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2016.05.13 (Fri)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第1回)

ニッカウヰスキーが国内外で好調の理由

posted by KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 長く低迷していたウィスキーですが、ハイボール人気もあり再び注目されています。なかでもニッカウヰスキーの売り上げが好調です。朝ドラ効果で注目された国内市場と、輸出量を大幅に伸ばしている海外市場。それぞれの背景とともに、ウィスキー固有の将来を見据えた戦略を取り上げます。

ニッカウヰスキー好調の秘密は「マッサン」効果!?

 2014年9月からNHK朝の連続小説で、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴正孝をモデルにした「マッサン」が放映され、ウィスキーへの注目が高まりました。中でも「竹鶴」は大人気で、前年比300%を超えるほどの売れ行きだったとのこと(参考:AERA2014年11月10日号)。その他のブランドも好調で、ドラマ放映時は前年比150%アップの売り上げでした。

 放映後もウィスキー人気は落ちることがなく、翌年はさらに売り上げが伸びたそうです。どうやらドラマによる一過性の人気ではなく、ドラマをきっかけにウィスキーを手にした人がコアユーザーに変わったようです。

海外は国内以上の盛り上がり

 そのうえ、海外市場では国内以上に盛り上がっているとのこと。2006年のニッカウヰスキーの輸出量はわずか1,800箱でしたが、2013年は7万6,000箱の輸出と、42倍の伸び(参考:https://www.asahibeer.co.jp/news/2011/1222.html)。その後も輸出量を増やしています。なぜ、これほど飛躍することができたのでしょうか。

海外でヒットした要因

 輸出量を大幅に伸ばすことができた背景には、国際的なウィスキーコンクールで高い評価を受けたことがありました。国際的な賞を受けた回数は「竹鶴」の19回をはじめ、この他のブランドも数多く受賞しており、海外でニッカウヰスキーが広く認知されるようになったのです(参考:http://www.nikka.com/products/wwa/2014/)。

ウィスキーファンへのアピール法

 実はウィスキーは購入ターゲットが限られており、ビールのようにテレビCMなどで多くの人にアピールして販売する方法は効率が悪いとのこと。

 ウィスキーファンへ効果的にアピールするには、展示会などを利用する方法がよいそうです。国内外でさまざまな展示会が開かれており、新しいウィスキーや美味しいウィスキーの情報を求めて、ファンが集まって来ます。高価な入場料の展示会もありますが、ファンにとっては新たなウィスキーとの大切な出会いの場となっているのです。

需要があっても全てを売ることはできない理由

 しかしウィスキーは、売れるからといって全てを売り切ってしまうことはできません。ウィスキーは、作り始めてから出荷するまでに10年以上かかることもある商品です。時間をかけた熟成が必要で「竹鶴17年」なら発酵、蒸留、貯蔵に17年も時間をかけています。

 今、ウィスキーを販売することができるのは、10年、20年前の社員が良い状態でウィスキーを残してくれたおかげと言えるでしょう。そのため常に倉庫には、将来のウィスキーのための原料を残しておく必要があり、今がウィスキーブームだからといって一掃してしまうわけにはいかないのです。

将来を見据えた販売戦略

 ウィスキー事業に携わる人は、駅伝選手のようだといいます。できるだけ良い状態で次世代にたすきを繋げるように、将来を見据えた在庫管理が必要です。売れる時に大量に作って、どんどん販売する他の商品とは大きく異なる商品なのです。

 とはいえ、販売地域の拡大や輸出量の増加も図っているとのこと。原酒の量を考えつつ、現在と将来の成長を考えた戦略を立てています。数年後には世界各地で日本のウィスキーが飲めるようになり、数十年後は味わったことのない素晴らしいウィスキーが誕生するかもしれません。

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KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・ウェブディレクター。プロのダンサーから転身。就職サイト、社会人向け情報サイト、エンタメサイトのウェブディレクターの経験を経て、記者、フリーライターとして活動しつつ、某テレビ局のサイト立ち上げ、コンサルなど幅広く活動している。

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