ささいなことばかり話し合っている、報告を読み上げるだけ、結論が出ないなど、会議が時間の無駄だったという話を耳にする機会は少なくありません。
時間の無駄となった会議では、主催者が議題を周知していない、参加者が提案を会議中に考えていたなど、開催前から結果が「不毛になる」ことが予想されるような準備不足が見受けられるといわれています。本記事では、会議を実のあるものにするために、事前の準備、当事者の意識、会議の進行などでの抑えておくべきポイントを紹介します。
無駄な会議が生まれてしまう土壌
無駄な会議が生まれてしまうのは、主催者、参加者、そして進行役それぞれの意識が原因となっています。
主催者は「議題が解決した結果」を考えているはずです。たとえば営業利益の改善という議題なら、売上の増加や経費削減などでの解決を結果として想定しています。そして、想定した解決策を実現するための方法である営業戦略や経費の見直しなどの具体策を話し合うために、必要な資料を揃えるでしょう。
無駄な会議には、そもそもゴールを決めていない、または議題を周知していない場合が多いのです。結果が決まっていなければ、具体策というところまで話し合いを落とし込めません。議題が周知されていなければ、参加者は場当たりの提案しかできません。
また参加者も準備を怠る、発言しない、相手を否定するといったようでは、せっかく主催者が準備しても無駄な会議となってしまいます。参加者は建設的な発言を心がける意識が必要です。
次に進行役の問題です。進行役を立てなくとも、課題や解決について話す時間配分を決めておかないと、結論まで至らずに時間切れとなると無駄な時間を過ごしていると参加者に思われるかもしれません。また進行役を立てても、時間配分どおりに進まないといった場合も、周囲に無駄な会議と思わせてしまいます。
会議は1人で行うものではありません。全員が当事者意識を持って準備して議論を交わすからこそ、実のある会議になるのです。
実のある会議にするための準備と告知
実のある会議にするために、まず意識したいのが準備です。主催者は議題から描いている結果へとスムーズに結びつけるために、具体策の提案を発表してもらう人と、その内容を事前に打ち合わせしておきましょう。そして会議の前に、提案の内容を他の参加者に事前に告知しておくのです。
参加者も議題だけの事前告知と違い、提案の方向性もある程度わかれば、質問や改善案などの意見を用意することが可能になり、話し合いが活発になります。
話の腰を折らない気配りが進行役には必要
進行役は、話し合いを活発にさせるための気配りが必要です。数人だけが発言するのでは、一辺倒の結果しか導き出せないかもしれません。進行役は、話をまとめるのに苦労している人には「慌てずに、後でまとめたものを提出して」や、話が長くなっている人には「時間が限られているから、残りはメールで情報共有を」などと、相手の話の腰を折らないように時間配分をしましょう。
また発言時間が少ない人には、質問を投げ掛けて提案の詳細を聞き出すように促します。その際の質問は肯定か否定で応えられるものではなく、「ここについてもう少し教えて」などのように説明を促すものにしましょう。その回答から議論につながることがあります。
新卒の若手などは、どのような意見を述べてよいのか悩んでいる場合もあります。進行役は「まだ学生の気持ちがわかる君からどう見える?」などの問いかけで発言しやすい雰囲気を醸し出しましょう。
実のある会議が終わった後に
主催者、参加者、進行役の準備や意識が変われば、実のある会議を行えるでしょう。しかし実のある会議をしたのに結果が変わらなければ意味がありません。主催者は会議の結果を行動につなげる指示を忘れてはいけません。
会議で具体的な行動が決まったのなら、担当者や締め切りを設定するもの主催者の重要な仕事です。たとえば、新規開拓営業のために業界の動向を来週までに調査するようになどの指示を与えましょう。また指示が実行された場合は参加者に共有する、次回の会議で報告を行うなどで、締めくくるようにします。
会議は主催者、参加者、進行役の準備や意識によって、実のあるものへと変わります。また会議から実際の行動が生まれれば、「無駄な」という意識は払拭されます。以上のようなポイントをチェックしながら、自社の会議を見直してみましょう。
【関連記事】
http://www.njg.co.jp/post-17610/
http://diamond.jp/articles/-/105156
【参考書籍】
樋口裕一『いい会議○ 悪い会議×』海竜社
古賀ひろのり『いつまでそんな会議やってんの!』総合法令
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