Wi-Fiスポットが充実した時代
2018年の無線公衆LANサービスの利用者は、前年比増14%の5,746万人でした。(※1)。その理由としては、MNO(移動体通信事業者)、MVNO(仮想移動体通信事業者)ともに、スマートフォンのパケット大容量プランを充実させたことで、LTE(4G)を利用したモバイルデータ通信量が増大したからとされています。さらに、政府が訪日観光客対策としてWi-Fiスポットの増設を推進していることもあり、訪日観光客の利用者が増えたことも要因の1つとされています。今後もWi-Fiスポットの増設が行われることから、2021年には、利用者が7,013万人に達するという見通しも出ています。
オフィスのWi-Fi環境を来訪者に提供するメリット
オフィスでのWi-Fi環境は、社員ごとの座席を固定しないフリーアドレスの実現や柔軟なオフィスレイアウト、タブレット端末などによるBYOD(従業員の私物を社内での業務に活用すること)が導入できるなど、作業環境やビジネススタイルを大きく変えました。
しかし、その環境への接続権限を有するのは従業員だけであるケースが大半でした。オフィスへの来訪者からも同様にWi-Fiを通じてインターネットに接続するニーズがあります。しかし主に情報セキュリティリスクの増大を避けるため、来訪者にはオフィス内のWi-Fiへは接続させず、「従業員のためのWi-Fi環境」というものが普及しはじめたころは大半でした。
ところが打ち合わせ中などに、来訪者自身の端末から資料やメールを確認できるようになれば、その場で判断や回答が可能となます。そこでビジネスを潤滑に進めるために、社内とは別で来訪者用にWi-Fi環境を提供するサービスが登場しています。
店舗、イベント、観光地でのWi-Fi接続ニーズも高まっている
Wi-Fi接続へのニーズは、店舗やイベントスペースなどといった一般の来訪者が訪れる施設についてもオフィスの来訪者と同様に高いニーズがあります。
店舗、イベント来訪者が通信端末を利用するシーンとしては、メールチェックや周辺情報の検索、地図閲覧などの加え、SNSへの投稿などがあるでしょう。
SNS利用は、リアルタイムなクチコミ情報が拡散される可能性を持っています。それが施設、イベント、観光地などの認知や評判にも大きく影響するケースもあるのです。
来訪者へのWi-Fi環境の提供と集客
前述した公衆無線LAN利用者数の増加や、国の訪日観光客対策によるアクセスポイントの普及などを背景に、もはや「人が集まる場所にはWi-Fi環境があって当たり前」という時代になりつつあるといえます。こうなると、Wi-Fi環境がないことが不満や不便と感じられてしまうでしょう。
「ないことが不満・不便」と感じている人が少数ではないことを実感させたのは、観光庁が、海外からの旅行者に「旅行中に困ったこと(複数回答)」を調査したことで判明しました。18.7%の人が「無料公衆無線LAN環境(がないこと)」を困ったことに挙げています。調査ではワースト3に入る数字です(※2)。
つまり来訪者が不満や不便と感じると、本人がリピーターになることを期待できなくなる以外に、施設、イベント、観光地の口コミが広まらず、集客などへも影響があるかもしれません。このような点から、Wi-Fi環境を集客ツールとして導入することを検討してみましょう。
来訪者向けのWi-Fi環境提供を実現するソリューション
とはいえ、来訪者にWi-Fi環境提供を実現するためには機材の調達はもちろんのこと、情報セキュリティの確保、トラブルのない運用のための設定や体制づくりが必要となります。
なかでも、認証された端末以外は社内システムにアクセスさせない、アクセスポイントにつながった端末同士の通信をさせない、などの情報セキュリティ面の対策が重要な課題となるでしょう。
情報セキュリティ対策と同時に「安定した通信環境」=利便性の面では、最新の無線規格への対応や、多数の端末が同時接続した場合の安定性など、多岐にわたる留意点があります。
これらすべてを施設などの担当者が行うのは困難が予想されます。困難な場合は通信・SIベンダーの提供する無線公衆LANサービスを選び、サポートしてもらうことも選択肢のひとつです。その際には、機材や設定などサポートがパッケージとなったサービスを選ぶことがポイントとなります。
それらのサービスで、現在、来訪者向けのWi-Fi環境を実現するシステムとして注目されているのが、NTT東日本が提供している「ギガらくWi-Fi」です。設置の容易さや情報セキュリティ面はもちろん、来訪者へ安全・快適にWi-Fi環境を提供するためのさまざまな機能を備えています。加えて、365日受付のサポートセンタの存在が運用担当者に大きな安心感をもたらしてくれます。オフィスや店舗のWi-Fi環境を検討する際の最有力候補にしてはいかがでしょうか。
《出典》
※1:2018年 公衆無線LANサービス利用者動向調査:レポート
ICT総研 市場調査・マーケティングカンパニー
https://ictr.co.jp/report/20181012.html/
※2:訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート|観光庁
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000267.html
●推奨される同時接続端末台数は、Wi-Fiアクセスポイント装置1台あたり50台までです。
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