エクセルの表示を見やすくするために、「セルの書式設定」は重要です。たとえば「20170201」という日付の表記も、書式設定を活用することで、自動的に「2017年2月1日」のように変えることができます。
今回は、「セルの書式設定」をする上で押さえておきたいポイントを6つ紹介します。
【1】日付を「年月日」で表示する
まずは冒頭で挙げた、「年月日」を表示する方法を説明します。以下の画像のように、B列に「20170210」「20170211」「20170212」……という、8ケタの数字が記されたセルがあるとします。
まずは、数字を入力しているB2からB6セルを選択しましょう。そして右クリックでメニューを表示し、「セルの書式設定」を選びます。
そして、「表示形式」タブにある「分類」から「日付」を選択し、画面右側の「種類」から適用させたい書式を選びます。
「月日のみ表示する」、「漢字表記ではなく半角のスラッシュを使う」など、さまざまな選択肢がありますが、今回は「年月日」を表示する「2012年3月14日」を選択してみましょう。なお、ここで表示されている「2012年3月14日」はあくまで表示例となります。
ですが、値は年月日ではなく、「######」と表示されてしまいました。この理由は、セルにマウスオーバーするとわかります。日付書式のセルに負(マイナス)の値、もしくは大きすぎる値を入れると「#####…」と表示されてしまうのです。
これには、「シリアル値」というものが関係しています。Excelでは、1900年1月1日を「1」として日付を計算しています。1日あたり「1」を加算していく仕組みになっており、1900年1月5日は「5」、同年1月31日は「31」となります。
ここでは最初に「20170210」と入力しましたが、これを年月日に変換しようとすると、1900年1月1日を起点として「2,017万210日後」と認識してしまうため、表示エラーが発生してしまうのです。
エラーを発生させないためには、最初に入力した「20170210」という数値を、「2017/2/10」といったように、「/」を入力する必要があります。「/」を入れてから、セルの書式設定を変更します。
このようにすれば、エクセルは入力してすぐに「これは日付だ」と認識するため、「20170210というシリアル値だ」と認識せず、日付として表示します。
それでもまた「######」……と表示されてしまう場合がありますが、これは「●●年●月●日」と表示するための横幅が足りないためです。B列の横幅を広げ、すべて表示させれば問題ありません。
【2】指定したセルをパーセンテージ表示で統一する
エクセルで消費税を用いた計算をする場合、「0.08」といった数値を表示するよりも、「8%」のようなパーセンテージ表記にした方がわかりやすいです。これも、「セルの書式設定」で変えられます。
たとえば以下のような表があるとします。このうちのF列の消費税を、パーセンテージ表記に変えましょう。
先程の日付の表示形式を変更したときと同様、F列の当該セルを選択そ、右クリックで「セルの書式設定」を選び、「分類」から「パーセンテージ」をクリックしましょう。
表示がパーセンテージに変わりました。単位は変わりましたが、入力されたデータはそのまま利用できます。ここではE列に入力された「小計」のセルと、F列の「消費税」を用いて、税込み価格を算出してみましょう。税込み価格は、小計と消費税を掛けたものに、小計をプラスすれば出てきます。
表の一番上に数式を追加したら、「合計」を記載したい行まで一括で選択します。そして「Ctrl」キーと「D」を同時に押すと、選択しているセルすべてに、一番上の数式が適用できます。
【3】小数点のケタ数を変える
さきほどの表では、消費税の「8%」を用いましたが、たとえば利率などを計算するときなどは、もっと細かい数値になるでしょう。そのような場合には、「セルの書式設定」から、パーセンテージに小数点以下の桁を追加することができます。
小数点以下1桁までを表示するように設定すると、以下のように「8.0%」と表示されます。
桁数を指定する際、その桁よりも下にも数字がある場合は四捨五入されます。たとえば「0.12 」を 小数点以下1桁で表示すると「0.1」となります。
【4】セルを罫線で縁取りして、見やすい表を作成する
エクセルで図表データを作成するとき、罫線は必須です。そこで、書式設定から罫線をつけてみましょう。
たとえば以下のような、データのリストを作成したとします。
この表に罫線を付ける際には、データ全体を選択してから、右クリックでメニューを表示し、「セルの書式設定」をクリックします。
「罫線」タブから、線の引き方を選びます。今回は外枠を太い実線に、内側を細い実線にしてみましょう。線の種類(太線・細線・点線など)は「線」の「スタイル」から、線を引く箇所は「プリセット」から選びます。
これで、表が完成しました。
※ここからは見やすくするためにエクセルの枠線を非表示にしています。
罫線は「セルの書式設定」だけでなく、エクセル画面の上部に表示されているリボンの「ホーム」タブからも挿入できます。
罫線の引き方は細かく設定できます。たとえば以下のように表の中の見出しとなる部分を太線で区切れば、より見栄えが良くなります。
【5】文章をセル内で自動的に折り返す
小さなセルに長文を入力すると、入力値がセルの右側にはみ出て表示されることがあります。このはみ出しを禁止して、自動的にセルの端で折り返すようにしてみましょう。「セルの書式設定」から「配置」タブを選び、「折り返して全体を表示する」にチェックを入れ、OKをクリックします。
こうすると以下のように、入力値はセルの端に達すると自動的に折り返され、そして折り返したぶんだけセルが縦方向に広がります。
【6】1つのセルに適用した書式を、別のセルにも適用する
以下の画像のように、「太い罫線」と書かれたセルは太線で囲み、「細い罫線」と書かれたセルは細線で囲みたいとします。ですが、「太い罫線」と書かれたセルがふたつあり、それぞれに書式設定を行うのは手間がかかります。
そこで、キーボードのショートカット機能を使って、2カ所に同じ書式設定をしましょう。
まず、片方のセルに書式設定を行い、太線でセルを囲みます。次に、もう片方のセルを選択し、「Ctrl」と「Y」キーを同時に押します。これで、2カ所に同じ書式設定を適用できました。
「Ctrl」と「Y」を同時に押す操作は、「直前に行った作業をもう一度実行する」ことができる「ReDo」と呼ばれる機能です。あくまでも「直前に行った作業」を再適用するものなので、たとえば太い罫線を指定した後で中央寄せをした後で「Ctrl」と「Y」を同時に押すと、「中央寄せ」が適応されます。
今回紹介した6つの書式設定は、日々エクセルを使う人にとって便利な作業となります。見やすく、わかりやすいエクセルデータを作成するための第一歩として、実践していきましょう。
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