2023.03.31 (Fri)

建設業はICTで変わるのか(第26回)

建設業界の課題を解決する「建設現場DX」

 

 業務効率化、生産性の向上が喫緊の課題となっている建設業界では、デジタルトランスフォ」ーメーション(DX)に取り組む企業が増えてきました。ここでは、DXによって建設業界が抱えるどういった課題を解決できるのか、なぜ建設業界ではDXが進まないのかといった基本的なポイントを解説します。

建設業界におけるDXへの取り組み状況

 「DXへの取り組み状況」を問う2021年のアンケート調査の結果を見ると、DXに取り組んでいる日本企業は全体の28.1%を占めます(実証実験中の企業を含む)。この数値だけを見ると少なく思えるかもしれませんが、2017年に同じ質問を投げかけた際は全体の10.5%にとどまっていたことを考慮すると、日本企業におけるDX推進の機運は高まっていることがわかります。

 ところが業種別でDXへの取り組み状況を見ると、DXに着手している建築事業者は20.7%となっています。さらに、「実施していない、今後も予定なし」という回答が60.5%を占ました。DXの推進において、総務省は「組織面」「人材面」「ICT活用」の3つの要素が欠かせないとの見解を示しています。アンケート調査の結果を踏まえると、組織面の観点では「建設業界ではDX推進の意識が根付いていない」と考えられるでしょう。

なぜ建設業界でDXが進まないのか

 なぜ建設業界ではDXが進まないのでしょうか。DXの取り組みが遅れている理由については多数の事業者が「人材不足」「デジタル格差」を課題だと認識しており、「ITベンダーがいないと回らない」状況だと受け止めています。

 とくにデジタル格差が生じる理由としては、建設業界特有の事情があるためだと考えられます。

多重化した下請け構造

 建設業界では、元請けや下請け、孫請けといった下請け構造の多重化が一般化しています。下請けや孫請け企業の従業員は、工事の進行管理を担わないため、紙面や口頭で指示を受けて建設現場で作業を行います。業務でデジタル機器を使わないので、下請けや孫請け企業ではDX推進の重要性を認識しづらく、これがデジタル格差の発生につながると想定されます。

小規模事業者が多い

 2022年に総務省が発表した「経済センサス」を参照すると、全国にある建築事業者のうち個人事業主が26%、常用雇用者9人以下の小規模な建築事業者が85%を占めます。個人事業主や小規模事業者は、デジタル化まで手が回らず、大規模事業者との間にデジタル格差が生じてしまいます。

大規模事業者との取引が少ない

 多くの作業員を必要とする大がかりな建設工事に参加できれば、大手ゼネコンと接することで新しい技術・情報に触れる機会が生まれます。デジタルデバイスでやり取りするよう要請されれば、必然的に業務をデジタル化する必要性を感じやすくなります。「中小企業白書2021」では、デジタル化のきっかけについての回答のうち、「取引先からの要請や要望」が約60%を占めました。しかし、規模の小さな建設工事では大規模事業者が関わることが少なく、デジタル化の必要を感じないまま業務をこなしていくケースも少なくありません。その結果として、デジタル格差が進んでしまいます。

DXによって解決できる建設業の課題

 こうした特徴を持つ建設業界では、他の業界のDX成功事例をそのまま適用することは難しいでしょう。まずは「建設業界が抱えている課題はDXによって解決可能だ」とそれぞれの企業が認識することが重要です。具体的には、ICTツールの活用によって下記の課題を解決することができます。

技能継承

 若手技能者が減少している中、ベテラン作業員の技能をいかにして継承させるか悩む事業者は少なくありません。技能継承に関しては、VR技術やAI技術の活用によって解決できます。VRカメラでベテラン作業員と視覚情報を共有したり、ベテラン作業員の技術をAIに学習させて「経験」を定量化したりすることで、若手作業員への技能継承がスムーズに進むでしょう。

危険な作業・過重労働のリスク

 重機の遠隔操作やドローンの活用によって、重機と人の接触事故や、危険な場所に立ち入るリスクを低減できます。自律走行可能な運搬機器を導入すれば、過重労働から作業員を開放することも可能です。

完成イメージの共有

 2020年に国土交通省が発表した「成長戦略フォローアップ」では、発注者との認識のすり合わせやプレゼンテーションの効率化などを目指してBIM(Building Information Modelling:3次元で建設予定の建築物を見える化し、発注者と技術者双方の理解度を高めるシステム)の活用が推奨されています。建設業界で欠かせない「完成イメージの共有」を大幅に効率化できるでしょう。

 こうした課題の1つひとつをICTツールによって解決していくことで、建設業界のDXは達成できます。ICTツール活用にあたってアドバイスがほしい場合は、建設業界のことを熟知しているICT事業者に相談するとよいでしょう。

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