顧客リストをエクセルで管理している場合、郵便番号、県名、市町村名、番地、建物名が別々の列にあるセルに入っているというケースは多くあります。そこから顧客にダイレクトメールなどを送るために、住所や氏名などをまとめて取り出したい際は、複数の列に入っているデータを結合して1つにまとめる必要があります。
このようなケースで、複数のセルに入力されているデータを結合する方法はいくつかあります。本記事では、演算子「&」を使用する方法、CONCATENATE関数を使用する方法、そしてフラッシュフィルを使用する方法の3つを紹介します。
演算子を使用してデータを結合
たとえば下記のようにB列に姓、C列に名前が入っている表から、D列にフルネームのデータを演算子「&」を使って作成してみましょう。
フルネームを入力したいD2のセルを選択して、「=B2&C2」と入力します。
「&( アンパサンド)」は文字列演算子と呼ばれるもので、複数の文字列を連結するときに使用します。B2やC2はセル番号です。B2のセルに入っている値「山田」とC2のセルに入っている値「太郎」が結合されて「山田太郎」というデータがD2に入ります。
またD2のセルの右下をクリックして、D6までドラッグすれば、同じ演算式を使用してセルを埋めることができます。これはオートフィルという機能です。
セル内にない文字列も連結できる
文字列演算子で結合できるのは、セルに入っているデータだけではありません。セル内にないものも文字列であれば、「&」でつなげることができます。
セルにない文字列を結合するには、「&」の後に結合したい文字列を「"(ダブルクォーテーション)」で囲んで入力します。顧客名の後に「様」を付けたい場合は、「=B2&C2&"様"」と入力します。
関数を使えば、複雑な結合でミスが削減
「&( アンパサンド)」を使用したデータの連結は使いやすいのですが、連結する列や文字列の数が多くなると入力が大変で、ミスタイプの危険があります。その場合はCONCATENATE関数を使用すると「&( アンバサンド)」を使用したのと同じ結果を得ることができます。
フルネームを入力したいD2のセルを選択したら、[数式]タブの[関数ライブラリ]グループにある[文字列の操作]をクリックして、メニューから[CONCATENATE]または[CONCAT]を選択します。
[関数の引数]ダイアログボックスが開いたら、[テキスト1]のボックスに連結させたい文字列の入ったセルをクリックして指定していきます。今回は、[テキスト1]のボックスを選択してから、セルB2をクリックします。
続けて、[テキスト2]のボックスに セルC2をクリックします。
セルにない文字列を連結したいときは、テキストボックスに直接入力すると、文字列の前後のダブルクォーテーションが自動で付きます。
最後に[OK]でダイアログを閉じるとセルD2の数式バーに、「=CONCATENATE (B2,C2,"様")」または「=CONCAT (B2,C2,"様")」と表示され、セルD2には、結合された文字列が表示されます。
関数では、[関数の引数]ダイアログボックスを使用して引数として文字列をいくつでも指定できるので、引数の数が多い場合は、関数のほうがミスは少なくなるでしょう。
エクセル2016以降では、CONCATENATE関数はCONCAT 関数に置き換えられています。引き続きCOCNCATENATE関数も使用できますが、バージョンによってはCONCAT関数が正式な関数名となっていることを覚えておきましょう。
1回の入力で自動化するフラッシュフィル
エクセル2013以降のバージョンでの機能になりますが、フラッシュフィルを使用しても文字列の連結が可能です。フラッシュフィルはデータの法則性を見つけ出し、文字列の結合などの編集を自動で行ってくれる機能です。
設定方法は、まずセルD2に下のように表示したい文字列を直接入力します。入力が終わったら確定して、 [データ]タブの[データツール]グループにある[フィル]のアイコンをクリックし、メニューから[フラッシュフィル]を選択します。
この設定のみで、セルD3以降は自動で結合してくれます。
フラッシュフィルは、入力したサンプルを元に法則性を見つけ出し、他のセルを埋めてくれる機能です。場合によっては、サンプルから結合ルールを認識できない場合もあります。その際には「&」やCONCATENATE関数を使用してください。またフラッシュフィルは結合だけではなく、データを分割するような使用方法も可能です。
セルのデータを結合する処理には複数のやり方があります。最も単純な「&」での結合だけでも足りる場合もありますが、結合するセルや文字列の数が多い場合は、CONCATENATE関数を使うとミスが減らせるでしょう。もしエクセルのバージョンが2013以降で関数を使っても、うまくルールを認識できる場合は、フラッシュフィルを試してみましょう。
このように何通りかの方法を覚えておけば、ケースに応じて使い分けられるようになり、データ処理の作業効率も高まるので3つの方法を覚えてみてください。
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