2025年4月1日利用分より、フレッツ 光ネクスト(一部サービスタイプ)の月額利用料を改定します。詳細はこちら別ウィンドウで開きますをご確認ください。

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2022.11.15 (Tue)

その悩み、スマートファクトリー化が解決します(第14回)

「コミュニケーション環境」を整備し、安全で高品質なモノづくりへ

 従業員同士のコミュニケーションを密にすることは、製造業において重要な意味を持ちます。生産効率を上げるだけではなく、事故防止にもつながるからです。しかし、現場では、「工場の騒音で声が聞こえない」「外国人労働者との意思疎通が難しい」など、コミュニケーションを妨げる要因がいくつも存在します。これらのコミュニケーション課題を解消するには、アプリケーションの活用や作業場所に適したデバイスが欠かせません。現場に潜むコミュニケーションの阻害要因と、その解決方法について解き明かしていきます。

現場のコミュニケーション不足が事故を招く

 製造業と聞くと、各自が黙々と作業をしているイメージですが、実際はコミュニケーションを密にすることで、職場が活性化し、作業の効率化が期待できるようになります。

 現場の安全性の確保、事故防止の観点からも、従業員同士のコミュニケーションは必須です。多くの設備や機器を扱う製造現場では、ちょっとした操作ミスや伝達の行き違いが生産機器の誤作動につながり、最悪の場合、生命を脅かしかねない事態に発展します。

 実際の労働災害(労災)の件数を見ると、令和2年から令和3年にかけて、製造業をはじめほぼ全ての業種において死亡者数が増加しています。休業4日以上の死傷者数は平成10年以降では過去最多となっており、予断を許さない状況が続いています。

参照:厚生労働省「令和3年 労働災害発生状況」

製造現場は、そもそもコミュニケーションしづらい環境

 製造業の安全対策にはさまざまな手法がありますが、中央労働災害防止協会は、労災防止には「確認の会話」が必要であると述べています。労災はしばしば、「言い間違い」「聞き間違い」「誤解」「思いこみ」などの会話のすれ違いで発生します。会話のすれ違いを減らすのに必要なのが「確認会話」です。確認会話とは、従業員同士が会話の内容について正しく理解できているかを、都度確認しながらコミュニケーションを行う手法です。

 確認会話を実践するために、話す側は「多分」といったあいまいな表現や、「大丈夫」といった異なった意味に受け取れる表現を避け、「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)」を意識して伝えることを心掛けましょう。聞く側も疑問やあいまいな点があれば、すかさず相手に確認したり、一言念押ししたりして、話し手の意図を汲み取れるように努めます。

 しかし、製造現場においては、職場環境そのものがコミュニケーションの取りづらい構造になっています。具体的には、「工場の騒音で会話が聞こえない」「工場が広すぎて指示しづらい」「担当する作業が完全に分かれていて会話することがままならない」「トランシーバーなどの設備はあるが、音声が聞き取りづらい」「外国人労働者との意思疎通が難しい」「機械を止めて手袋を外さないと電話に対応できない」といった課題があります。

 こうしたコミュニケーション課題を解消するためには、作業場所に適したデバイスやアプリケーションを活用する必要があります。

デバイスとアプリケーションの併用でコミュニケーションを円滑化

 製造現場のコミュニケーションツールとしては、従来から無線機(トランシーバー)が利用されていますが、種類によっては、「通信対応距離が短く障害物に弱い」「混信することがある」「利用にあたり免許が必要な場合がある」「価格が高い」「バッテリーの減りが早い」「本体が重い」など、さまざまな問題を抱えています。

 これらを解消するには、5Gなどのネットワーク環境を整えたうえで、従業員にモバイル端末を支給するのが良いでしょう。携帯電話回線を使って通信を行うため、製造現場が複数カ所に分かれていたり、管理拠点と現場が遠い場合でも、スムーズに指示を出すことができます。もちろん無線免許も不要です。

 さらに多言語対応のアプリケーションを導入すれば、外国人労働者との意思疎通もスムーズに進み、コミュニケーション円滑化が期待できます。アプリケーションを通して指示を文書化できるため、互いの認識の間にズレが生じたり、「言った、言わない」の論争が起きることの防止にもつながります。

 このほか、グループ通話やグループチャットを導入すれば、同時に多人数の従業員に指示を出すことも可能です。これらはメールのような堅苦しい定型文も必要なく、前置きなしに本題に入れるため、コミュニケーションがスピードアップします。

働きやすい環境は、エンゲージメント&モチベーションに直結

 従業員へのモバイル端末の貸し出しに関しては、情報セキュリティ対策が必要になります。万が一、従業員が移動時や出先でモバイル端末を紛失してしまったら、会社の内部情報や顧客情報が流出するリスクがあるからです。

 スマートフォンなどの端末は、Webサイトの閲覧やメールの送受信などが行えるため、誤って不正サイトにアクセスしてしまったり、ウイルスが仕込まれた添付ファイルを開封してしまう恐れがあります。

 そのため、現場内でモバイル端末を活用するにあたっては、従業員に「私的利用の禁止」「無断で他人に貸与しない」といったルールを順守させるのはもちろんのこと、管理側が安全なネットワーク環境を構築することが欠かせません。セキュリティ上のリスク対策を行いつつ、コミュニケーション円滑化のメリットを生かすためには、安全なネットワーク環境の構築と自社に適したデバイスの選定に関して、知見のあるベンダーと相談しながら慎重に行う必要があるでしょう。

 働きやすい環境を提供することは、従業員のエンゲージメントやモチベーションの向上に直結します。従業員エンゲージメントの向上は、自社の業績アップにつながるだけでなく、定着率を高めたり、有望な人材の獲得がしやすくなるといった効果も期待できます。より高品質な製品を、より効率的に生産できるよう、従業員同士のコミュニケーションの円滑化に着目してみてはいかがでしょうか。

製造業のスマートファクトリー化をデジタル技術から支援

日本の製造業は人材不足や老朽化した生産設備の維持、技能継承など、さまざまな問題を抱えており、これらに対応するため、生産性の向上が喫緊の課題となっています。NTT東日本は、「デジタル技術」と「セキュアなインフラ環境」によって、工場のデジタル化(スマートファクトリー化)をご支援。製造業の生産性向上をサポートします。


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