2025年4月1日利用分より、フレッツ 光ネクスト(一部サービスタイプ)の月額利用料を改定します。詳細はこちら別ウィンドウで開きますをご確認ください。

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2024.09.24 (Tue)

理想的な会社の在り方とは(第70回)

2025年4月施行、育児休業制度の改正ポイントとは?

 厚生労働省は、少子化対策として、社会の変化に合わせた育児休業制度の整備を行ってきました。2025年4月1日には、仕事と育児を両立する子育て家庭に向けて、柔軟な働き方を実現するための制度改正が行われます。本記事では、育児・介護休業法のうち、育児休業制度に関する改正ポイントを解説します。

2025年4月、新たな育児休業制度がスタート

 日本の社会課題の一つに「少子化の進行」があります。厚生労働省の「人口動態統計月報年計(概数)の概況)」の出生数および合計特殊出生率の年次推移によると、2016年から出生率は減少し続けており、2023年の出生率は過去最少を記録したことが公表されました。

 厚生労働省では、少子化に歯止めをかける施策として、育児休業制度の改正を社会の変化に合わせて実施しています。たとえば2021年には「産後パパ育休制度」や「育児休業の分割取得」がスタート。その影響か、男性の育児休業取得率は2021年で29.3%だったところ、2022年では47.5%に上昇しました(日本経済団体連合会「男性の家事・育児に関するアンケ―ト調査」)。

 2025年4月1日には、育児・介護休業法の改正により、新たな育児休業制度が施行されることとなりました。今回の法改正では、子の成長に応じた柔軟な働き方を実現するための措置など、子育て家庭の働き方を支援する制度が整備されています。

新制度で企業が押さえておきたい6つの変更ポイント

 この新しい育児・介護休業法で、特に企業が、育児休業制度に関連する改正内容として押さえるべき6つのポイントを紹介します。

【1】柔軟な働き方を実現するための措置の義務化
 新法では、3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に対し、事業主は柔軟な働き方を実現するための措置を講じる必要があることが明記されました。ここでいう措置とは、「始業時刻等の変更」「テレワーク」といった複数の働き方から2つ以上を選択するものです。つまり事業主は、従業員の子供の年齢についても把握し、それに応じた働き方を認める必要があるといえます

【2】所定外労働の制限対象の拡大
 現行では、3歳未満の子を養育する労働者が事業主に請求した場合、所定外労働が免除されることが規定されています。今度の法改正では、対象が「小学校就学前の子を養育する労働者」に拡大されます。

【3】育児のためのテレワーク導入の努力義務化
 3歳未満の子を養育する労働者が、テレワークを選択できる措置を講ずることが努力義務化されます。

【4】子の看護休暇の見直し
 現行では、小学校就学前までの子供がいる従業員は、子の病気や怪我、健康診断といった看護を目的とした休暇「子の看護休暇」を、通常付与される有給休暇とは別に取得できました。今回の法改正では、この休暇を「子の看護等休暇」と改称。さらに、対象は小学校3年修了までの子に延長されたうえ、休暇の取得目的として「入学式や卒園式への参加」が追加されました。

【5】仕事と育児の両立に関する意向聴取と配慮の義務化
 事業主は3歳までの子を持つ労働者に対し、仕事と育児の両立に関する意向聴取と配慮が義務付けられます。具体的には、3歳になる前の子を持つ労働者に対し、事業主は育児状況を聞き取り、労働者が希望する場合には、短時間勤務制度やテレワークなどの配慮をしなければなりません。

【6】育児休業取得状況の公表義務企業の拡大
 現在は従業員数が1,000人を超える企業の場合、育児休業等の取得状況の公表が義務付けられていますが、法改正によって、従業員数が300人を超える企業から対象となります。

休暇制度の利用を企業が邪魔した場合、「ハラスメント」になる

 こうした育児・介護休業法で定められた制度を、従業員が請求・利用する際、事業主が制度の請求や利用を阻害したり、必要な業務に従事させず労働を妨害するといった嫌がらせを行った場合は「ハラスメント」にあたります。加えて、解雇や降給・降格といった不利益を与えた場合は「不利益取扱い」にあたります。(厚生労働省「職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!」を参照)

 上記行為が発覚した場合、行政指導や、悪質な場合には事業主名の公表が行われます。行政指導の際に求められた報告に応じない、または虚偽の報告をした事業主は、20万円以下の過料に処されます。(厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」を参照)

 ちなみに、次世代育成支援対策推進法という法律でも育児休業に関わる改正があります。こちらでは従業員数100人を超える企業の場合、一般事業主行動計画策定時に育児休業取得等に関する状況把握および数値目標を設定することが義務付けられました。

 この内容に従わない企業が、「くるみん」や「プラチナくるみん」といった厚生労働省が実施する「子育てサポート企業」の認定を受けていた場合、認定が取り消される恐れがあります

育児休業を推進することで利用できる助成金もある

 こうした新たな育児休業制度を従業員が有効に活用できるよう、事業主は企業内の就労規定や職場環境の整備を早めに進めるべきでしょう。育児休業の推進に取り組む企業は、厚生労働省が展開する支援策を利用することも可能です。

 たとえば育児休業制度の整備に伴って資金が必要となった場合は、両立支援等助成金が利用できます。これは始業時間等の変更や、テレワークといった勤務制度を導入する場合に、定められた要件を満たすことで助成金を得られる制度です。

 企業をあげて労働者の育児を応援できる環境を構築していくことで、仕事と育児を無理なく両立できる社内風土の醸成も期待できます。少子化を政府や社会の課題だけにするのではなく、企業としても子育て家庭を応援できる仕組みを整えていけば、少子化という課題の解消にもつながっていくでしょう。

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