他人には聞けないICTの“いま”(第35回)

今からでもまだ間に合う! ICT管理者探しはお早めに!

posted by 大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 ICT管理者は、オフィス内のICT環境を維持・管理するとともに、トラブルが発生したときには復旧対応の中心となる重要な存在です。本社のほかに複数の拠点がある、業務で社外からオフィスとデータのやり取りを行うなどといった場合は、維持・管理の内容も高度なものになり、ICT全般に関する専門知識やノウハウが求められます。

 企業側も、知識とノウハウを有したICT管理者が必要と理解はしていても、自社の業務に適した具体的な人材像を把握できないなどで、採用に躊躇している企業も多いのではないでしょうか。本記事では企業がICT管理者を採用・確保する際のポイントを紹介します。

ICT管理者なしではセキュリティ対策が不可能

 「ICTを管理できる人材がいない」と悩んでいる経営者は多いことでしょう。実際に、ICT人材の不足は企業に対するアンケートからも明らかになっています。日本情報システム・ユーザー協会が2017年に公開した調査「第23回 企業IT動向調査2017(16年度調査)」では、連結売上高別で企業のグローバルITガバナンス達成上の課題という質問をしたところ、連結売上高1兆円未満の企業では「予算・人材の不足」、1兆円以上だと「ルール・ポリシー欠如」「ロードマップ共有不足」がICT管理を強化する上での課題として認識されています。

 このように、ICTを管理する人材がいない、あるいは人材がいても組織が整備されていないとどのような問題が生じるのでしょうか。

 まずICT環境が、業務に合わせて最適化されていない可能性が高くなります。知識やノウハウのある人材が不在の状況でICT環境を整備しようとしても、業務に必要とされる環境を整備することは難しいでしょう。今やオフィス外からでも社内のサーバーにアクセスできるようなネットワーク環境が求められています。また端末もPCのみならずスマートフォンやタブレット端末といったように多様化。そしてサーバーにクラウドの導入などというように、ICT管理の業務は大きな変化が生じています。そのような中で自社の業務に最適化したICT環境を構築することは、管理者不在では困難でしょう。また最適化されていないICT環境ではかえって業務効率を損ねるかもしれません。

 また管理者不在のICT環境において、セキュリティ対策が整っている可能性は低いでしょう。万が一、セキュリティ面の甘さによってPCのウイルス感染から情報漏えいなどが発生したら、業務がストップするのはもちろん、顧客にもダメージを与える可能性もあります。情報漏えいが起こっても知識やノウハウがなければ、トラブルの内容や原因の把握ができず、さらに相談相手の見当もつかないといった最悪の状況もあり得るでしょう。

ICT管理者の人材不足は解消されない

 ICT管理者が不在では、業務効率やセキュリティ対策などに大きな影響を及ぼすことがわかりました。企業経営に必要なICT管理者ですが、人材不足の状態が今後も続くといわれています。

 総務省の「IoT時代におけるICT経済の諸課題に関する調査研究報告書」によると、ICTの人材不足は今後さらに深刻化していきます。国や民間は人材育成に努めていますが、2030年にかけて不足傾向は解消どころかむしろ深刻になるという予想です。ICT管理者のような専門的な人材だけでなく、PCオペレーターなど、ICTにたずさわる幅広い職種の人材もますます不足していくことが追記されています。

 また、この調査報告書では、新市場における売上の向上、投資収益率(ROI)の向上、既存顧客の満足度向上、そして従業員の意欲・満足度向上など、ICT人材の採用が企業でさまざまなプラスの効果を生んでいることも明らかにされています。

 ICT関連の技術は今後も急速に発達していくことが予測されます。新技術をキャッチアップし、セキュリティ強化や業務効率化を目指してICT管理ができる人材の重要性も高まるでしょう。そのためICT人材の獲得競争は激しさを増し、人材不足に悩む企業がますます増えていくと考えられます。

ICT管理者をアウトソーシングするメリット

 ICT人材の不足は、特定の業種や企業規模に限定されるものではなく、多くの企業が頭を悩ます問題です。そして、今後も人材不足が続くという前提で、企業はICT管理者を探す必要があります。

 社内で人材を育成すると、コストだけでなく時間もかかります。不在や育成という空白期間を解消すべく、ICT管理者を外部企業にアウトソースするのも1つの手です。会計業務を外部の税理士へ依頼するのと同じように、外部企業にICT管理のサポートを依頼することで、人材不足の解消はもちろん、運用コストの軽減も期待できるでしょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2018年3月11日)のものです。

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大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

塾講師、マーケ系情報コンサル等を経てフリーライターへ。企業のオウンドメディア、英語学習サイト、ニュースサイトを中心に執筆している。

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