2024.01.17 (Wed)

理想的な会社の在り方とは(第40回)

非正規労働者の正社員化をサポートする助成金が拡充

 非正規労働者の正社員化をサポートする助成金「キャリアアップ助成金」が、2023年11月に拡充され、助成金も増額されました。どのような点が変更されたのでしょうか?

非正規労働者の正社員化をサポートする助成金が拡充

 厚生労働省や都道府県労働局では現在、中小企業・大企業を対象に、「キャリアアップ助成金」の募集を行っています。

 キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など、いわゆる非正規雇用労働者の企業内におけるキャリアアップを促進する助成金です。非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善を実施した事業主に対し、助成金が支給されます。

 このキャリアアップ助成金が、2023年11月29日から内容が拡充されました。同助成金のうち、有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した場合に助成金が支給される「正社員化コース」にて、現行よりも支給額が増額され、要件も緩和されるなど、従来よりも利用しやすく変更されています。

中小企業の非正規→正社員化の助成金が60→80万円に

 具体的な変更点は、【1】助成金の見直し、【2】対象となる有期雇用労働者の要件緩和、【3】正社員転換制度の規定に関する加算措置、【4】多様な正社員制度規定に関する加算措置の4点となります。

 まず【1】の「助成金の見直し」については、従来は従業員を有期→正社員に転換し、1期(6カ月)が経過した場合、中小企業では1人当たり57万円、大企業では42.75万円の助成金が、企業に対し支給されます。

 新ルールでは、期間が2期(12カ月)に変更されるとともに、助成金の金額も中小企業は80万円、大企業は60万円に増額されました。無期雇用労働者を正社員に雇用した場合も、中小企業は従来の28万5,000円から40万円、大企業は21万円3,750円から30万円に増額されます。

 【2】の「対象となる有期雇用労働者の要件緩和」については、従来は有期雇用労働者の雇用期間が「6カ月以上、3年以内」の場合にのみが対象でしたが、変更後は「6カ月以上」と、雇用期間の上限が撤廃されました。つまり、比較的長い間勤務している有期雇用労働者も、キャリアアップ助成金の対象となります。

 ただし、雇用期間が通算で5年を超えた有期雇用労働者の場合は、助成額は【1】の無期→正社員と同額となります。

正社員化の転換制度の充実で、さらなる加算も!

 【3】の「正社員転換制度の規定に関する加算措置」については、正社員への転換制度を新たに導入する事業主に対し、加算措置が追加されることになります。

 具体的には、自社に正社員転換制度を新たに規定し、実際に同制度によって従業員を正社員に転換した場合、中小企業では20万円、大企業では15万円が支給されます。【1】と【3】を合わせれば、合計で100万円の支給を受けることも可能です。

 【3】については、有期→正社員だけでなく、無期→正社員に転換した場合も支給の対象となります。ただし、支給は1事業所当たり1回のみに限られるため、同一の事業所で複数回利用することはできません。

 【4】の「多様な正社員制度規定に関する加算措置」は、勤務地限定・職務限定・短時間正社員など、自社に多様な正社員の制度規定を導入した場合に、支給額が追加されるというものです。

 この加算措置は現行のルールも存在していましたが、新ルールでの支給額は、中小企業の場合は40万円(現行は9.5万円)、大企業は30万円(現行は7.125万円)に増額されます。こちらも【3】と同様、有期→正社員だけでなく、無期→正社員に転換した場合も支給の対象です。支給は1事業所当たり1回のみに限られます。

 なお、キャリアアップ助成金を利用する際には、取り組みの前日までに、キャリアアップ計画書を管轄の都道府県労働局に提出し、認定を受ける必要があります。たとえ計画書を提出したとしても、実際に労働者の処遇改善が図られていないなど、キャリアアップ助成金の趣旨や目的に反した場合、助成金が不支給となる可能性もあります。

 キャリアアップ助成金を活用すれば、従業員の正社員化による雇用の安定化も図れるうえ、助成金も受け取れます。非正規雇用労働者を多く雇用している企業は、本助成金を利用して、非正規→正社員化を積極的に行ってみてはいかがでしょうか。

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