
まるっと解説、「工場(OT)セキュリティ」の課題から対応まで
製造業は、ランサムウェア被害の報告件数第1位。製造業にて、工場のデジタル化や自動化の動きが活発化している現在、サイバー攻撃者がセキュリティに弱い工場を狙っています。課題や対策の必要性、ITとの違いなどまるっと解説します。
ICTで製造業はどのように変わるのか(第51回)

多品種少量生産とは、デザインや型など仕様が異なる多くの製品を少量ずつ生産する方式のことです。多品種少量生産が注目を集める背景には、市場ニーズの多様化が挙げられます。そこには、今後の消費の中心となるZ世代(1990年代半ば~2010年頃に生まれた世代)の存在が大きく関連しています。
インターネットがある環境を当たり前として育ったデジタルネイティブのZ世代は、SNSでの反響を気にすることが多く、SNSに好きなものを積極的に投稿して他者と共有したり、情報を気軽に拡散させる傾向があります。伴って、商品の写真や特徴、コメントなど、多くの情報が拡散されることで既視感は強まり、商品の鮮度が短くなっているといえるでしょう。一部の市場では、次々と新しいものを世に送り出さないと売り上げにつながりにくくなっており、多品種少量生産を採用する企業が増加しています。
多品種少量生産は、インダストリー4.0とも深い関係があります。インダストリー4.0とは、製造業にIoT (Internet of Things)やAIなどの最新技術を取り入れて引き起こされた第四次産業革命のことを指します。例えば、生産ラインのIoT化によりインターネットにつながることで工場内の様子をリアルタイムにモニタリングできるようになったり、AIの活用で大量のデータを計算しながら稼働率予測を立てたり、あるいは単純作業を任せられるようになるなどの変化をインダストリー4.0といいます。こうしたデジタル技術を活用することで、多品種少量生産の効率改善が進んでいます。
ここからは、多品種少量生産のメリットやデメリットを、少品種大量生産と比較しながら解説します。
【多品種少量生産のメリット】
・多様化する市場ニーズに応えられること
(Z世代の他の人とかぶらない、自分にぴったり来る商品がほしいなど)
・少量生産なので売れ残り在庫を低減できる
・従って、在庫の回転効率が上がり利益率を向上させられる
【少品種大量生産のメリット】
・規模の経済により生産効率を最大限に高められる
・生産ラインの切替や新たなライン構築する手間や時間を抑制できる
・品質のバラつきを最小限に抑えられる
では、次にそれぞれの生産方式のデメリットを見てみましょう。
【多品種少量生産のデメリット】
・多くの品種を取り扱うことから、仕入れや管理コストが掛かる
・生産ラインの頻繁な切替や製品ごとのセットアップ工数が掛かる
・伴って、生産効率の低下や運用が複雑化する可能性がある
【少品種大量生産のデメリット】
・特定製品を大量ロットで生産するため、ニーズ変化への対応が遅れる
・特定製品の製造に集中するあまり最新技術へのアンテナが相対的に立ちづらい
・伴って、イノベーションやデジタル化から取り残されるリスクがある
このように、多品種少量生産、少品種大量生産それぞれにメリット・デメリットがあります。もし多品種少量生産を採用するのであれば、管理コストの増加や生産効率の低下といった課題に手を打たなければなりません。
実際の生産現場では、どのように多品種少量生産を導入すれば良いのでしょうか。 多品種少量生産は、顧客のニーズにきめ細かく応えられる一方、検証を怠ると生産管理の複雑化や生産体制の非効率化を招きかねません。こうした多品種少量生産ならではの課題解決に何よりも大切なのが、事前にセットアップや生産ラインの効率化を図ることです。加えて、生産計画や在庫管理の精度を上げることも必要です。
また、インダストリー4.0を実現するIoTの活用は欠かせません。例えば、生産設備にセンサーを設置し、インターネット接続により常に生産・機械稼働データを取得できる環境をつくると、生産ラインの状況をリアルタイムで可視化できます。取得データの分析により、生産性改善策の精度とスピードを高めることができ、より効率的な多品種少量生産をめざすことができます。
あわせてAIの活用も検討したいところです。生産計画、設備メンテナンス、品質検査などはAIの活用が進んでおり、自動化や省力化が可能です。これらの領域でAIを活用すると、IoTで取得した大量のデータを分析し、客観性の高い予測を立てたり、24時間365日体制の設備監視、不良品の判別業務といったことを任せられます。
以上のことから多品種少量生産は、現代にマッチしたメリットの多い生産方式です。一方でコスト増、非効率化につながりかねないといったデメリットもありますが、IoTやAIを有効活用することで解決の糸口が見つけられるでしょう。業務に合ったデジタル技術を利用するために、社内にノウハウが少ないようであれば、専門企業に相談するのも一つの方法です。

まるっと解説、「工場(OT)セキュリティ」の課題から対応まで
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