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まちづくりのヒント(第4回)

農業が抱える課題を解決するスマート農業とは? 最前線の取り組みを紹介

 高齢化や人手不足により農業従事者が減少し、農業における生産性の向上が深刻な課題になっています。この課題を解決する手段として「スマート農業」が注目を集めています。

 本記事では、スマート農業の概要や課題のほか、最新事例や国のプロジェクトを紹介します。

スマート農業とは

 スマート農業は、ロボットやAI、IoTなどの最先端技術を活用して、農業の省力化や生産性向上を実現する取り組みです。「スマートアグリ(Smart Agri」)や「アグリテック(Agri Tech)」とも呼ばれます。

 近年の日本では、食の安全を取り巻くさまざまなリスクが顕在化しています。例えば気候変動の深刻化や感染症の拡大のほか、地方を中心とした労働人口の大幅な減少、先進国中最低水準の食料自給率、低いエネルギー自給率などです。

 こうしたリスクを回避し、農業を成長産業に変革する試みとして、最先端技術を活用したスマート農業が注目を集めています。

スマート農業の主な課題

 農業が抱える課題を克服する手段として注目されているスマート農業ですが、普及にはいくつかの課題があります。主な課題は以下の通りです。

機器やサービスの導入コスト

 スマート農業の実現には、センサーやカメラなどの導入が必要です。これらの費用は高額になりがちなため、規模の小さい農家などが導入したい場合に、費用面が障壁になることがあります。解決策として、政府の補助金を利用したり、リースを活用して導入コストを軽減したりする方法があります。

ICT技術やデータ分析の知識不足

 スマート農業の導入と利用には、一定レベルの技術的な知識とスキルが必要です。一方で農業従事者は高齢者が多いため、新たな技術の導入や活用に消極的なケースは少なくありません。この課題を解決するには、知識やノウハウを有した人材の育成や、技術活用をサポートするための支援体制の確立が必要です。

機器やシステムの互換性の問題

 スマート農業では、複数の機器やシステムを連携して、システム全体を構築します。現在、スマート農業で利用される機器やシステムは数多くの企業やメーカーが開発しており、異なるメーカーの機器やシステムを連携する際に、互換性の低さが課題になるケースがあります。この課題は、メーカー同士による規格の統一や、機器やシステムをトータルでサポートするサービスが解決策になります。

スマート農業の取り組み

 こうした課題を解決するため、日本各地でさまざまな取り組みが進められています。ここではそのなかの例を紹介します。

次世代施設園芸の技術活用

 次世代施設園芸(施設園芸=温室やハウスを利用した栽培)の分野では、最先端技術を駆使した環境制御によって、新たな農業の形を目指す取り組みが進められています 。ICTやAIを活用して、温度・湿度・CO2などを制御し、収穫時期の判定を緻密に行い、計画的な生産による収穫量の大幅な向上が期待できます。

 次世代施設園芸では、作業計画の策定や作業の標準化、従業員の適正配置によって生産性向上を実現し、雇用の創出や経営規模の拡大を図っています。さらに地域エネルギーを活用して化石燃料依存から脱却することで、経営の安定化につなげる狙いがあります。

施設園芸向け生産・労務管理サービス

 IoTやAIを活用した次世代施設園芸のトータルソリューションの提供もはじまっています。データ分析や環境制御の専門知識がなくても簡単にスマート農業が行える施設園芸専用の生産・労務管理サービスがあります。、遠隔地からハウス全体の進捗状況を可視化して分析し、作業者を適切に配置して労務コストを軽減します。さらに蓄積したデータを活用して生産性向上を実現します。

政府が進める「スマート農業実証プロジェクト」とは

 スマート農業は日本政府も支援しており、2019年度から農林水産省の主導で「スマート農業実証プロジェクト」が進められています。スマート農業実証プロジェクトは、スマート農業を実証して社会実装を加速させていく事業で、実際に生産現場にスマート農業を導入して技術実証を行うとともに、経営への効果を明らかにすることを目的としています。プロジェクトでは、農業の担い手のほぼすべてが2025年までに「データを活用した農業を実践すること」を目標にして、活動記録を蓄積する取り組みが進んでいます。

 農林水産技術会議のスマート農業実証プロジェクトのウェブサイトには、プロジェクトに関する最新情報や現場の声、実証データなどが掲載されています。ウェブサイトでは、実証を開始した担当者のインタビュー動画など、スマート農業に取り組もうとしている事業者や既に取り組んでいる事業者にとって有益な情報が公開されています。

まとめ

 スマート農業は、農業の課題である労働力不足を解消し、省力化や生産性の向上などの新たな価値を生み出します。一方で、スマート農業を広く普及させるためには、導入コストの削減や人材育成、機器の互換性の問題などをいかに解決できるかがポイントです。

 NTT東日本グループは、これらの課題を解決するため大規模な施設園芸や陸上養殖の分野でICTによる環境制御を活用した施設の設計や施工を担うハウスエンジニアリング事業や、種子開発・生産・流通・販売・マーケティングから、六次化加工までを含めたバリューチェーンを担い、ICTによるデータ駆動型農業やGX(Green Transformation)を推進中です。NTT東日本グループは、スマート農業による技術革新と各地域の協力を通じて、地域社会全体に貢献していきます。

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