2017.07.11 (Tue)

朝礼ネタ帳(第97回)

初対面の人に「また会いたい」と思わせる態度とは

posted by 山下 正之助

 初対面の人と会話を交わす時は、話題選びで戸惑うことがあります。ビジネスでは単刀直入に本題へ入ることもありますが、その前のちょっとした雑談の有無で、その後の雰囲気が変わることも。初対面時の会話はうまく運びたいものです。

 ジャーナリストの谷本有香氏は、ジョージ・W・ブッシュ元アメリカ大統領と初めて会話を交わした前と後で、報道などから受けていた印象が一変したそうです。ブッシュ元大統領が、事前の印象を覆したと会話とはどのようなものだったのでしょうか。

ジャーナリストを心変わりさせた大統領の話術

 大統領時代に、イラクの大量破壊兵器に関する情報活動の失敗や、軽はずみな言動などで、しばしばバッシングの矢面に立たされてきたジョージ・W・ブッシュ氏。そんな報道から谷本氏も、彼の人物像に対してあまり良い印象を持っていませんでした。

 しかし韓国で開催された晩餐会に参加した谷本氏は、スペシャルゲストとして招待されていたブッシュ元大統領の振る舞いを見て印象が変わります。スペシャルゲストであるにもかかわらず、まるでホストのような振る舞い。ひとりで寂しそうにしている参加者同士を引き合わせ、軽快なジョークを飛ばすなど、会場中を回って晩餐会を盛り上げていたのです。

 ブッシュ前大統領の会話は、初対面では身構えるような小難しい政治の話題ではなく、少しフランクな話題を選んで、参加者の会話が弾むことを意識しているように見えたそうです。その人間味があふれるフランクな話題で、ブッシュ前大統領のチャーミングな人柄を実感した谷本氏は、これまで会ったエグゼクティブでいちばん「雑談の達人」だったと印象が一変したのです。

「もう一度会いたい」と思わせる2つの態度

 ブッシュ元大統領も、国家元首同士の会談となればシリアスな話題になります。また、政治家や有名企業の社長などは、シリアスな発言が報道されがちです。しかし彼らは、晩餐会などの和やかな場ではシリアスな話を極力避けます。和やかな話題を心がけて、もう一度会いたいと思わせることが初対面の会話では重要だと理解しているので、盛り上げ役に回るのです。

 しかし、ブッシュ前大統領のような達人級の盛り上げ役をすぐに実現するのは至難の技です。まずは、会話中に2つの態度を実践してみましょう。

 ひとつ目は、「笑顔」を絶やさないこと。こちらが初対面ならば相手も初対面なので、探り探りの会話はぎこちなくなるものです。そのため難しい顔になりがちですが、そこで笑顔を絶やさないのがポイント。笑顔は相手に好意があるという意思表示にもなります。結果、相手の緊張が和らぐことも期待できるのです。

 次に「あなたに興味があります」という態度も重要です。そのためには相手の話を遮らずに、最後まで傾聴することが重要です。人は最後まで話を聞いてもらえると、相手が自分に興味を持っていると感じ、好印象を抱くという心理があります。話を聞くことで、良好な人間関係が醸成されるのです。

初対面の会話を和やかに進める話題とは

 笑顔と最後まで聞くという態度を実践できたら、次は話題選びになります。まずは挨拶と天気の話題から入りましょう。お決まりのように思えますが、同時に笑顔や最後まで聞く態度を実践するチャンスです。

 続く話題では、自分の趣味や好きなスポーツに関する話題を伝え、そこから相手の好みを質問するのも手です。ただし初対面で身の上話を持ち出すと、社会常識を疑われかねません。相手のプライバシーに立ち入る会話や、他人の悪口、宗教に関する話題などもNG。適切な距離感を保つことが、社会人としてのマナーです。

 「初対面の人に悪い印象を与えたらというたくない」という不安は誰もが抱えています。その不安を相手も抱えていることに気づくことが大切。お互いの不安を払拭するためにも、自分から心を開くことが最善の策なのです。もし初対面の人が多い場に出席した時は不安の表情を浮かべるのではなく、まずはブッシュ元大統領のように笑顔で接するように心がけたいものです。

 

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山下 正之助

山下 正之助

国公立の美大卒業後、大手広告代理店などでクリエイターとして勤務。現在はフリーライターとして活動中。アートに関するキュレーターコラム、ビジネスコラムなど執筆多数。

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