2016.06.14 (Tue)

社員のモチベーションを高めるヒント(第6回)

自発的に動く組織のつくり方

posted by KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 業績をあげるために、管理者は部下に困難な目標を示したり、無理強いせざるを得ないことがあります。しかし、そのようなことを続けると部下の心は離れ、両者の間に隔たりが生まれてしまいます。管理者が統制することなく、部下が自発的に行動し、企業が成長していく方法はあるのでしょうか。自発的な組織づくりに成功した2つのスーパーマーケットを取り上げます。

チームに自治権を与える「ホールフーズマーケット」

 多くのスーパーマーケットはチェーン展開するために、中央統制の仕組みをとっています。イオンやセブン&アイ、米ウォルマートなどがその成功例といえるでしょう。

 ところが、アメリカのホールフーズマーケットは、全く異なる組織づくりをして成功を収めています。有機農作物や持続可能な農業に強みを持つ同社は、上場以来約20年で売上規模45倍、約300店舗のチェーン展開、6万人近くの社員を抱える大企業へと急成長を遂げました。急成長の理由は、店舗内チームに大きな自治権を持たせたことにあります。

 ホールフーズマーケットには、鮮魚、青果、レジなど細分化された8つのチームがあり、大きな権限が与えられています。具体的には、人材採用や価格設定、発注、人員配置など業務上の意思決定がチームに任されており、責任を負うスタイルをとっています。他のチームの業績データを見ることや、チームの業績が基準を超えれば毎月ボーナスが支給されるなど、社員のモチベーションを上げる工夫もされています。

 この仕組みが上手に機能している背景には、企業と社員の間に強い信頼関係があることが挙げられるでしょう。企業の姿勢や価値観が社員ひとりひとりに深く浸透しており、企業哲学に基づいて行動しているのです。

スーパーの常識を打ち破る「カスミ」

 日本にも、自発的な組織を目指すスーパーマーケットがあります。茨城県の食品スーパーチェーン「カスミ」は、中央統制スタイル型の規律型組織を、ひとりひとりが考えて行動する自発的組織へ変革することに取り組んでいます。

 カスミの会長・小浜裕正氏は、長年ダイエーで中内功氏の右腕として活躍した人物です。2000年にカスミに転籍すると、経営難だった同社をV字回復へ導いた実力者。その小浜会長がスーパー経営の常識を破ろうと変革に取り組んでいます。「社員にもお客さまにも愛される企業」「経営理念に基づいて社員が自律的に行動できる組織」を目指し、これから100年続くカスミの礎を築こうとしているのです。

 そのために、社内キーマンとの対話や社員満足度の調査、ソーシャルメディアの啓蒙活動、Facebookでのコミュニティ活用などを進めてきました。そして現在はソーシャルシフト施策にも取り組んでいます。ソーシャルシフトとは、ソーシャルメディア上で企業と生活者が交流することにより、信頼関係を築いていくという考え方。ソーシャルメディア上で新商品・サービスのアイデアを募ったり、ソーシャルメディア上で企業の取り組みを紹介することなども、その一環です。

 現在カスミでは、モデル店舗を支援する「ソーシャルシフト・コミッティ」のほか、共有すべき価値観を考える「未来委員会」、価値観に沿って自律的な店舗運営を行う「モデル店舗」を中心として改革を進めています。

自発的に動く組織づくり

 顧客は、迅速で誠実な対応ができる企業を求めます。中央統制型の組織と比べ、自発的組織の方がより顧客の満足する形に近いと言えそうです。消費者の要望に応えるためには、規律型組織から自発的に動く組織へと変化すべき時期にさしかかっているのかもしれません。

 それには、社内を透明化し、共感できる使命や価値観を打ち出し、社員ひとりひとりに組織の一員としての自覚を持たせることが重要です。使命を達成しようとする気持ちが、所属する組織のために自ら献身的に動く原動力となるのです。

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ライター・ウェブディレクター。プロのダンサーから転身。就職サイト、社会人向け情報サイト、エンタメサイトのウェブディレクターの経験を経て、記者、フリーライターとして活動しつつ、某テレビ局のサイト立ち上げ、コンサルなど幅広く活動している。

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