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2017.01.05 (Thu)

朝礼ネタ帳(第72回)

挫折しがちな「新年の抱負」を実現させる3つの方法

posted by 秋田 舞美

 新たな年が始まり、心機一転、気持ちもリフレッシュしていることでしょう。「新年の抱負」を掲げ、新たな目標に向かってチャレンジするには絶好の機会です。

しかし、掲げた抱負が本当に実現できているかというと、そんなことはありません。あるアンケート(※)によれば、過去に掲げた新年の抱負に「挫折したことがある」と答えた人の割合は87.6%にも上ります。

せっかく掲げた抱負を無駄にしないためにも、目標を実現するためにはどうすればよいか、その方法を紹介していきます。

※マクロミル社、インターネットリサーチ調査、2016年1月6日(水)~9日(土) 全国の20~59歳の男女、 合計1600サンプル

【1】願望ではなく、実現可能な目標を掲げる

 新たに目標を立てるといっても、無理なものを掲げてしまうと、達成するのは難しいでしょう。

 たとえば営業目標でも、100万円という目標を立て、現状の売上げが95万円であれば、人間は「あと5万円!」と、目標を達成しようと努力するものです。ですが、現状が95万円なのに、「200万円」という高すぎるノルマを与えられた場合、「あと105万円!」と意気込む人は稀でしょう。むしろ「あと105万円もあるのか……」とやる気をなくし、実現可能な100万円にも届かない結果に終わってしまうことでしょう。

 意識を高く持つのは悪いことではありませんが、道筋の見えない実現不可能な「願望」では、いざ実行に移そうとした時に気力が起きないものです。重要なのは、「願望」ではなく「目標」を掲げること。目標達成までの道のりを、自分で想像できることが大切なのです。

 具体的には、「毎日英語を勉強する」よりも「通勤時間に1時間英語を勉強する」というように、あるいは「毎日ジムで筋トレと水泳をする」よりも「平日は1駅歩き、週に1度ジムに通う」というように、自分の現状に近づけた目標とするのがおすすめです。

 こうした実現可能な目標を立てる指標として、「SMARTの法則」というものがあります。ここでいうSMARTとは、「Specific:目標が明確であること(具体性)」「Measurable:測定が可能であること(数値化)」「Achievable:達成が可能であること」「Realistic:達成が現実的であること」「Timely:達成の期限があること」の略です。つまり、よりリアルな目標を掲げるのがポイントといえるでしょう。

【2】目標は目につく場所に掲げ、頻繁にリマインドする

 目標を達成するためには、目標を頭の中で留めずに、文字に起こして“見える化”することが有効です。

 昨年プロ野球で大活躍した北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手は、学生時代に「目標達成用紙」を自作し、目標を見える化していたといいます。大谷選手は目標達成用紙の中心に、「ドラ1」「8球団」(ドラフト1位指名を8球団から受けること)という最終目標を掲げ、その目標実現のための方法を細分化し、事あるごとに見返しながら、努力を重ねていたといいます。

 たとえば、スマートフォンの待機画面やPCの壁紙に目標を表示する、紙に目標を書いてトイレの壁に貼る、手帳に目標を記した付箋をつけるなど、日常的に目標を眺められる環境を整えてみましょう。加えて、「1日の最初に見た時、心のなかで目標を唱える」といったように意識的にリマインドを行うことで、さらに効果を高めることができます。

【3】定期的に振り返る習慣をつける

 区切りを付け、定期的に目標を振り返りかえることも役に立ちます。【2】のような日々のリマインドとは異なり、3ヶ月に1度、半年に1度の長いスパンでリマインドします。

 これはPDCAサイクル[Plan(計画)→Do(実行)→ Check(評価)→Action(改善)]でいうところの「Check」の項目にあたります。計画の進捗を把握し、検証し、見直すことで、計画を実現させる重要なステップとなるのです。

 たとえばダイエットで5kg痩せることが目標であれば、3ヶ月後には1kg、半年後には3kgなど、目標を実現するためのステップとなる経過目標を定めておきます。経過が順調であれば、自分自身を褒めさらに奮起し、停滞が見られるようであれば、状況を反省し、目標実現計画の見直しを図ります。

 振り返りのタイミングを忘れないために、手帳のカレンダーにメモで書いたり、スマートフォンのスケジュール機能やアラーム機能を使うなどの工夫をすると便利でしょう。

目標を掲げた時の気持ちを忘れずに

 新年のすがすがしい気持ちに満ちている人も多いかもしれませんが、時間が過ぎるのは早く、いつの間にか一年は経過してしまいます。

 最も大切なのは、新年の抱負に対する「決意」と「意思の力」です。日々の忙しさには追われて、挫折してしまわないよう、新年の目標を掲げた時のフレッシュな気持ちを忘れず、その意識を継続させていきましょう。

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秋田 舞美

秋田 舞美

「秋田舞美のマーケ道」代表/マーケティング専門家/千葉商科大学大学院 客員講師/中小企業診断士。過剰な顧客目線を脱却し、企業の個性を尖らせる「コンセプト・マーケティング」を提唱。中小企業の努力を売上に、情熱を富に変えるコンサルティングを行っている。執筆や着物での講演実績多数。HP:http://akita-co.jp/

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