テレワークの浸透に伴い、メールでの伝達機会がますます増加しているいま、見やすく覚えられやすいメール署名の重要性が高まっています。しかし、適当に作成した署名を使い続けているという人が多いのではないでしょうか。ここでは、メール署名について基本ルールのおさらいと、相手にポジティブな印象を与えるポイントを紹介します。
必要なのは「相手が適切に連絡を取るための情報」と「見やすいデザイン」
まずはメール署名における基本ルールをおさらいしましょう。第一に押さえたいのは、記載する情報は名刺と同等程度が基本という点です。近頃は、仕事関係者の最初の顔合わせもオンラインで行うケースがあります。名刺交換の機会が減り、まさにメール署名が名刺代わりとなる場合も。相手が自分の基本情報を知り、連絡を取る際に必要な情報が過不足なく入っていることが大切で、具体的には下記項目がベースになります。
・会社名
・所属部署
・役職(役職に就いている場合)
・氏名
・固定電話番号
・FAX番号
・メールアドレス
・携帯電話番号
・会社所在地
・会社の公式サイトアドレス(URL)
見やすい署名にするには、仕事内容や状況に応じて不要な情報を削るとよいでしょう。例えばFAX番号は、テレワーク下で使用頻度がそれほど多くなかったり、そもそも使う機会のない職種に就いている場合は不要です。
とはいえ、必要以上に情報を削るのもよくありません。たとえば役職は一見不要にも思えますが、書類の宛名を記載するときや、代表電話で取次を依頼するときに必要となります。極力スマートで見やすくを心掛けながらも、必要情報を漏れなく入れることを意識しましょう。
署名で良い印象を残すには、テキストのベタ打ちではなく、装飾やデザインで差別化することも大切です。ただし、仕事で使う署名は企業自体のイメージも背負っていることに留意する必要があります。信頼や堅実性を大切にする企業の従業員が「♪」や「☆」などのマークが多用された署名を使っていたら、相手はどう感じるでしょうか。署名のデザインは、所属企業のパブリックイメージに合わせて作成し、できれば同僚や上司にも確認してもらうとよいでしょう。
複数署名の使い分けで、ポジティブな印象を与える署名に
メールは社内外の多岐にわたる関係者に送ることから、相手によって署名で必要な情報が異なるケースがあります。社内宛であれば会社の所在地やURLは不要ですし、連絡先は外線ではなく内線を記載しておくほうが役立つでしょう。署名はひとつのアカウントに対して複数作成できるので、まずは「社内版」「社外版」「その他」の3種類を用意して使い分けてみましょう。
また、状況に応じてプラスアルファの情報を加えると、よりポジティブな印象が与えられます。たとえば、長期休暇を取る際は、社内だけではなく取引先にも事前に知らせておくと親切です。休暇の一週間程度前から署名に一行その旨を追記しておくとよいでしょう。
最近は営業の一環として自身が関わる商品やサービス、キャンペーンの情報などを記載したり、SNSやブログのURLを記載するケースもあります。しかし、あまりアピール過多になると拒否反応を示されてしまう可能性が。特に、謝罪といった深刻な内容のメールで商品の告知が付いた署名を使うと、逆効果になりかねません。繰り返しになりますが、メール署名の基本は名刺と同じく必要な情報が過不足なく入っていることです。営業や広報職、販促に特化したアカウントの署名であれば良いかと思いますが、敬遠される場合もあると心に留めて、使い分けを考えましょう。
グローバル時代に欠かせない、英語署名の基本とは
最後に、グローバルな仕事では欠かせない、英語署名の基本的なルールとポイントを紹介します。
英語の署名は書くべき内容と構成・順序にしっかりとした決まりがあり、自己流で作成するとビジネスルールを知らないと人だと思われかねません。日本語では会社名のような全体的な情報から個人情報へと書いていきますが、英語では個人情報から全体情報へと書くことが前提。具体的には下記の通りになります。
・氏名(sender’s name)
一般的には名(first name)を先に、性(family name)を後に書きます。
・役職(title)
「(名前),Sales Manager 」のようにカンマで区切るか、改行して次の行に記載します。
・会社名(company’s name)
株式会社の場合は、社名の後ろに「Co., Ltd.」を記載します。登記済み法人の場合は、「Inc.」または「Corp.」を使います。
・会社所在地(address)
日本語とは逆で、番地から書き始め、区町村、都道府県、国とつなげます。
・電話・FAX番号(telephone and fax)
海外向けのメールには日本の国番号「81」を足して「+81-xx-xxxx-xxxx」と記載します。
・メールアドレス(email address)
英語で「mail」は郵便物になるので「E-mail:」としてアドレスを記載します。
・会社の公式ウェブサイトアドレス(URL)
「Home page」ではなく「Website:」としてアドレスを記載します。
署名は、相手が自分に対してどのようなアクションを起こすか、そのときに、必要な情報が何かを意識して情報を精査し、先回りして書いておくことがワンランク上の配慮になります。見やすい署名を作るのはもちろん、今後は部署や企業全体でデザインや内容を合わせることを検討していくのも良いでしょう。
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