2025年4月1日利用分より、フレッツ 光ネクスト(一部サービスタイプ)の月額利用料を改定します。詳細はこちら別ウィンドウで開きますをご確認ください。

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2024.09.24 (Tue)

企業のデジタルシフト(第27回)

DXで成果が出る企業と出ない企業は、何がどう違うのか?

IPAの資料によると、DXに取り組んでいる企業は増えているものの、ビジネスモデルの根本的変革や新製品・サービスの創出に成功している例は少ないといいます。なぜなのでしょうか?

DXに取り組んでいる企業は70%を超えている

 デジタル技術を活用して業務フローを改善したり、新たなビジネスを創出する「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」に取り組む企業は増えているようです。

 IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が2024年7月に発表した資料「『DX動向2024』進む取組、求められる成果と変革」によると、調査対象となった1013社のうち、2023年度に「全社的にDXに取り組んでいる」と回答した企業は37.5%で、2021年度の21.7%、2022年度の26.9%と、徐々にその割合を増やしています。

 「全社的にDXに取り組んでいる」のほか、「一部の部門において取り組んでいる」「部署ごとに個別で取り組んでいる」といった、一部だけでもDXに取り組んでいると回答した企業も合わせると、全体の73.7%に達しています。これは2022年度における米国企業のDXへの取り組みと、ほぼ同じ水準に並ぶ勢いです(77.9%)。

 さらに「(DXに)取り組んでいない」と回答した企業も減少しており、2021年度は33.9%、2022年度は29.1%だったのが、2023年度は18.9%まで減っています。同資料ではこの結果について、「企業のDXの取組は着実に進展している」「DXの取組は、日本企業でも当たり前の企業活動の一部となりつつある」と評価しています。

日本のDXは、「D」はできているが、「X」ができていない?

 このようにDX化に取り組む企業が増えている一方、その成果は部分的なものに限られているようです。

 資料ではDXに取り組む日本企業のうち、9割以上が「アナログ・物理データのデジタル化」に取り組んでおり、6~7割の企業が「成果が出ている」と回答しています。加えて、業務の効率化による生産性の向上についても9割以上が取り組み、5~6割が成果をあげているといいます。

 しかしながら、「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」「新製品・サービスの創出」の取り組みについては、7割以上の企業が取り組んでいるものの、成果が出ている企業の割合は前者が17.7%、後者が22.1%に留まっています。

 つまり日本におけるDXは、アナログデータのデジタル化や業務の効率化といった「デジタル化」については成果を上げている一方で、付加価値の創出やビジネスモデル変革といった「トランスフォーメーション(変革)」の面においては、成果はいまひとつといった状況にあるようです。

DXで成果が出る企業と出ない企業は、何がどう違うのか?

 このように、多くのDXに取り組む企業がデジタル化で止まっているものの、一方で1~2割の企業は、デジタル化だけでなくトランスフォーメーションの面においても成功していることになります。そうした企業は、デジタル化で止まっている企業とは、何がどう違うのでしょうか?

 資料によると、DXで特に成果を挙げている企業は、「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革(ビジネストランスフォーメーション。以下、BX)」や、組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化(プロセストランスフォーメーション。以下、PX)に取り組んでいる企業が多いといいます。こうしたBX、PXに取り組む企業(以下、BX企業/PX企業)では、全社的なデータ活用やAIの活用といった共通項が見られるといいます。

 BX企業に限定すると、生成AIの活用や、内製による自社開発に取り組む傾向や、ITに見識のある役員が3割以上も存在している、という特徴もあるといいます。ちなみにIPAの調査によると、「自社の役員に、IT分野に見識のある役員が3割以上いる」と回答した日本企業は、わずか約17%となっています。

 このほかBX/PX企業では、最先端の仕事ができたり、社内の風通しが良く、リスクを取ったチャレンジが尊重されるなどの社内文化が形成されているといいます。資料では、DXでは既存の業務プロセスやビジネスモデルの変革を伴うため、成果を出すためには従業員が積極的にチャレンジする機会を設けることが必要としています。

デジタル化を進めた後にそびえ立つ“第2の崖壁”がDXの本番

 IPAでは本資料のまとめとして、DXに挑戦した企業のうち、すでに4~5割が「デジタル化」という“第1の崖壁”を乗り越えたものの、その先にはまだ2割程度の企業しか乗り越えられていない「ビジネスモデルの根本的な変革(トランスフォーメーション)」という“第2の崖壁”が存在すると表現しています。この第2の崖壁が乗り越えられるよう、日本企業のDXのさらなる強化や意識改革を期待するとしています。

 資料でも繰り返し指摘されているとおり、DXは単なるデジタル化ではなく、それによって新たなビジネスを生み出すような変革を意味する言葉です。デジタル化によって業務が効率化されたのであれば、新たに生み出された時間で何にチャレンジするのか、新しい一歩を踏み出すことを念頭に置いたDXが、多くの日本企業に求められているといえるでしょう。

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