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2024.09.24 (Tue)

ビジネスを成功に導く極意(第70回)

クールビズを脱炭素に繋げる「デコ活」がスタート

 服装や室温を工夫して、夏の暑さを過ごす「クールビズ」を採用している企業は多いでしょう。これに似た取り組みとして、環境省では「デコ活」というものを2023年よりスタートしています。クールビズとデコ活は、どのような違いがあるのでしょうか?環境省の資料や企業のチャレンジを基に解説します。

クールビズとは何が違う?「デコ活」がスタート

 「クールビズ」といえば、ノーネクタイや軽装化、室温の適正化など、夏場のオフィスや家庭における温暖化対策として、企業・個人問わず広く実践されています。

 このクールビズに似た取り組みとして、環境省では2023年より「デコ活」という活動をスタートしています。

 デコ活とは、2022年10月に環境省主導で立ち上がった脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」のことで、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、脱炭素につながるライフスタイルの変革を後押しするための取り組みの愛称です。2023年7月に脱炭素(Decarbonization)と、環境配慮のエコ(Eco)を組み合わせた造語として誕生しました。

 環境省が2024年7月に公開した「『デコ活』~くらしの中のエコろがけ~」という資料には、デコ活の行動として、計13種類の「デコ活アクション」が挙げられており、「断熱省エネ住宅に住む」「食品の食べ残しをゼロにする」「環境にやさしい次世代自動車を選ぶ」など、脱炭素やエコロジーに対する具体的な取り組みが含まれています。

デコ活の具体的なアクション(環境省「『デコ活』~くらしの中のエコろがけ~」の資料より引用)

 このアクションの中にはクールビズに関するアクションとして、「クールビズやウォームビズ、サステナブルファッションに取り組む」という項目が存在します。「サステナブルファッション」とは、衣服の生産~着用~廃棄のプロセスにおいて、将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのことです。

 これまでクールビズという言葉は、夏の暑さに対応するため単に服装を軽装にするという意味で使われがちでしたが、これからはデコ活の誕生によって、クールビズで着用する服の製造~廃棄のプロセスまで配慮することが求められることになりそうです。

クールビズをデコ活に繋げる鍵は「素材」にあり

 デコ活は2023年7月にスタートした取り組みですが、すでにいくつかの企業では、クールビズにサステナブルファッションを取り入れたアクションを起こしています。

 たとえばメニコンでは、従業員のクールビズにサステナブルファッションを取り入れています。同社は回収されたペットボトルを素材とした糸「リサイクルポリエステル糸」で、「メニコンポロシャツ」というポロシャツを製作し、従業員が着用しています。

 このリサイクルポリエステル糸は、石油から同量の糸を作る時よりも、原料製造時のCO2排出量が77%削減できる、環境に配慮した素材であることが謳われています。加えて、着心地や通気性、ストレッチ性も高く、型崩れもしにくいといいます。このメニコンポロシャツは、同社の直営店「Menicon Miru」でも販売されています。

 オーダーメイドスーツで知られるアパレル企業「オンワードパーソナルスタイル」でも、ペットボトルを原料としたサステナブルファッションを開発しています。

 同社は2023年、国内で回収されたリサイクルポリエステル100%素材を使用したオーダーメイドスーツ「コンフォートライン」を発売。伸縮性や強度が高く、かつ軽量なため、夏のスーツ・ジャケットとして“ノンストレス”で着用できるといいます。

日々の小さなデコ活が、脱炭素につながる

 環境省がデコ活に取り組む背景には、環境省が発表している「地球温暖化対策計画」の温室効果ガス排出量の削減目標があります。この計画では、2030年までにオフィス等で使用される機器から発生するエネルギー起源のCO2量を、2013年排出実績量から約51%削減することが目標として定められています。

 しかし、環境省が行った「「くらしの10年ロードマップ」の取組実践状況に関する消費者アンケート調査(第1回)概要」の調査結果を見ると、個人レベルで脱炭素化に関わる行動を実践していると回答したのは回答者全体のうち約8%にとどまっています。こうした状況を鑑みると、個人の心がけとして脱炭素を意識した行動が浸透しているとはいえない状況です。

 従業員一人ひとりが脱炭素を意識した行動を取り、温室効果ガスを削減するためには、涼しい服装を着用するクールビズだけでなく、それをさらに脱炭素へとつなげたデコ活によって、日常的に脱炭素を実践させていく必要があります。

 デコ活にはクールビズだけでなく、さまざまなアクションが存在します。たとえば「テレワーク」もそのうちの1つで、移動時間が削減されることで、年間840kgのCO2が削減できるといいます(数値はデコ活のサイトより)。

 クールビズやサステナブルファッション、テレワークなど、日常において脱炭素やエコを意識する行動が日常に根付けば、デコ活が掲げているカーボンニュートラルの実現が、予定より早期に実現できる可能性があります。

 まだまだ残暑は続きますが、それが終わると、今度は暖房が必要な冬が訪れます。クールビズやウォームビズに取り組む際は、服の素材にもこだわることで、デコ活につなげてみてはいかがでしょうか。

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