2021.06.15 (Tue)

ビジネスを成功に導く極意(第42回)

ウェブ会議をうまく仕切る人がやっていること

 テレワークが浸透し、オンラインで会議やミーティングを行う機会が増えています。会議を円滑に進め、有意義な成果を生み出すためには、ファシリテーターの存在が欠かせません。特に対面と比べて意思の疎通が取りにくいリモート会議では、ファシリテーションスキルに長けた人材が重宝されます。

 今回は、これからのビジネスパーソンに求められる「ファシリテーションスキル」を身につける方法を紹介します。

ファシリテーションとは「引き出し、まとめる」こと

 ファシリテーション(facilitation)は直訳すると、「容易にすること/促進すること」。ビジネスにおいては、会議やワークショップ、イベントといったシーンで参加者の意見を引き出し、より良い成果を生み出すための合意形成や相互理解をサポートする役割を指します。

 「特定の議題について、対話を通じて多様な意見やアイデアを引き出し、ゴールに向けてまとめる」。これだけ聞くと、テーマに関する深い知識や経験が必要に感じるかもしれませんが、正しいファシリテーションスキルを身につけていれば、知識や経験の豊富さは必ずしも重要ではありません。

 ファシリテーションに特化したノウハウがまとめられた書籍『リーダーのための!ファシリテーションスキル』(出版社名)によると、ファシリテーターに求められるスキルは大きく2つに分類されます。

(1)引き出す

能力、行動、言葉、気持ち、アイデアなど、参加者それぞれが有しているものを引き出します。ポジティブなものはもちろん、不安や苛立ちいったネガティブなものも含めて、どんな意見でも言い合えるような仕組みと雰囲気を作ることが、ファシリテーターに託された重要な役割です。

(2)まとめる

引き出した意見や情報を整理し、わかりやすく可視化しながらまとめます。全員の理解と合意を得ながら一つの結論へと導くことが、ファシリテーターの腕の見せ所です。

 ファシリテーターは、単なる会議の進行役ではありません。ファシリテーションを通じて、最大の成果を生み出すことがゴールです。そのためには「引き出し、まとめる」スキルが欠かせないのです。

ボディランゲージ一つで、会話の質は変わる

 ここからは、ファシリテーションに役立つテクニックを具体的に紹介します。

 はじめに押さえておきたいのが、「事前の情報共有」です。会議の前提条件となる情報が参加者全員に共有されていないと、意見を十分に引き出すことができず、生産性も上がりません。会議の目的、議題に関するデータや懸念点、会議で出したいアウトプットのイメージを整理し、事前に参加者へ共有しましょう。

 続いてのポイントは、「会話したくなる空気作り」です。うなずく仕草や笑顔を見せるといったボディランゲージの工夫だけでも、発言者の安心感や話しやすさは変わります。相手の言葉を繰り返す「オウム返し」や、「それはなぜだと思いますか?」と問い掛ける手法も効果的。また、「〇〇さんはどう思いますか?」と適度に会話を振ることで、全員が参加しやすい雰囲気を作ることも大切です。

 もう一つ紹介したいのが、「議論の可視化」です。参加者から飛び交うさまざまな意見を全員に共有できるドキュメントツールやホワイトボードに書き記すことで、議論の方向性や道筋を整理します。会議中のプロセスだけでなく、会議の終わりに決定事項や次回の議題も可視化して確認することで、トラブルや取りこぼしを防ぎましょう。

「ながら参加者」の参加意識を高める声かけとは

 ここまで述べてきたファシリテーションスキルは、対面/リモートに関係なくあらゆるシーンに活用できるものです。一方で、リモート会議ならではのファシリテーションのコツもあります。

 例えば、画面越しの会話ではボディランゲージが伝わりにくいため、相づちやリアクションを多少オーバーに表現するほうが相手は安心します。全員がノーリアクションだと発言者は不安を感じるので、ファシリテーターが率先してリアクションを取るようにしましょう。

 リモート会議ならではのメリットとして、ウェブ会議ツールの「チャット機能」が挙げられます。会議の進行を妨げたくない、若手なので意見しにくいといった理由で発言を躊躇するメンバーに対して、「質問や意見は随時チャットに書き込んでOK」といったルールを設けることで、より多くの意見や情報を引き出せるようになります。オンラインのホワイトボードツールやドキュメント作成ツールを活用すれば、議論の可視化も簡単にできます。

 また、リモート会議でありがちなのが、他の作業をしながら会議に参加する「ながら参加者」の存在です。メンバーの意識が低い状態では有意義な議論はできませんし、他の参加者のモチベーションにも影響します。手間はかかりますが、参加者一人ひとりに会議に呼ぶ理由や期待することを事前に伝えるとよいでしょう。会議中は、適度に名指しで意見を聞くといった工夫も効果的です。大前提として、会議には必要なメンバーだけを招集しましょう。

 会議やミーティングの質は、ファシリテーションの力に大きく左右されます。リモート環境にも生かせるファシリテーションスキルを身につけ、より良い成果を生み出せる人材をめざしてください。

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