
顧客一人ひとりを深く理解した最適なデジタルマーケティング・店舗販促をデータドリブンに伴走支援するCXソリューション
インターネット通販が拡大する一方、実店舗での売上が減少し、人々の購買スタイルが大きく変化しています。
NTT東日本では、データ収集から効果的なマーケティング施策の検討・実行までをトータルでサポートします。
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小売業で広がるICT活用(第46回)
長引くコロナ禍の影響で、インターネット通販の利用者が増加し、非接触型ショッピングが定着するなど、人々の購買スタイルは大きく変化し多様化しています。ライブ配信で商品の魅力を伝えて販売するライブコマースや、個別にカスタマイズした商品を提案する診断型サブスクリプション、無人型店舗など、多様化する顧客ニーズに合わせて小売形態も多様化してきました。そんな競争激化の中で、ひとり一人の「個」に寄り添う「One to Oneマーケティング」が顧客の心をつかむカギとなります。本記事では、小売におけるOne to Oneマーケティングのデータ活用例と留意点について紹介します。

One to Oneマーケティングとは、顧客ひとり一人の属性や趣味嗜好、購買傾向などのデータをもとに、個別に最適な情報やサービスの提供を行うマーケティング手法を示します。テレビCMや新聞、屋外広告のように不特定多数の消費者に対して画一的なアプローチをするマスマーケティングとよく対比される手法です。
2022年8月に経済産業省が発表した「令和3年度電子商取引に関する市場調査」によると、昨年消費者の外出機会は回復したにも関わらず、食品や家電、衣類、生活雑貨などの物販系分野のEC市場規模が前年に引き続き増加しました。新型コロナウィルスの拡大がきっかけで広く普及したインターネット通販が、いまやスタンダードとして定着したことが見て取れます。また、実店舗とEC両方を展開する企業が増える中で、例えば店頭で実物を確認し、最終的にECで購入するなど、消費者の購買スタイルが多様化しています。
こうした中で求められるのが、顧客ひとり一人に寄り添ったコミュニケーションを核とするOne to Oneマーケティングです。消費者にとっては、毎日限られた時間内に膨大な量の情報の中から自分が欲しいと思うものを取捨選択する時代となっています。やみくもにクーポンを配布したりインセンティブを付ける従来のやり方で、消費者の行動を喚起することは、もはや困難になりました。継続的なエンゲージメントを導くためには、個々にとって有益かつ共感できる情報やサービスを提供し、信頼関係を築くことが必要とされています。
この個別最適化のニーズの高まりを受け、顧客とのコミュニケーションの記録を一元管理するCRMを使って購入履歴に合わせた商品提案をしたり、自動メール配信機能などを含むMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して、見込み客の検討度や購入頻度に応じたタイミングで商品情報を届けることで販促につなげる企業が増えています。こうしたOne to Oneマーケティングを実践するためには、顧客の属性や行動履歴データの蓄積、分析、活用が欠かせません。

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ここからOne to Oneマーケティングでの顧客データの活用について事例を交えて紹介します。
ある大手アパレル企業では、ひとりあたりの購入単価が高い実店舗とECのクロスユーザーの存在に注目し、両チャネルやアプリから得られる顧客の行動・購買履歴の分析のもと、個々に特化したコミュニケーションを届ける施策を実施しました。具体的には「お気に入り登録」×「値下げ通知」、「お気に入り登録」×「在庫通知」など、顧客の行動に合わせた93の稼動シナリオを作成。これを個別に電子メールやアプリのプッシュ通知で知らせることで、検討中の顧客の購買コンバージョン率を高めることに成功しました。特に高い成果を見せた在庫通知機能は、顧客が店舗に出かける前に在庫の有無を確認できるので「店舗に行ったけれど在庫がなかった」という状況がなくなり、ユーザビリティの向上につながりました。
メルマガやSNSなどを通して個別に特化した情報を送り、顧客ロイヤリティの向上に努める施策もいろいろと見られます。例えばあるアパレル企業では、顧客が店舗で購入した商品に合わせてコーディネートしたスタイリング画像を、パーソナライズしたメールとして送付。店舗スタッフが自らモデルとなってコーディネート情報を発信することで、ブランドに対する愛着の醸成にも役立てています。こうした店員の「メディア化」は顧客とのリアルな接点を強みとするアパレルや百貨店などで積極的に取り入れられており、オンラインで完結する診断型サブスクリプションなどとの差別化を図っています。
3つ目は、1店舗あたり約7~8万という商品数を抱えるホームセンターの事例です。同社は、膨大な品数の中から商品を探すのが大変というホームセンター特有の課題を改善することで、顧客サービスのパーソナライズを強化しました。具体的には、アプリ内で顧客がお気に入り登録した商品の店頭在庫を1個単位で表示し、さらに棚の陳列位置の表示も可能にしたことで、買い物時のストレスを解消。さらに膨大な表記ゆれのパターンを蓄積したデータベースの導入により、顧客によって異なる検索キーワードに対応したことで、アプリ内での商品到達率が40%も向上。結果的に商品を探す負担が顧客・店員ともに軽減され、その分の時間を接客や売り場づくりの改善に回すことができた成功例です。
さまざまな効果が実証されているOne to Oneマーケティングのデータ活用ですが、活用を検討する際には留意すべき点があります。近年プライバシー保護の観点からCookieの活用が制限されるなど、パーソナルデータの収集のあり方も見直されていますが、データ活用をする中でぶつかりがちな壁を知っておくことも重要です。
まず、顧客の購買・行動データを分析しセグメンテーションを行うためには、精度の高い顧客データを蓄積することが不可欠です。特に実店舗とEC両方を有する小売では、従来のPOSデータやトラッキングだけでなく、両方で得られる購買・行動情報を一元管理して総合的に分析することが、多様な購入パターンを持つ顧客の潜在的なニーズを理解するうえで重要です。こうしたさまざまなデータを統合して高度な分析が行えるのが、カスタマー・データ・プラットフォーム(Customer Data Platform)です。しかし、高度なデータ解析が行える基盤や環境を自社だけで整備するのは簡単なことではありません。
また、そうして分類された個々の顧客のニーズや嗜好に合わせてシナリオを立てて、誰にどのような内容をどのような方法で届けるのか、最適なアプローチを検討する必要があります。パーソナライズしたメールマガジンを配信するなら、その数だけコンテンツや文言のパターンを考えなければいけませんし、そもそもメールマガジンがその個人にとって最適なコミュニケーション手段なのかなど、検討すべきことは無限にあります。
個々に寄り添ったマーケティング施策を実践するには、それだけ手間もコストもかかるのが実状です。効率化をめざしてCRMやMAツールを導入しても、結局十分に使いこなせないケースも多々あるようです。だからこそソリューションシステムを導入する際には、その目的や運用に必要なリソースを見直すことが必要です。
どこから着手してよいかわからない場合、自社が保有しているデータを使って一時的に試験導入を行うことで、目的としている分析がどの程度可能なのか把握することができます。本格導入の前に、まずは試験的な利用から始めて、費用対効果を検討してみてはいかがでしょうか。
ビジネスのデジタル化が急速に進む昨今。収集・分析したデータを経営戦略に活用する「データドリブン経営」に注目が集まっています。この潮流は小売業界においても例外ではありません。消費者のニーズが多様化し急速に変化する先行き不透明な時代で小売事業者が生き残るには、データドリブン経営の実現がカギとなります。本ホワイトペーパーでは、そもそもデータドリブン経営とは何かを整理するとともに、取り組みを成功させるために押さえておくべきポイントも解説します。
先行き不透明な時代における小売業のデータ分析・活用入門

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