(2021.11.17更新)
自分、または所属する企業において、ワーク・ライフ・バランスの本質や、本来どうあるべきかということについて考えたことはあるでしょうか。東京都のウェブサイト「TOKYO ワーク・ライフ・バランス」では、その本質やあるべき姿について、「人それぞれの希望に応じて、『仕事』と、子育てや親の介護、地域活動等の『仕事以外の生活』の調和がとれ、その両方が充実している状態」と定義しています。それによって「個人は、より充実した生活をおくり、成長しながら働くことができ、企業は、社員の力を十分に引き出して、持続的に発展することができ、社会全体にも活力が生まれます」とも述べています。
つまり、社会全体に活力があるということは、ビジネスとプライベートを切り分けて完結するのではなく、プライベートの充実がビジネスの質を高め、同時にビジネスの充実がプライベートの質を高めるという相互の充実=ワーク・ライフ・バランスが、その根幹となっているという考えです。本記事では、そのワーク・ライフ・バランスを実現するために、何をすべきかについて考えてみます。
ワーク・ライフ・バランス実現のためになにをするのか
ワーク・ライフ・バランスの実現は、プライベートの充実と同時にビジネスの充実をめざし、それをさらに高め合うものです。自社の発展のためにもワーク・ライフ・バランスが重要であることに気がついた企業では、積極的なワーク・ライフ・バランスを実現するための取り組みが見られるようになりました。企業におけるそれらの取り組みをひと言でいえば「業務効率の向上」です。従前よりいわれる「ムリ・ムダ・ムラをなくす」をより確実に成し遂げることが必要です。もちろんビジネスである以上は安易に業務量を減らしたり、業務の質を落としたりすることはできません。現状の人員でより効率的に業務をこなすための策を練ることで、ワーク・ライフ・バランスの実現をめざすのです。
その取り組みの内容は以下のように大別されます。
・業務の洗い出しと、無駄の削減(無駄な作業を発見し、これをなくす)
・業務フローの改善(だれが、どのように、いつまでに行うのかの見直し)
・従業員の業務効率の向上(スキルアップ・教育)
できることからはじめるワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組み
「業務効率の向上」の取り組みは、必ずしもビジネスモデルの急激な変更や、多額の投資を伴うものではなく、より身近で日常的なことからはじめられるのです。そのような取り組みを、社内の共通プロセスについて特に目に見えやすい「時間」にフォーカスしていくつか紹介します。
1.会議時間の効率化
会議の時間が、無駄な時間としてやり玉に挙げられるのは、さまざまな取り組みにより時間短縮や効率化が見込めるためです。その取り組みは、同時に「会議スキルの向上」にもつながります。
・無駄な会議は行わない
目的が不明確であったり、他の会議で兼ねられたりする場合は廃止する
・会議の時間を短く設定する
アジェンダには課題などとともに制限時間を明記し、設定時間内に目的を遂げることを意識する
2.文書管理の効率化
文書は作成、利用、保管・保存のそれぞれでコストが発生し、それぞれの場面での効率化を心かげます。
・無駄な資料は作らない
会議のためだけの資料などは作成せず、他の資料で代用する
・フォーマットを統一する
文書の作成とともに、その処理までを容易にする
・文書の整理
保存する文書を整理し、不要な文書を破棄することで、文書を探す手間などを削減する
3.作業の標準化
作業は担当者が代わっても、つねに一定以上の品質が保たれながら効率的に遂行できるように、内容や手順を共有しておくことが有効といえるでしょう。
・作業マニュアルを作成する
担当者が代わっても作業をしても一定以上の効率と品質を保てるようになる
・業務スキルを共有化する
一担当者に負担がかららないように従業員間で協力するのと、業務マニュアルを作成することで、作業を標準化する
4.労働時間の管理
労働時間は業務効率を測る尺度として重要であり、これを適切に保ちましょう。
・スケジュールを共有化する
作業量の偏りに気づき、作業の再配分につながる
・管理者による従業員の労働時間の把握
業務効率の低下などの対処が可能
業務効率の向上と残業時間削減の関係
業務効率と作業量とが見合っていなければ、残業が発生するでしょう。ワーク・ライフ・バランスを実現するには、残業を抑制することが重要な課題のひとつであるという考え方があります。
その実現のために、業務効率の向上を図る、その結果として残業時間が削減されるという考え方もあるでしょう。またその逆に、残業時間を制限することで、業務効率の向上を促進するというアプローチも見られています。
あるアプローチとしては、週もしくは月に一度の「定時退社」の設定から従業員への意識付けを始め、その後に「残業禁止」という「制限」を設けるなどことで、積極的に残業時間をコントロールする取り組みなどもみられます。段階的なアプローチの理由は、単に「早く帰りましょう」という企業側の呼びかけで従業員が行動するのではなく、「時間内にいかに業務を終えるか」を従業員に意識してもうらうことで、自発的な行動を促そうとするものです。
業務効率の向上にアウトソーシングを賢く活用
一方で、社内で「時間内にいかに業務を終えるか」という対処をするためのリソースが不足している場合では、アウトソーシングにて解決することも選択肢の1つになります。
例えば、業務においてICTの活用が当たり前となっている昨今なら、専門の情報システム部門を持たない小規模な企業においては、その担当者(多くの場合は兼任で)への負担が過大になりがちです。またICTの運用・管理などの対応が十分に至らない場合も考えられます。このような対応が不十分な状況は、担当者の業務効率のみならず、ICTの活用によって見込める企業全体の業務効率にも影響を及ぼしているかもしれません。
これを改善し、より業務効率の向上を推し進めることをお考えならば、情報システムでの日々の問い合わせ・トラブルにワンストップで対応(※)するヘルプデスクのアウトソーシングとして、NTT東日本の「ITサポート&セキュリティ」を検討してはいかがでしょうか。
ICTでの業務効率の向上を推し進め、ワーク・ライフ・バランスの実現にさらに一歩近づくことができるでしょう。
※メーカーや各種サービス提供者などによる正規サポートを代行するものではありません。サポート対象や提供条件についてはお問い合わせください。
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