2021.03.19 (Fri)
クラウド導入はじめの一歩(第11回)
クラウドバックアップとは?おすすめサービスも紹介
業務や作業を行う上で、データのバックアップを保管することは非常に大切です。重要なデータほど、災害時に影響を受けないよう遠隔地にサーバーを設置したり、個人作業のバックアップであれば、簡単に複数デバイスからバックアップファイルにアクセスできる必要があります。クラウド上で動作するオンラインストレージはバックアップにおけるさまざまなメリットを持ち合わせたサービスです。本記事ではクラウドバックアップについて解説し、おすすめのオンラインストレージを紹介します。
クラウドバックアップとは
「クラウドバックアップ」とはクラウド上で動作するオンラインストレージにデータをバックアップする方式のことです。
オンラインストレージが登場するまでは外付けハードディスクにバックアップを保存したり、企業であればバックアップ用のサーバーを設置して保存する必要がありましたが、クラウドバックアップは個別の機器をそろえる必要がないなどのメリットがあります。
以下ではクラウドバックアップによるメリットを解説します。
クラウドバックアップによるメリット
クラウドバックアップのメリットとしては、「コスト削減」、「一元管理」、「災害対策」が挙げられます。
コスト削減
上記の通り、クラウドが登場する以前は外付けハードディスクやサーバーを用意する必要があったため、初期費用やサーバーの運用コストが発生していました。
しかし、クラウドバックアップではオンラインストレージの利用契約を行うだけで利用開始できるため、データを保存する機器を購入する必要がありません。さらに従量課金制であるため、ランニングコストも抑えることができます。
一元管理
自前でサーバーを用意していた場合、バックアップ容量の増大に伴ってサーバーの増設が必要でした。そのためサーバー台数が増えるほど管理に手間がかかってしまいます。
それに対してクラウドバックアップではオンラインストレージを利用するため、サーバーの増設を行う必要がなく、データの一元管理が行えます。オンラインストレージ容量の増設を行う場合は、契約しているサービスのプラン変更を行うだけですぐに増設が可能です。
災害対策
クラウドバックアップで利用するオンラインストレージは海外など遠隔地のデータセンターを選定することができるため、企業が被災した場合でもバックアップデータに影響が及ぶ可能性を下げることが可能です。そのため被災した場合でも、オンラインストレージに保存しているバックアップを復旧することで早期に業務復旧を行うことが可能となります。
クラウドバックアップにおすすめのオンラインストレージ
オンラインストレージはどれもデータを保管するために提供されているものですが、サービスによって特徴があります。以下では法人向けと個人向けにカテゴリを分けて、それぞれクラウドバックアップにおすすめのオンラインストレージを紹介いたします。
法人向け
法人向けにおすすめのオンラインストレージとしては「Hybrid Backup Sync」、「Box」、「AOSBOX」が挙げられます。法人向けサービスの特徴としては、単にデータを保管するためのオンラインストレージではなく、バックアップを保管し、復旧することを前提としたサービスが充実していることです。
Hybrid Backup Sync
Hybrid Backup SyncはQNAP社が提供しているオンラインストレージサービスで、バックアップ、復元、同期機能が一つのサービスに統合されています。
本サービスの特徴は、バックアップとして保管したファイルを3種類作成すること。そのうちの1つは遠隔地に保管して災害時にデータが消失することを防ぎ、バックアップからデータの早期復旧を可能とします。
その他の特徴として、QuDedup技術というバックアップデータをソース側で重複削除する技術を採用していることから、全体的な容量を削減することができ、転送に必要な帯域とバックアップ時間を節約することができます。
セキュリティ面も徹底的に対策されており、クライアント側での暗号化、SSL接続、Amazon S3サーバー側の暗号化に対応されているため、ファイル転送時やオンラインストレージに保存する際にもデータが保護されます。
Box
BoxはアメリカのBox社が提供しているオンラインストレージサービスで、容量無制限のプランも選択可能です。
本サービスの特徴としては、ZoomやMicrosoft365、salesforceなどさまざまなクラウドサービスと連携しており、統合コンテンツ管理プラットフォームとして機能することです。各サービスで作成したコンテンツを本サービスで一元管理できるため、管理の手間を省くことが可能となります。
他にも細かく柔軟なアクセス権限や公開範囲を設定することが可能であるため、社内メンバーだけでなく、外部メンバーとオンラインストレージ上でコンテンツ共有する場合に不要なアクセスを防ぐことが可能となります。
AOSBOX
AOSBOXは日本のAOSデータ株式会社の提供するオンラインストレージサービスです。
本サービスの特徴としては、AOSデータ社独自の「トライブリッドバックアップ」技術を使用して、3種類のストレージに自動的かつ安全にバックアップを保存することができることです。
ミッションクリティカルなファイルは通常ストレージに保存しつつ、ほとんど使用しないデータはコールドストレージという格安のストレージにデータ保存することでコスト削減を図ることができます。
そしてローカルストレージにも重複してファイルを保存することで、バックアップからのデータ復旧時間を大幅に抑えることが可能となります。
個人向け
個人向けにおすすめのオンラインストレージとしては「Dropbox」、「iCloud Drive」、「OneDrive」が挙げられます。個人向けサービスの特徴としては、無料プランが充実していることから、さまざまなサービスを試すことが可能です。
Dropbox
Dropboxはオンラインストレージ黎明期から存在するサービスです。SlackやZoomなどのクラウドサービスとリンクすることができるため、リモートワークにて従業員間のやりとりに最適のオンラインストレージです。
iCloud Drive
iCloud DriveはApple社が提供するオンラインストレージサービスです。Apple製品ユーザーであれば登録の手続きも不要で簡単に利用を開始することができます。
本サービスはApple製品間でオンラインストレージ上の最新データが同期されるため、自宅のMacで作業しiCloud上に保存したデータを、出先ではiPadなどのApple端末で作業の続きを行うことができるなど、Apple製品を主軸として作業する場合は効率良く作業することができます。
OneDrive
OneDriveはマイクロソフト社が提供するオンラインストレージサービスです。そのため、Officeなどのマイクロソフト製品と親和性が高く、コミュニケーションツールであるMicrosoft Teamsとも連携が取れるため、Windowsユーザーだけでなく、マイクロソフト製品ユーザーであれば作業を効率的に行うことができます。
OneDriveはパソコンやスマートフォン向けのアプリが提供されているため、製品ブランドを問わず、さまざまなデバイスで使用することができるのもメリットの一つです。
オンラインストレージを活用してクラウド上にバックアップを取りましょう
業務や作業を行う上で、バックアップを取ることは非常に大切です。クラウドバックアップはクラウド上のオンラインストレージを活用することで効率的かつ安全にバックアップを保管することができ、従来のバックアップのデメリットを払拭することができます。
クラウドバックアップに活用するオンラインストレージにはさまざまな種類のサービスが存在しますが、基本プランは無料だったり、無料試用期間が設けられているものもあるので、複数サービスを試してみることをおすすめします。
※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています
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