2021.03.19 (Fri)
クラウド導入はじめの一歩(第2回)
クラウドストレージの機能、プランを比較・解説
近年、クラウドストレージは多くの企業が提供するようになりました。金額は無料プラン・有料プランが用意され、サービス内容も各社さまざまなものを用意しています。一体、どのようにして選べばよいでしょうか。ここでは、無料と有料どちらのプランを選べばよいかといったほか、おもなクラウドストレージプランを紹介します。
クラウドストレージの選び方
クラウドストレージとは、オンライン上にデータを保存できるサービスを指します。現在、インターネット上には無数のクラウドストレージサービスが提供されており、サービスは料金や利用可能人数など用途に応じて選定する必要があります。
本記事では利便性が高く、幅広い用途に対応した有料プランに焦点を当てます。
クラウドストレージの有料プランを選ぶ理由
クラウドストレージの無料プランはストレージ容量が小さいことや、利用可能デバイス数が少ないことから、本格的に使用する際には利便性やセキュリティの面でデメリットがあります。
無料プランと比較した有料プランのメリットとしては以下の点が挙げられます。
ストレージ容量が格段に大きくなる
ほとんどの無料プランではストレージ容量に限界があります。代表的な例としてGoogleが提供している「Google Drive」の無料プランではストレージ容量が15GBで、これは無料プランの中では容量が大きい部類となります。
それに対して有料プランにした場合は、無制限まで拡張することができます。画像や動画は容量が大きく、1時間程度の動画では1GBを超えることもあるため、個人利用だけでなく、法人利用の場合は有料プランが必要不可欠となります。
安心のセキュリティ
クラウドストレージはインターネットを利用することから、ローカルストレージと比較してセキュリティ面で少なからず懸念があります。無料プランについても基本的なセキュリティ対策は行われていますが、有料プランにすることでセキュリティが強固になるサービスが多く存在します。
特に法人向けのクラウドストレージにおける有料プランではセキュリティ対策が充実しており、ファイルへのアクセス権限や公開範囲の設定、データの暗号化、障害に備えて24時間のバックアップ体制などの対策が講じられています。
困ったときのサポート対応
無料プランの難点としてトラブル発生時のサポート対応の薄さが挙げられます。基本的に無料プランでのサポートはメールでの問い合わせ、もしくは決まった時間内での電話問い合わせが主流となり、重要なデータを扱う場合や業務で使用する際には懸念となります。
それに対して、有料プランでは24時間の電話対応や、メールでの問い合わせに対して1時間以内の返信を確約しているサービスもあり、スムーズなサポート対応を受けることができます。特にビジネスで使用する場合は、トラブル時の損害を考えるとあらかじめ有料プランを利用することがおすすめです。
有料プランの選定ポイント
上記のようなメリットのある有料プランですが、選定する際のポイントとしては「利用料金」、「容量」、「機能面」が挙げられます。
利用料金
有料プランを使用する上での重要ポイントのひとつが料金です。クラウドストレージは基本的に月額およびユーザー数単位での料金となるため、サービスごとの料金差がわずかであったとしても年間を通して考えると大きな差となり、法人の場合は従業員数に応じて差が大きくなります。
容量
その他の選定ポイントとしては容量の大きさがあります。個人利用であれば、容量が必要になった際にプランを変更すればよいのですが、法人利用の場合はあらかじめ使用する容量を見積もっておかないと、業務状況や利用者数の増加により、空き容量の枯渇が頻発する可能性もあります。
法人であれば社内での相談含め、プラン変更に時間がかかる可能性が高いため、あらかじめ使用容量を見積もった上で、サービスを選定する必要があります。
機能面
各サービスで重要視している機能が異なるため、用途に応じてサービスを選定することが重要です。
例としては、外出する従業員が多い企業であれば、さまざまなデバイスに対応しているサービスを選定したり、Microsoft Officeを利用している企業であれば、Microsoft365とリンクしているサービスを選定するなどが挙げられます。
主なクラウドストレージプラン
では、実際にどのようなプランがあるでしょうか。ここでは比較的よく利用されているクラウドストレージを紹介します。
Google Drive
Google OneはGoogleが提供するGmailやスプレッドシートなどのクラウドサービスを含むサブスクリプションサービスで、Google Driveはその中のクラウドストレージサービスです。
Google Oneは主に個人に向けて提供されているサービスで、法人向けにはGoogle Workspaceが提供されています。Google WorkspaceはGoogle oneと比較すると、メールがビジネス用にカスタマイズされていることや、150人まで参加可能なビデオ会議を提供しているなど、法人向けにカスタマイズされています。
Amazon Drive
Amazon DriveはAmazonが提供するクラウドストレージサービスで、特徴としてはプライム会員のみが利用できるAmazon Photosがあり、画像を容量無制限で保存できます。
Amazon Photosが利用できることから、個人利用には向いていますが、権限管理が行えないことから、法人利用にはあまり向いていません。
DropBox
Dropboxは、Microsoft OffceやFacebookなど幅広いクラウドサービスと連動させることができるため、幅広いサービスと連動させる必要がある場合におすすめのサービスです。
OneDrive
One DriveはMicrosoftが提供しているクラウドストレージで、Microsoft Officeなどのサービスとリンクすることが可能です。
法人向けのOneDrive for Businessでは有料で1TBを利用することが可能です。
iCloud Drive
iCloud DriveはApple社が提供しているクラウドストレージサービスで、iPhoneなどのAppleのデバイス間で同期されることから、Apple製品を主軸として使用する方におすすめです。
しかし、iCloud Driveは個人データのバックアップとしての利用が想定されているため、複数人でデータを共有するような法人利用には適していません。
クラウドストレージは月額利用料をチェック
クラウドストレージの選定基準には料金や機能などいくつかの基準があります。その他の重要視しているポイントと照らし合わせて、目的に沿ったクラウドストレージを選定しましょう。
※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています
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