2017.07.26 (Wed)

朝礼ネタ帳(第99回)

ビジネスパーソンが実践すべき3つの正しい姿勢とは

posted by 松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 姿勢は、相手に与える第一印象を大きく左右するそうです。そのため、ビジネスパーソンが脚組みや猫背のような締まりのない姿勢でいると、知らぬうちに周囲からの評価を下げている可能性があります。

 正しい姿勢のつもりでも、時間が経過すると無意識のうちに締まりのない姿勢になっていることもあります。改善するためには、自分の姿勢を意識することが重要。今回はデスクワーク時の集中力や第一印象が良くなる、座位・立位それぞれの正しい姿勢に加え、お辞儀の仕方を紹介します。

腰骨を立てると、集中力がアップ!?

 デスクワークで高いパフォーマンスを発揮するには、脳の状態が重要になります。メンタリストDaiGO氏の著作『自分を操る超集中力』によると、脳は多くの血液を必要とする器官で、血流を良くすることが重要だとしています。脳に十分な血液が送られていれば、パフォーマンスや集中力も高まり、結果としてデスクワークで高いパフォーマンスが期待できるそうです。

 猫背などの姿勢では、血流が悪くなるだけではなく、肺も圧迫され呼吸が浅くなるので、脳に十分な血液と酸素を送ることができなくなります。また肩こりや腰痛、疲労感も感じやすくなり、集中力が高まりません。

 集中力を高める正しい座り方を行うには、以下の4つのポイントをチェックしましょう。腰骨を立てると背筋が伸び、血流と呼吸が正しくなります。また気持ちがスッキリとし、集中力も高まるでしょう。
(1)顎を引く
(2)腰骨を立てる
(3)足裏を床につける
(4)両膝を揃える

 読売新聞によると、座っている姿勢が悪いと集中力が高まらないので、正しい姿勢の座り方を指導する小学校があるそうです。最初は正しく座ることが辛かったという小学生も、慣れると気持ちがスッキリして勉強に集中できたとのこと。腰骨を立てる座り方は、肩こりや腰痛も少なくなるとされており、DaiGO氏も疲れにくい座り方として勧めています。

 ただし、脳は15分以上座り続けていると集中力が低下しはじめるそうです。対策としてDaiGO氏は「15分を1セットとし、合間で一度立ち上がる」ことをすすめています。飲み物の購入やトイレなどで立ち上がると脳がリセットされ、結果、集中力が維持されている時間が増えるそうです。

集中力だけではなく、第一印象も上がる

 これまでは、正しい姿勢が集中力を高めるために効果的であることを説明しました。次は、正しい姿勢が相手への印象を大きく変えるという点を紹介します。

 オムロン ヘルスケアとワコールが、新卒採用の面接官109名を対象に「姿勢が採用面接時に与える影響に関する調査」を行なった結果、99%の面接官が「姿勢の良さが評価に影響する」と回答しています。さらに、姿勢の良い就職活動生に対して「礼儀正しそう」「素直そう」「協調性がありそう」といった、好印象を抱くことが分かったのです。

 このように正しい姿勢で仕事をすることは、お客さまへ良い印象を与えるという効果が期待できます。営業職のビジネスパーソンであれば、訪問先へ到着する前に、エレベーター内の鏡やエントランスの窓ガラス越しに、自分の姿勢をチェックする習慣をつけましょう。

 『NHKまる得マガジン 健康と美ボディーを手に入れる 1分ストレッチ』によると、立位の理想的な姿勢は顎関節のくぼみ、 仙骨、くるぶしの3点が真っすぐつながる位置にあり、背骨が理想的なS字カーブを描いている状態です。仙骨は骨盤の中央にある逆三角形の骨で、背骨と骨盤をつないでいます。つまり仙骨の傾きを修正すれば、背骨と骨盤が正しい姿勢になります。仙骨を修正するポイントは、お尻の穴が真下に向くように意識することです。

 仙骨の傾き修正に加えて、鎖骨を床と平行にする、肩甲骨をぐっと後ろに引き中央に寄せる、腰骨の左右を同じ高さにする、スネの内側の骨(脛骨)に体重を乗せるように意識する、かかとに重心をかけることを意識すると、理想的な姿勢になるそうです。

 スマートフォンなどの画面を覗き込んでいると猫背になりがちなので、人と会う前には立位の姿勢をチェックすることを習慣化しましょう。

最後は、美しいお辞儀で締めくくる

 立位の姿勢をマスターしたら、お辞儀にも気を配りましょう。姿勢の正しいお辞儀が誠実な印象を与えるのに対して、姿勢が悪い人のお辞儀は適当な印象を与えてしまうことも。退出時のお辞儀で、それまでの印象が台無しになることもあり得ます。

 猫背の人が行うお辞儀は、首だけが前に浅く倒れてしまいがちです。これでは、相手には首だけで適当にお辞儀したように見えます。しかも、背筋が曲がっているので緩慢な印象を与えてしまうのです。また背骨や骨盤も正しい位置になければ、角度の深いお辞儀ができないので不格好になります。

 NPO法人 日本サービスマナー協会によると、お辞儀の動作は頭から背中を真っ直ぐ伸ばす、お辞儀をする前に相手の目を見る、背中を真っ直ぐ伸ばしたまま腰から上半身を前に倒す、上半身を深く倒した状態で動作を止める、倒した時よりゆっくりと上半身を起こすというものです。

 上半身を倒す角度は、会釈などの軽い挨拶なら15度、訪問客などへの敬礼なら30度、感謝や謝罪の気持ちを大切なお客さまに伝える最敬礼は45度としています。このような美しいお辞儀を退出時に実践できれば、最後まで良い印象を維持できるでしょう。

 お客さまだけでなく、自分も相手の細かい所作を見て印象を決めることが多くあります。座る、立つ、お辞儀の所作を見直すことは、ビジネスマナーの第一歩でもあります。ぜひ実践してみてください。

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松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

関西出身のフリーライター。広告代理店でのライターを経て独立。現在は求人コンテンツ制作を中心に、マーケティング、ビジネスジャンルを中心に取材・執筆を行っている。その他、履歴書・志望理由書作成のフォロー活動にも取り組んでいる。

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