2016.04.28 (Thu)

社員のモチベーションを高めるヒント(第3回)

これからの社員食堂の話をしよう!

posted by 株式会社アークコミュニケーションズ

タニタの社員食堂に学んでみよう

 書籍化されて大ヒット、さらに人気女優を起用した映画が制作される。歴史的な出来事の話ではありません、一企業の社員食堂の話です。「お腹がいっぱいになり、知らないうちに痩せていた」をコンセプトとするタニタの社員食堂が話題になって、社食の新しい価値が広く世間に知られるようになりました。

 普段はなにげなく使い、そもそも社食のない企業が多いなか、どんな価値が再発見されたのか……。興味深い実例を見ながら導入のヒントを探ります。

見直された社食のメリット

 体重計などの計測器メーカーであるタニタが、社員食堂をオープンしたのは1999年。それまで健康重視で、味を置き去りにしてきた食堂施設が従業員満足の観点からリニューアルし、味・量・健康を満たした社食として生まれ変わりました。

 その10年後にテレビの社食紹介コーナーで取り上げられ、次いで書籍化されて当時400万部を超える大ヒット。社内の枠を超えた「タニタ食堂」として、全国10箇所以上のオフィスビルや病院で展開しています。

 こうして2010年前後からタニタを手始めに火が付き、各社ユニークなコンセプトの元に社食が運営されていたことが、一般にも知れ渡りました。本来は大所帯の胃袋を満たすための施設でしたが、いまでは、コミュニケーションやリラックスの場所、そして社風を表現して外向けにアピールする役割を担うようになっています。

 福利厚生と健康管理、モチベーションと生産性の向上、コミュニケーションの促進、社会貢献、もはや社食は単なる食堂ではないのです。

社食を無料にしたGoogleの理由

 斬新な取り組みがしばしばニュースになるIT企業。その筆頭であるニューヨークのGoogleでは、なんと社食を無料提供しています。もちろん莫大で豊富な資金力がなせる業ではありますが、アメリカのオフィスでは近くに食事をできる場所が少なく、無料でも社内で済ませてくれたほうが高効率だそうです。

 また「フリーソフトも提供する会社として、社員からお金をとることはできない」「社員の健康増進は会社としてのミッション」という理念もあるとのこと。最先端の技術を開発し、時代を牽引する役割を果たそうとする、気概とアピールが感じられます。

 同じIT業界を調べると日本の東京にある楽天も無料です。東京という土地柄から、外食が高価になってしまうことの会社としての対策。同じ釜の飯を食う古典的な連帯感。それにクリエイティブな仕事をするうえで、会社に使われている感を排除したいという思いから無料に踏み切りました。

 まったくうらやましい限りですが、IT業界はアイディアを売る、常に仕事モードのハードな世界。単純な年功序列でもないので、こうした福利厚生が必要だという見方もあります。

健康・農業貢献・ワークスペースとしての社食

 タニタと同様に健康を強く意識したメニューを提供しているのが資生堂。健康と美しさを作る「健美食(けんびしょく)」をコンセプトとしています。低カロリーで低脂質、食塩を減らし野菜を増やした食事を毎日楽しむことができます。化粧品メーカーだけあって、会社のメッセージを社内外に向けて発信し、地に足を付けて実践する取り組みが見てとれます。

 半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスの社食もヘルシーがキーワード。提供しているのは、国産有機野菜を使ったメニューの数々です。年齢層が高い社員への配慮と、自然や環境のことを考えたCSRの側面が強い社食といえるでしょう。

 以上のように食事によって社員の健康を守り、それがひいては会社の利益につながる考え方が浸透しているなかで、新しい働き方の提案をする社食もあります。

 外資系の事務用不動産サービスを業務とするシービーアールイーでは、オフィスに多目的に使えるカフェを設置しています。打ち合わせスペースやワーキングスペース、歓迎会などのちょっとしたパーティにも使える仕様です。仕事というと、決められたデスクや会議室の中だけで行われるイメージがありますが、オープンな雰囲気の場所を社内に作ることも大事だと考えさせられます。

ケータリングを活用した簡易社食

 さまざまな社食を見てきたところで、最後に導入費用を削減する取り組みをご紹介しましょう。

 費用がかさんでしまう大きな理由は、厨房設備と料理人の人件費。それを抑えるために、ケータリングを利用する手段があります。料理を外部で作ってくれて、それを運んでくれるわけですから、大きな専用の食事スペースも必要ありません。簡易的なキッチンを設置してくれるサービスもあり、その場合は社内で作りたてが味わえます。

 ケータリングは、手軽さが特徴のひとつ。いきなり全従業員のランチを依頼する前に、ひとつの部署で試してみるなど、試験運用から始める手もあります。従来型の社食から切り替えを考えるときの選択肢にもなるでしょう。

 ケータリング社食を扱う業者は増えてきているので、自社に近いところを探してみてはいかがでしょうか。

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