2024.03.29 (Fri)
理想的な会社の在り方とは(第47回)
アルコール摂取は「1日◯g」まで!厚労省がガイドラインを公表
2023年11月、厚生労働省が飲酒に関するガイドラインを発表。それによると、1日に一定量以上のアルコールを摂取した場合、健康リスクが高まるといいます。
飲酒量ではなく、「どれだけアルコールを飲んだのか」が重要
仕事の付き合いや飲み会、帰宅後の一服として、「お酒」を嗜む人も多いでしょう。飲み過ぎはもちろん体を壊す原因となりますが、それでは実際にどの飲酒量であれば、身体への悪影響を抑えられるのでしょうか?
厚生労働省が2024年2月した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」という資料によると、飲酒の健康リスクを考える場合は、お酒をどれだけ飲んだかという「飲酒量」ではなく、飲酒の際に摂取した「純アルコール量」を算出し、自分に合った飲酒量を決めることが大切としています。
純アルコール量は、「飲酒量(お酒の量、ml)×アルコールの度数(%)÷100×0.8(アルコールの比重)」という計算式で求められます。
アルコール度数5%のロング缶ビール(500ml)を飲んだ場合、計算式は「500ml×0.05(%)×0.8」で、純アルコール数は「20g」です。一方、コンビニで売られているような、アルコール度数9%の350mlの缶チューハイを飲んだ場合、計算式は「350ml×0.09(%)×0.8」で、純アルコール数は「25.2g」です。飲酒量は前者のロング缶ビールの方が多いものの、純アルコール数は缶チューハイの方が高いことになります。
飲酒量が少なくても、アルコール度数が高いほど、純アルコール量も多くなります。たとえばアルコール度数が15%の日本酒は、わずか1合弱(160ml)でも純アルコール度数が20g近くになります(160ml×0.15[%]×0.8=19.2g)
アルコール摂取量が「男性40g以上」「女性20g以上」は危険!
この純アルコール量が少なければ少ないほど、飲酒のリスクを抑えることが期待でき、逆に純アルコール量が増えれば増えるほど、疾病のリスクも高まります。
資料によれば、たとえ少量のアルコール摂取であっても、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中は、飲酒によって発症リスクを高める恐れがあるとしています。大腸がんの場合は、1日当たり約20g(週150g)以上の量の飲酒を続けると、男女ともに発症の可能性が高まるといいます。
資料ではさらに、生活習慣病のリスクを“高める”飲酒量として、1日当たりの純アルコール摂取量が「男性40g以上」「女性20g以上」という基準を示しています。
眠れない時の飲酒、飲酒後の入浴に要注意!
同資料では、特に避けるべき飲酒の方法について、[1]一時多量飲酒、[2]他人への飲酒の強要、[3]不安や不眠を解消するための飲酒、[4]病気療養中の飲酒・投薬後の飲酒、[5]飲酒中・飲酒後の運動・入浴を挙げています。
このうち[1]の「一時多量飲酒」とは、短期間に大量の飲酒を行うことです。特に、1回の飲酒機会で、純アルコール量を60g以上摂取することは、身体疾患の発症、急性アルコール中毒の発生、外傷の危険性を高める恐れがあるとしています。このように飲酒には様々なリスクを伴うため、[2]の「他人への飲酒の強要」も避けるべきとしています。
[3]の「不安や不眠を解消するための飲酒」は、アルコール依存症になる可能性を高めたり、飲酒によって眠りが浅くなり、睡眠リズムを乱す恐れがあるといいます。 [4]の「病気療養中の飲酒・投薬後の飲酒」については、飲酒は免疫力を低下させ、感染症の恐れも高まるうえ、薬の効果が弱まり、副作用も生じやすいといいます。
[5]の「飲酒中・飲酒後の運動・入浴」は、飲酒によって血圧の変動が強まり、心筋梗塞を引き起こし、転倒によって身体の損傷を引き起こす恐れがあるとしています。
健康に配慮した飲酒の方法としては、血中のアルコール濃度の上昇を抑えために、飲酒前、飲酒中に食事をとること、アルコールがゆっくり分解・吸収できるよう、飲酒の合間に水や炭酸水を飲むことが挙げられています。
「お酒はほどほどに」とはよく言われる言葉ですが、その「ほどほど」が、純アルコール量が男性は40g以上、女性20g以上であることが、厚生労働省のガイドラインによって明示されました。健康にお酒を楽しんでいくためにも、純アルコール量の計算式を覚えておいても損は無いでしょう。
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