テレワークは、離職率の問題の解決をサポートし、企業・従業員にとっての理想的な勤務環境作りに貢献します。ここでは、テレワークの活用により期待される効果、および導入プロセスをご説明します。
テレワークとは?
テレワークとは、「tele(離れた場所)」と「work(働く)」を合わせた造語で、ICT(情報通信技術)の発達により可能となった、時間や場所にとらわれない働き方のことです。
働く場所によって、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3種類に分類されます。
在宅勤務
在宅勤務とは、自宅を仕事場として業務を行うタイプのテレワークです。通勤にかかる時間を削減し、各々が自宅で理想的な仕事環境を構築できるため、従業員の負担を軽減できるメリットがあります。
モバイルワーク
モバイルワークとは、取引先企業のオフィスやカフェ、移動中のタクシー内などを利用し、特定の場所にとらわれることなく業務を行うタイプのテレワークです。業務は主にノートパソコンや携帯電話を使って行います。事業活動のうち必要な部分にのみ取り入れる形となるため、既存の体制を大きく変更しなくても良い点で優れています。
サテライトオフィス勤務
サテライトオフィス勤務とは、業務に必要な設備を備えたサテライトオフィス(本社から離れたテレワーク用のオフィス)を用意し、通勤の負担軽減を図りつつ労働生産性を高めるテレワークです。オフィスの維持にコストがかかるものの、在宅勤務より勤怠管理やモチベーションコントロールを行いやすい点で優れています。
「リモートワーク」と「テレワーク」はほぼ同義
リモートワークとは、オフィスから離れた場所を仕事場として遠隔から業務を行う働き方のことです。今では、テレワークとリモートワークはほぼ同じ意味の言葉として使われているおり、どちらもオフィスに出社せずに働くことを意味します。
地方自治体や行政機関は、助成金などの施策やイベント情報を公表する際に「テレワーク」と表記することが多く、リモートワークよりもテレワークのほうが身近な言葉であるといえるでしょう。
「テレワーク」の認知度は70%超
国土交通省が公表する「平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査」によると、回答者のうち「テレワーク」という働き方の認知度は、70.2%となっています。そのなかでも、「テレワーク」という働き方を「知っていた」と回答した人の割合は32.7%(前年度29.9%)と、上昇傾向にあります。
■「テレワーク」という働き方の認知度
なぜテレワークが注目されているのか?
近年、日本は少子高齢化が叫ばれており、あらゆる分野で人手不足が顕在化してきています。政府によりテレワークが推進され、世間から注目を集めている背景には「労働力人口の減少」という日本の抱える大きな問題があります。また、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症拡大によって、従業員がオフィスに出社できないなどの問題もあります。
こうした背景を踏まえて、労働力の確保や緊急時の事業継続のための方法としてテレワークが注目されています。
高まりつつあるテレワーク導入
総務省が公表する「令和元年版 情報通信白書のポイント」によると、2018年のテレワーク導入率は19.1%となっています。2016年・2017年と比べると、テレワークの導入率は急速に高まってきています。
■テレワークの導入率の推移
出典:総務省「令和元年版 情報通信白書のポイント」
また、企業の規模別に導入率をまとめた調査結果によると、大規模な企業ほどテレワークの導入率が高くなっています。
従業員数が300人より少ない企業では15%程度の導入率となっており、大規模な企業に比べて導入が進んでいない状況です。
■企業のテレワーク導入率(規模別)
出典:総務省「令和元年版 情報通信白書のポイント」
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※1 Microsoft Teamsは、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標、または商標です。
※2 Amazon WorkSpacesは、米国その他の諸国における、Amazon.com,Inc.またはその関連会社の商標です。
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テレワーク導入の課題・問題点とは?
テレワークの導入にはいくつかの課題・問題点があります。特に下記の3つをクリアできるかどうかは導入後の効果に大きく影響します。
- ・情報セキュリティのリスク
- ・勤怠管理などのマネジメント
- ・コミュニケーションの不足
「モバイルデバイス管理(MDM)」のような情報セキュリティシステムの導入や、勤怠管理システムやチャットツールなどの導入によるICT環境の整備を行うことで、これらの課題・問題点の解決に繋がる可能性があります。
テレワーク導入による5つのメリット
上記のような課題をクリアできれば、テレワークの導入によって以下のようなメリットが期待できます。いずれも、多くの企業が直面する問題解決をサポートするものです。
- ・離職率の低下
- ・多様な人材の確保
- ・生産性・業務効率の向上
- ・災害などによるリスクの分散
- ・企業イメージの向上
テレワークを導入することで、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの拡大によって従業員がオフィスに出社できない場合でも業務を継続することができます。
また、在宅勤務を導入することで、従業員が仕事と育児・介護との両立ができるようになります。オフィスに出社しなくても業務を続けることができるようになるため、育児や介護を理由とした離職を減らせる可能性があります。
テレワーク導入時に注目すべき3つのポイント
テレワークを導入するときの判断において、注目すべきポイントが3つあります。
テレワーク導入によりコストが増える、あるいは生産性低下の可能性がある場合、テレワークの導入は控えたほうがいいかもしれません。また、現時点で事業継続性に問題を抱えているかどうか、テレワーク導入により「災害時の業務対応」が改善されるかどうかも注目すべきポイントです。
テレワーク導入による働き方改革の進め方
テレワークの導入は、全体像を把握して計画的に進める必要があります。ここでは、テレワーク導入までの7ステップをご説明します。
- ・Step1 導入検討・全体方針決定・経営判断
- ・Step2 現状把握
- ・Step3 導入に向けた推進体制の構築
- ・Step4 テレワークに関する社内ルール作り
- ・Step5 環境の整備
- ・Step6 情報セキュリティ対策の実施
- ・Step7 テレワークの導入・評価
テレワークの導入は、関係する部署が増えるほど調整が難しくなります。いきなり全社で導入しようとすると調整がうまくいかず、導入そのものができなくなる可能性もあります。
そういった場合には、導入しやすい部署からスタートすることもおすすめです。
テレワークの導入についてお困りのことがあれば、下記よりお問い合わせください。専門のコンサルタントがテレワークの導入をご支援します。
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連載記事一覧
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