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ビジネスを成功に導く極意(第69回)
熱中症から作業員を守る最新ソリューションとは
- 公開日
- 2026-01-28

建設業の作業中に、熱中症が発生している
熱中症とは、高温多湿な環境下に長時間いることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、熱がこもる状態です。症状として大量の発汗、めまい、頭痛、吐き気、意識障害などが現われ、最悪の場合は死に至ることもあります。
厚生労働省が発表した令和5年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)」によると、熱中症に起因する職場での死傷者数は1,045人、うち死亡者は28人にのぼることが分かりました。特に発生数が多い業種が建設業で、死傷者数は202人、うち死亡者数は11人に及んでいます。
建設現場業は、直射日光を浴びる屋外や、屋内であっても外気温であることが少なくありません。夏場は特に、作業員が高温多湿の環境に晒されたり、体を動かすことで体温が上昇するなど、熱中症を引き起こす条件が揃っています。そのため同省は「職場における熱中症予防基本対策要綱」という資料において、各企業に対して、気象庁の予測や暑さ指数(WBGT)などに基づいて熱中症リスクを把握し、健康管理体制を構築することを求めています。
国土交通省が公表している「建設現場における熱中症対策事例集」でも、現場の温度を下げるための散水や、大型扇風機、日よけ、湿温度計の導入、作業員に体温を下げる効果のある作業服の着用の推進、冷涼な休憩所の整備といった施策を呼びかけています。さらに、従業員自身が熱中症に関する知識や予防策を身に付けて実践するよう、熱中症予防の教育を実施することも重要としています。
ウェアラブルデバイスとAIが、現場スタッフの健康を監視する
熱中症は、すみやかに応急処置ができるかどうかがその後の回復を左右します。手当が遅れると、症状が悪化し命にかかわるケースもあるため、スタッフが体調不良のサインを出ていないか、その見極めが重要です。その一方で、熱中症の前触れとなる初期症状は気づきにくく、自覚した頃にはすでに症状が進行していることも起こり得ます。
しかし、ITで熱中症のリスクを検知するテクノロジーを活用すれば、作業に集中している状況や、他のスタッフと離れた環境でも、体の異常を早期に発見することが可能です。
たとえばNTT東日本が安全・体調管理、業務DXをするために開発した「Wearable Connect(ウェアラブルコネクト)」もそのひとつです。
Wearable Connectは、手首や上腕部に装着するウェアラブルデバイスで、自動的に脈拍数、歩数、消費カロリー等を計測し、データをクラウドに蓄積します。クラウド上では、これらのデータと現場の温湿度データから、スタッフの熱中症リスクを分析し、異常が検知された場合に、現場責任者に通知が送られるという仕組みです。スタッフ自身に体調不良の自覚がなくても、通知を受信した管理者が、当該スタッフに休憩を促したり、駆けつけて介抱することで、体調の悪化を予防します。
ポーラ化成工業株式会社は、カメラに顔をかざすことで熱中症リスクを判定する、熱中症リスク判定AIカメラ「カオカラ」を、2024年にリリースしました。
カオカラは、AIがスタッフの顔の画像から体調不良状態を解析し、温湿度などの外的リスク情報と統合して、熱中症のリスクを推定する仕組みです。現場作業員が専用タブレットのカメラに顔をかざすと、約3秒で結果が表示されます。解析結果は現場責任者がパソコンなどで確認できるため、リスクの高い作業員に対する熱中症対策を可能にします。
企業には、従業員の健康と安全に配慮する義務がある
熱中症対策は、スタッフの安全を守るためであるのはもちろん、ビジネス面でも重要です。
日々の業務が原因で死傷者が出ると、作業人員が減少して作業効率が低下するだけでなく、場合によっては法的な処分を受けたり、企業の社会的信用が低下するなど、ビジネス面で大きな損失が出る恐れがあります。
さらにいえば、労働安全衛生法や労働安全衛生規則では熱中症に関する法令が定められており、厚生労働省の通達でも、熱中症労災についての警鐘と対策の重要性が発信されています。このような中で、企業が適切な熱中症対策を怠り、従業員に熱中症を発症させたり重症化させた場合、企業側に安全配慮義務違反が認められ、従業員から損害賠償請求を受ける可能性もあります。
熱中症を予防するために職場環境を整えたり、従業員の健康管理をするなど、対策を講じていくことで、スタッフが体調を崩すことなく、健康に働き続けられるようになり、仕事の作業効率も高いまま維持できるでしょう。まだまだ暑さは続きますが、熱中症対策について特に対策をしていないのであれば、早めに検討すべきでしょう。
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