2016.05.26 (Thu)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第2回)

経験者ゼロ、データで作る農業が成功したNKアグリ

posted by KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 経験と勘が大事だと言われる農業に、経験者ゼロで挑んだNKアグリ。ニーズに応えた機能性野菜を生産し、市場で好評価を受けています。ここでは、データとITを活用したNKアグリの戦略をご紹介します。

写真現像機メーカーからの挑戦

 ノーリツ鋼機は、写真現像機メーカーとして世界トップクラスのシェアを誇る企業でしたが、デジカメの普及で需要が減少。2009年に食、環境、医療の3つを柱に新事業を展開します。そのひとつである食の事業を担ったのがNKアグリで、機能性野菜の開発、・生産を手がけています。

 現在のNKアグリは、3,000坪の野菜工場で毎日レタス6,000パックを出荷するほどの安定供給を実現しています。しかし創業当時は失敗の連続だったそうです。

データ重視の農業

 NKアグリ創業時、7人の社員全てが農業未経験者。農業に必要だと言われる経験と勘がなかったため、作業するたびに温度や湿度、日照時間、肥料の量などの記録をつけ、変化をデータとしてわかるようにしたと言います。データをとることで、例えばレタスの形が急に変わってしまった時でも、記録を確認すると夜の気温が上がっていたことがわかるなど、原因を究明する際に役立ったそうです。

機能性野菜の生産

 NKアグリではそうやって蓄積した栽培技術をデータ化し、徹底したデータ管理のもと市場が求める野菜を生産しています。医療機関や大学と連携し、野菜成分の医学的有用性などを共同研究し、機能性野菜を生み出してきました。

 リコピンを豊富に含む「リコピン人参 こいくれない」や、異なる歯ごたえのレタス「しゃきしゃきフリル」「やわらかルビー」などは、好調な売れ行きだと言います。

ITの活用

 また、NKアグリはITを積極的に活用している点も特徴的でしょう。7人で生産管理と営業を行っていた状態では、生産拠点と取り扱い店舗が増えるにつれ、情報共有に遅れが生じてきました。

 農業にとって致命的な問題となる遅れを解決するために取り入れたが、クラウドサービス。さまざまな業務アプリを利用することになりました。エクセルのワークシートを作るような手軽さで開発できるアプリは社員に開放してあり、営業報告や生産報告、産地開発の進捗確認など多くのアプリが作成、活用されています。

 ITの導入は作業スピードの向上を実現しただけでなく、どこでもリアルタイムで状況確認が行えるようになったため、スタッフ間のコミュニケーションが活発になったとのこと。今後は提携農家など外部の人たちとも情報を共有することを考えていると言います。

安定供給の仕組み

 さらにIT化は、安定供給にも効果を発揮しています。収穫時期の短い野菜も日本列島の地形を生かし、全国の農家で時期をずらして生産することにより長期間の出荷が可能になります。

 しかし、リコピンを豊富に含む「こいくれない」のような機能性野菜は、収穫時期が非常に重要で見極めが難しいものです。NKアグリでは栄養価の最も高い時期に収穫できるように、生産管理、追肥記録、環境記録、トラブルなどをすべてデータ管理しているので、収穫時期を変えながら全国で同じ野菜が生産できるのです。

 農業経験ゼロからのNKアグリの挑戦は、NKアグリの成功だけでなく、農家にとっては収入の安定、消費者は美味しく栄養価の高い野菜を手にすることのできるというメリットを生み出しました。今後もデータを活用し、さまざまな機能性野菜を生産していくことでしょう。

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ライター・ウェブディレクター。プロのダンサーから転身。就職サイト、社会人向け情報サイト、エンタメサイトのウェブディレクターの経験を経て、記者、フリーライターとして活動しつつ、某テレビ局のサイト立ち上げ、コンサルなど幅広く活動している。

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