしょう。

 五郎丸選手の動作がプレッシャーを克服できる理由を、スポーツメンタルトレーニング上級指導士の資格を持つ東海大学体育学部教授・高妻容一氏と、日本体育大学体育学部准教授・高井秀明氏の意見を元に解説します。

五郎丸ポーズに秘められたメンタル管理術

 2015年のラグビーワールドカップで五郎丸選手がその成功率の高さで注目されたのは、まるで忍者のように人差し指を立てて拝むようなポーズからのキックでした。それは、ボールを2回まわして軽く叩いてセットし、手を合わせてボールの軌道をイメージする、助走の歩数も同じというものです。五郎丸選手はなぜ、緊張感に満ちた試合の場で同じ動作を実行し続けたのでしょうか。

 「五郎丸ポーズ」と呼ばれた一連の動作は、練習で習得したキックのフォームを、いつでも正しく再現するために、ボールのセットからキックするまでの全動作をルーティン化したものです。ルーティン化するために、日々の練習での成功と失敗から各動作を検証し、助走の歩数などの行動に加え、要する時間などのテンポも分析したそうです。

 スポーツ分野では、この手法を「プレ・パフォーマンス・ルーティン」と呼びます。高妻氏は、五郎丸選手のようにプレーを一連のルーティンワークにし、それを繰り返せば成功するという体験から失敗を恐れるネガティブな感情を抑えられ、同時にメンタル面では集中力が高まるという効果が期待できるとしています。

ルーティンワークとゲン担ぎは別物

 不安や緊張を抑えて、成功例を再現できるプレ・パフォーマンス・ルーティンの手法をビジネスの場に取り入れるためには、どうすればよいのでしょうか?

 高井氏は、ビジネスパーソンがルーティンワークを見つける方法として、過去の成功体験と失敗体験の比較からはじめることを推奨しています。仕事が成功していたときだけ実践していた行動を洗い出し、ルーティンワークにまとめることで、緊張や不安を抑え、本来のパフォーマンスが発揮できるようになるのです。

 高井氏は、ルーティンワークをまとめる際に2つの注意点を挙げています。1つは、ルーティンワークとゲン担ぎを混同しないこと。たとえば「プレゼンテーションの30分前に話す内容を確認した」は、自分の行動が直接、成功に結びついたのでルーティンワークといえます。しかし「プレゼンテーションを成功させるために赤い服を着た」というのは、成功に直接結びつく行動ではなく、偶発的なゲン担ぎにすぎません。

 もう1つは、ルーティンワークを洗い出す際にその行動が成功に結びついているかという客観的な評価を加えることです。たとえば「口角を上げて明るく話した」という行動は、客観的に正しい内容の把握が難しく、ルーティンワークにはなりません。一方で「プレゼンテーションの練習を仲間に聞いてもらう」や「プレゼンテーション中は上司の目線ではなく、資料に集中した」など、結果的に他者が内容を理解しやすくなった場合はルーティンワークとなります。

 自分なりのルーティンワークをつくったら、その動作を繰り返す練習を行いましょう。「自分はここまで練習したのだから、絶対に大丈夫」と実感できるまで行うことが重要です。

成功を再現する入り口がルーティンワーク

 じつは五郎丸選手は2017年シーズンからプレ・パフォーマンス・ルーティンの動作を変えています。ボールの表面形状が変わったことが要因です。いままでのルーティンワークとキックでは成功率が低いため、練習で試行錯誤した結果の変更となっています。

 五郎丸選手はボールの変化がルーティンワークを変えるきっかけとなりましたが、高井氏はルーティンワークが同じままだと、マンネリ化してしまい集中力が引き出せなくなる危険があるとしています。全部を変える必要はありませんが、新しい動作を加えると結果がどう変わるかという検証を行う姿勢が、マンネリ化防止とルーティンワークのブラッシュアップにつながるそうです。

 重要な場面でネガティブな感情に支配されて実力を発揮できなくなるのは、結局のところ練習不足ということを自覚しているからです。練習の裏付けがあるから自信が生まれます。それを再現するための入り口が「プレ・パフォーマンス・ルーティン」なのです。ビジネスの場面で同じような悩みを抱えている人は、この思考と手法で自分の行動を見直してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
https://doda.jp/careercompass/compassnews/20160203-15016.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO93399210Z21C15A0000000/

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松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

関西出身のフリーライター。広告代理店でのライターを経て独立。現在は求人コンテンツ制作を中心に、マーケティング、ビジネスジャンルを中心に取材・執筆を行っている。その他、履歴書・志望理由書作成のフォロー活動にも取り組んでいる。

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