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朝礼ネタ帳(第106回)
政治家も実践!短期間で自分を売り込むテクニック
- 公開日
- 2025-12-09

営業職やサービス業など、人と接する機会が多いビジネスパーソンにとって、自己PR力は売り上げを左右する重要な要素です。
そこで、元NHKキャスターでスピーチコンサルタントの矢野香氏による分析と、自己PRの達人である政治家たちがあらゆるノウハウを総動員して挑む選挙運動を参考に、短時間で効果的に自分をアピールするためのテクニックを紹介します。
自己PRの基本は、名前を覚えてもらうこと
選挙の時期になると、選挙カーに乗った候補者たちが、自分の名前を連呼する姿をよく見かけます。彼らが名前だけを連呼するのは、公職選挙法によって、選挙カーに乗っている間に可能なのは、連呼行為のみと定められているからです。
ライバル全員が自分の名前を連呼して回るため、いかに自分の名前を覚えてもらえるかが勝負のカギになります。
矢野氏は、相手に名前を覚えてもらうためには3つのポイントがあると語っています。1つ目が「必ずフルネームを伝える」、2つ目が「苗字と名前の間に間をおく」、3つ目が「何度も名前を連呼する」です。
このテクニックは、ビジネスシーンでも活用可能です。たとえば、電話に出るときはフルネームを名乗ってみましょう。電話でそこまで名乗る人は稀なので、相手に自分の名前を印象付けることができます。また商談などの面会時には、初対面のタイミングだけでなく、相手に「知っているよ」と言われるまで、会うたびにフルネームで名乗り続けることが有効です。
選挙もビジネスも、相手に自分を選んでもらうことが目的です。名前を覚えてもらうことは、選んでもらうための第一歩なのです。積極的に名乗る習慣をつけておきましょう。
13文字のキャッチフレーズで記憶を刺激する
自己PRのチャンスは、いつどんな時にやってくるのか分からないもの。ずっと仕事をしたいと願っていたクライアントと、同じエレベーターに乗り合わせる可能性でさえゼロではありません。自己PRのチャンスをものにしたいのならば、自分の企画やアイデアを短時間で伝えられるような、魅力的な「キャッチフレーズ」を日頃から準備しておくのがおすすめです。
実際、当選してきた政治家たちは、「この人といえばこの言葉」と言われるような耳に残るキャッチフレーズを持っています。たとえば、小池百合子さんといえば「都民ファースト」、安倍首相といえば「ニッポン一億総活躍社会」などがそれにあたります。短文ながら内容が気になるフレーズであることがポイントです。自分でキャッチフレーズを作るのならば、文字数の目安は13文字以内が理想です。短時間でさっと伝えられて、かつ相手の興味をそそるフレーズを考えましょう。
さらに、自分のキャッチフレーズを魅力的に伝えるための、シナリオを準備しておきます。理想は30秒程度で伝えられるようにポイントを絞って説明することです。相手がキャッチフレーズ、シナリオを聞き終えたら「もっと詳しく聞かせて」と言わせることが目的です。シナリオですべてを説明する必要はありません。
シナリオは、フック(導入)、ポイント、クロージングという構成にまとめます。たとえばフックで「弊社の新製品Aは、御社の業務効率を向上させるものです」と端的に意図や主旨を伝えます。次にポイントでは、どのような利点や事例があったかを説明します。「新製品Aによって作業が自動化されるので従業員の負担が軽減します」「導入した企業では残業が〇〇%削減されました」などといったものです。最後のクロージングでは「業務の効率化をお考えなら、資料(企画書)を送付させてください」という締めの一言を準備しておきましょう。ただしポイントは3つまでにすることが重要。4つ以上になると、相手は耳を傾ける意思を喪失するからです。
シナリオを偶然会った場で披露できれば、すぐには仕事に繋がらなかったとしても、フルネームを名乗る顔見知りから、「何かあった時に声をかけたい人物」へ格上げしてもらうことができるでしょう。
SNSは自己PRでマイナスになる場合も
最近は政治家同様、仕事にSNSを活用するビジネスパーソンが増えてきました。SNSは拡散力があるので、上手く使えば自己PRに効果てきめんですが、使い方を誤ると信用を失う危険性もはらんでいます。好感度が命の政治家たちがSNSを活用する上で注意していることを参考に、その使い方を見直してみましょう。
まず注意すべきは、写真の使い方です。自分や仕事のことを美化したような写真ばかりを投稿していると、自分を必要以上によく見せようとする人だと誤解される可能性があります。ビジネスのためにSNSを活用するならば、読み手に与える印象を考慮しなければなりません。見栄え重視の写真は投稿しすぎないほうが無難でしょう。
また、充実した私生活を思わせる投稿や、人脈をアピールするような投稿は、感心されるどころか嫌みと捉えられる場合もあるので要注意です。
影響力のある政治家たちは、選挙期間中になると汗を流しながら演説する姿を盛んにアップすることで、支持者へ訴えかけ、リツイートさせることでアピール効果を高めています。このことからわかることは、仕事のための投稿においては、「すごいね」と思われることよりも、支持者に「頑張れ」と応援してもらえる投稿のほうがアピールに適していることです。
SNS用に毎日ネタを探し回っている人は、再度自分の投稿が誰に向けられているのかを考え直してみましょう。支持者や取引先、お客さまになって欲しい相手が応援したいと感じてくれるのは、きっと等身大の姿や、商品開発など目標に向かって一生懸命頑張っているのがわかる投稿だといえます。
【関連記事】
http://president.jp/articles/-/21472
https://www.kaonavi.jp/dictionary/elevator-pitch/
https://lmedia.jp/2015/04/22/63612/
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松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)関西出身のフリーライター。広告代理店でのライターを経て独立。現在は求人コンテンツ制作を中心に、マーケティング、ビジネスジャンルを中心に取材・執筆を行っている。その他、履歴書・志望理由書作成のフォロー活動にも取り組んでいる。
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