接待はクライアントとの交流を深めるという点で、ビジネスにおいてとても重要な役割を果たします。相手を良く知り、また自分のことも良く知ってもらうことで、よりコミュニケーションがとりやすくなり、取引がスムーズに進みます。
そこで今回は、海外から来たクライアントを接待する際に使いやすいフレーズをいくつかご紹介します。
飲み物や食ベ物を勧める
飲み物や食べ物があると会話も弾みやすくなります。まずは相手に飲み物を勧めるところから始めます。以下、基本的なフレーズをご紹介します。
What would you like to drink?
(何をお飲みになりますか?)
What would you like to eat?
(何を召し上がりますか?)
Would you like another drink?
(もう一杯いかがですか?)
この訳し方だと、同じ飲み物のおかわりをすすめているように聞こえますが、そのような限定はありません。従って、もし相手が肯定の意を示したら、次の例文のように何を飲みたいかを聞くことを忘れないようにします。
Yes, please.
(はい、お願いします)
Why not?
(いいですね。)
Ah, yeah, OK.
(んー、では頂きましょうか)
What would you like, the same one or something different?
(何がいいですか?同じものか、それとも何か別のものにしますか?)
Would you like to try some good Japanese Sake?
(美味しい日本酒を試してみませんか?)
このように日本ならではのお酒をおすすめすると、そこから会話が弾むかもしれません。
天候の話
当たり障りのない会話の代表と言えば、天候の話です。海外からのお客様なら、日本の天候をどう思うか、またはお相手の国の天候の話を聞いてみるのも良いでしょう。
How are you finding the weather in Japan?
(日本の天候はどうですか?)
「How are you finding 〜 ?」は普段の居住地に関係なく、今現在いる場所について話しています。上の例文では、今は日本に来ているので、日本の天候のことを聞いています。
How do you find the weather in LA?
(ロサンゼルスの天候はどうですか?)
「How do you find 〜 ?」は今現在いる場所という意味合いはなく、普段住んでいる場所を指します。上の例文では、現在は日本にいるけれども普段住んでいるのはロサンゼルスということになります。
How did you find the weather in London?
(ロンドンの天候はどうでしたか?)
Oh, you know, it was awful! So wet and so cold.
(あー、ひどかったですよ!雨ばかりでとても寒かったです。)
「How did you find 〜 ?」は以前住んでいた、または行ったことがあるが、今はもうその場所にはいないという時に使われます。例えば以前ロンドンに出張したことのあるアメリカ在住の方には上記のように尋ねます。
土地についての会話
海外のクライアントなら、日本のことや居住国のことなどの話題も無難で良いです。
So, do you enjoy visiting Japan?
(日本訪問は楽しいですか?)
So, do you enjoy working in LA?
(ロサンゼルス勤務はいかがですか?)
So, do you enjoy traveling for work?
(仕事でのご旅行はお好きですか?)
相手に何かをたずねる場合、文頭にSoをつけることで柔らかい印象になります。逆にいきなり質問に入ると、世間話と言うよりは尋問のような感じを与えかねないので注意が必要です。
Where are you from?
(出身はどちらですか?)
Where did you go to school?
(学生時代はどこで過ごされましたか?)
Where is your hometown?
(生まれはどちらですか?)
上の3つの例文は、どれも故郷がどこかを尋ねています。2番目の例文は、学校というだけで小学校なのか大学なのか、どのレベルの教育なのかを限定していませんので、質問された側が好きな答え方ができます。学歴を聞くという意味合いはありません。
故郷を尋ねる例文で、文法的に正しく日本人に馴染みがあるものでは、
「Where were you born?」 という表現があります。しかしこれは、まるで警察からの事情聴取のように聞こえてしまいかねません。既に会話が始まっていてその流れからこの台詞が出る分には問題ありませんが、いきなりこのように聞かれると、相手は少々面食らうかもしれません。
家族の話
欧米人は、一般的に日本人よりも家族に関する会話を好みます。職場のデスクに妻や子の写真を飾る人が非常に多いことからも分かるように、仕事中にもよく家族の話をします。接待の席では、家族のことを聞くことで、そこから会話が盛り上がることもよくあります。
Do you have any brothers or sisters?
Do you have any siblings?
(きょうだいはいますか?)
これは、相手の年齢や結婚歴が不明な場合でも安心して使えるので、最も無難な質問として好まれます。
Do you have any children?
(お子さんをお持ちですか?)
結婚指輪をしているなどの事前情報があれば、子どもの有無を聞いても安全と言えそうです。もし子どもがいることがわかれば、そこから話を盛り上げることができます。
Oh, how old are they? Do they go to school?
(お子さんたちはおいくつですか?学校に行っていますか?)
「学校」は数えられる名詞ですが、一般的に「学校」を意味する場合、a schoolやschoolsのようには表現しません。ちなみに、church(教会)も同様です。
Does he like school?
(彼は学校が好きですか?)
この場合、「一般的に学校が好きか」という意味の疑問文となります。「Does he like his school?」という言い方もできますが、これだと「彼が今行っている学校に限って好きか?」を質問することになり、まるで「彼が行っている学校に対して何かの疑いがある」かのように聞こえてしまうため、避けておいた方が良いでしょう。
スポーツの話
これも当たり障りのない会話としては非常に好まれます。
Do you like sport(sports)?
(スポーツは好きですか?)
スポーツ全般が好きかどうか尋ねる場合は、複数形でも単数系でもどちらでも構いません。イギリス人は単数形で、アメリカ人は複数形で使用する傾向があるようです。また、スポーツという単語には、自らがプレイする場合も、スポーツ観戦も両方含まれます。
What sports do you like?
(どんなスポーツが好きですか?)
Do you follow baseball?
(野球は観ますか?)
Which baseball team do you follow?
(野球はどのチームを応援していますか?)
台本や企画書がない接待の場では、いかに相手の反応を読んで楽しく話を続けられるかが大切です。日本語でも話下手な人は、英語では尚更緊張してしまうかもしれません。いくつかのフレーズを覚えておくことで、少しでも接待が円滑に進めば幸いです。
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