オフィスソフト使いこなし(第59回)

ワードの便利な表機能を使いこなそう

posted by 松崎 美穂

 ビジネス文書には、見積書や請求書などの計算表だけでなく、予定表やチェックリストなどさまざまな表を掲載することがあります。そのような表をワードで作成しようとすると、エクセルとは微妙に操作が違うために苦労したという人も多いでしょう。

 本記事では、ワード特有の表作成に便利な機能を紹介します。これを押さえておけば「どうしてエクセルと同じようにできないんだろう」というイライラが、「ワードだからこそ便利!」という感覚に変わるかもしれません。

文字列から表を作る

 表の作成は、まず枠線を引き、そのあと文字データを入力して表の形を整えていきます。入力するデータの個数があらかじめわかっている場合は、先に文字データを入力しておき、その後に枠線を引くこともあるでしょう。CSV 形式のファイルを読み込んで表を作成したいときは、後から枠線を引く方法が便利です。

 ポイントは文字データの作成時に、表の区切りになる部分に「Tab」や「カンマ」を入れて区切り、「Enter」を改行として入力します。たとえば下記のようになります。

データ→(Tab)データ→(Tab)データ↵(Enter)

データ→(Tab)データ→(Tab)データ↵(Enter)

 下記のキャプチャ画像では、わかりやすいように編集記号を表示させています。「→」の編集記号の部分がTABキーで入力した部分です。もし、編集記号が表示されていなければ、[ホーム]タブの[段落]グループにある[編集記号の表示/非表示]をオンにしてください。

 まず表に変換するテキストをドラッグで選択し、[挿入]タブにある[表]グループの[文字列を表にする]をクリックします。

 [文字列を表にする]ダイアログボックスが表示され、[表のサイズ]にある列数・行数と、[文字列の区切り]がタブにチェックが入っていることを確認したら[OK]をクリックします。

 一括で表の枠線が引かれました。

列幅を調整する

 この方法で表を作成すると、用紙に合わせた列幅となり、境界線は等間隔で配置されます。もちろん列幅や境界線位置の調整が可能です。基本的な調整方法は、境界線をドラッグしてスライドさせます。ところが、ワードで表の境界線をドラッグした際の動作がエクセルと異なるので、エクセルに慣れている人は操作性にイライラしてしまいがちです。

 上の表では一番左の列の幅が広いので、これを狭めるために、1列目の左側の境界線をドラッグします。

 ドラッグすると、境界線の左側の列幅は狭まりましたが、そのぶん右隣の列の幅が広がってしまいました。エクセルでは表全体の幅も変化しますが、ワードでは境界線をドラッグしても表全体の幅は変わらないため、他の列の幅に影響を及ぼしてしまうのです。これでは、全ての列を1つずつ調整することになり大変です。

 この問題を解消するためには、境界線のドラッグを[Shift]キーを押しながら行います。

 すると境界線の左隣の列のみ幅が変更されます。

 この場合は、表全体の幅も変わるため、他の列幅に影響を及ぼしたくない場合や、表全体の幅を縮めたい場合に便利です。

特定のセルの幅を変更する

 ワードでは列全体ではなく、特定のセルの幅のみを変更することもできます。幅を変更したいセルの左下角にマウスポインターを合わせ、マウスポインターが太い黒矢印の形に変わったらクリックします。

 次に幅を変更したいセルの枠線上にマウスポインターを合わせドラッグします。特定のセルの幅だけを変更できました。これはエクセルにはない、ワード独自の機能です。

表を2つに分割する

 ワードで作成した表が大きくなり、2つに分割したい場合、表の一部を切り取って貼り付ける(コピー&ペースト)操作をすることもあるでしょう。しかし、ワードでは簡単に作成済みの表が分割できます。分割したい行の任意のセルをクリックして、[レイアウト]タブの[結合]グループにある[表の分割]をクリックします。

 ポイントは、分割する際に選択しておくセルです。選択していたセルを含む行が、新しい表の1行目になります。

 ワードは、エクセルにはない独自の便利な機能があります。とはいえエクセルの表作成が全く不要というわけではなく、エクセルは計算式が簡単に挿入できるという大きなメリットがあります。

 計算が必要な場合にはやはりエクセルのほうが適している場合が多くあります。文字中心の表ならばワード、計算が多く含まれるならばエクセルとうまく使い分けをしてください。

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松崎 美穂

松崎 美穂

大学卒業後、外資系ソフトウェアベンダーへ入社。インストラクター、コンサルタントとして約5年在籍。その後フリーとなり、インストラクター経験を活かし、各種ソフトウェアの操作説明作成、カスタマーサポート、Office製品・パソコンインストラクターなどの業務に従事。2児の母。趣味はピアノ。

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