2021.03.26 (Fri)

テレワーク・リモートワークとは何か?(第11回)

リモートワークにおける雑談の重要性を解説

 コロナウイルスの蔓延でリモートワークが普及し、通勤時間の解消などメリットがある一方、コミュニケーションが取りづらいといったデメリットも浮き彫りになっています。その中で「雑談が減った」こともリモートワークにおけるコミュニケーションの課題のひとつとして挙げられます。雑談はリラックスした状態で会話できることから仕事を行う上でもメリットをもたらします。本記事ではリモートワークにおける雑談の重要性を解説し、リモートワークで雑談する方法やポイントを紹介します。

リモートワークにおける雑談の重要性

 雑談はビジネスを円滑にするツールと言われており、今や「雑談力」という言葉があるほど重要視されています。雑談にはコミュニケーションを活発化させたり、仕事のストレスを解消させたりなど、さまざまな効果があることが知られています。

 最近は働き方改革や新型コロナ感染症の影響で、多くの企業でリモートワークが導入されています。リモートワークの普及は業務の効率化や従業員の負担を減らす効果がある一方、従業員同士や取引先との「雑談」の機会が減少していることが指摘されています。

仕事における雑談の効果

 仕事における雑談の効果はさまざまですが、代表的な効果として「アイデアを生み出す」「チームワークの形成」「心的距離を近づける」の3点が挙げられます。それぞれの内容について解説します。

アイデアの種となる

 一般的に雑談とは、リラックスした状態で会話を行うものです。形式ばった会議とは異なり、カジュアルな雰囲気での会話は、従業員が緊張せずに自由な発想を行うことができます。すなわちアイデアを気軽に出しやすい環境が自然と構築されるため、雑談から意外なアイデアやヒントが飛び出すケースも多くあります。

チームワークの形成

 チームワークを形成するには、「協力」「指導」「信頼」「サポート」という要素が重要です。いずれも日常的なコミュニケーションによって培われるものであり、そのためには雑談が大きな効果を発揮します。

 従業員同士が雑談を行うことで、より心理的な距離が近くなります。そのため緊密な人間関係を築くことができ、困ったときには互いにサポートしあう環境が自然に整います。些細な相談や連絡もしやすくなるため、仕事に関わるコミュニケーションが活性化され、強固なチームワークの形成が可能となります。

リモートワークにより雑談は減っている

 リモートワークの普及によるコミュニケーションの減少が指摘されています。例として、2020年に実施されたサイボウズチームワーク総研の「テレワークの職場内コミュニケーションに関する調査」の結果によると、リモートワークによって「業務に関わるコミュニケーション」が30分未満となった従業員の割合が6割を占めています。さらに、「業務に直接関わらないコミュニケーション」が30分未満である従業員は8割を超えます。

リモートワークで雑談を行う方法

 雑談はビジネスにおいて重要なツールであるにもかかわらず、リモートワークの普及によって雑談の機会が失われています。しかし、リモートワークであっても、工夫次第では雑談を活発化させることが可能です。具体的な工夫について、以下の2点を紹介します。

コミュニケーションツールで雑談部屋を作る

 企業が日常業務で利用しているチャットツールに、雑談部屋を設ける方法があります。たとえばリモートワークを行うにあたって、「Teams」や「Slack」を導入している企業も多いことでしょう。これらのコミュニケーションツールに、自由に出入りできる雑談部屋を作成することで、従業員同士の雑談を促すことができます。

 新しいツールの導入が必要ないため、比較的取り組みやすい方法と言えます。しかしあくまで口頭での雑談ではないため、相手の声色や顔色を見ながらの意思疎通はできないという点に注意してください。さらに、口頭と比べて雑談のきっかけ作りが難しいため、テーマの提供方法などを工夫する必要があります。

雑談時間を設ける

 雑談部屋の設置だけでは、なかなか参加率が上がらないこともあります。そのため、雑談時間を設けるというのも有効な手段です。例えばオンライン会議システムなどを用いて、あらかじめ雑談の時間を決めておく方法があります。

 チャットツールではいつ誰がいるか雑談部屋にわからないため、リアルタイムでの雑談が難しい場合もあります。しかしオンライン会議システムで時間を決めておけば、所定の時間にメンバーが集まるため、リアルタイムで雑談が可能になります。さらに口頭の雑談が可能なため、より活発なコミュニケーションを期待できます。

 ランチタイムやコーヒーブレイクタイムを活用すると、より親近感のある雑談が可能になるため、アイデアや意見、リモートワークの悩みを出しやすくなります。

おすすめの雑談ツール

 リモートワークでの雑談は、なんらかのコミュニケーションツールの利用が必須です。日常業務で使用しているコミュニケーションツールを使用するのも1つの手段です。あるいは、カジュアルな雑談を目的にしたツールを活用するのも有効でしょう。雑談に活用できるサービスについて、代表的な2つを紹介します。

RemoRoom

 「RemoRoom」は雑談に特化した音声通話サービスです。雑談部屋にいる相手やステータスが一目でわかる仕様であるため、「いま雑談してもよいですか?」といった相手への確認をする必要がありません。さらに、雑談時間には10分の制限時間が設定されており、雑談が長引いて業務に支障を来すことを防止できます。

 会話は音声チャットとビデオ通話の両方が可能で、オンラインでの対面に抵抗がある人でも利用しやすい設計です。業務の合間のリフレッシュ感覚で、同僚との会話を楽しむことができるツールです。

Remmoty

 「Remmoty」はバーチャルオフィスツールで、リアルタイムのオープンコミュニケーションをとれることが最大の特徴です。仮想のオフィスの中に各人の座席スペースが用意されており、ライブカメラ映像によってお互いの顔や様子を確かめることができます。そのため、実際にオフィスで机を並べている感覚で利用できるツールです。

 入退室のログ管理やスケジュール管理も実装されており、チーム全体の労働状況を共有することができます。ワンボタンでオンライン会議を始めることも可能で、雑談だけでなく日常業務をサポートする機能も充実したツールと言えます。

リモートで雑談を行う際のポイント

 リモートでの雑談は、その場の空気を感じながらの会話でないため、沈黙が続いたり、反対に切り上げるタイミングが難しいという点が課題の1つです。これらの課題を解決してリモート雑談を円滑にするためには、以下の2つのポイントを工夫することが有効です。

画面共有を活用する

 視覚的な情報は会話を盛り上げる有効なツールです。たとえば直接対面する雑談では、目についたものから会話を広げることができます。リモートワークの場合は、画面を共有することで、相手との会話のきっかけを増やすことができます。たとえばランチタイムにお互いの食事を見せ合うなどして、会話の切り口となる情報を増やしてみましょう。

テーマやルールを決める

 とくに上司とリモートで雑談する場合は、仕事の話題のみばかりで、会話が弾みにくいことが多いです。このような場合には、テーマやルールを決める方法が効果的です。あらかじめ雑談のテーマを決めておけば、その話題に集中しやすくなります。テーマが決まっているため、部下から上司への質問や意見も気軽になります。

 話題が弾みすぎないように、制限時間のルールを決めておくことも大切です。切り上げるタイミングを気にする必要がなくなるため、相手の顔色をうかがったり、時間を気にしたりすることなく、雑談を楽しむことができます。

雑談を取り入れて、リモートワークを活性化

 雑談は自由なアイデアやヒントの宝庫であり、仕事をする上で重要なツールといえます。リモートワークでは雑談の機会が少なくなってしまいますが、工夫次第ではオフィス業務のような雑談も可能です。雑談ツールや雑談部屋を活用すれば、オフィスでは見かけることもなかった同僚ともつながりやすくなるというメリットがあります。

 雑談は、チームワーク形成や、会社への帰属意識を高める点でも役に立ちます。リモートワークだからといって雑談をあきらめず、工夫を行い、従業員同士の活発なコミュニケーションを促すことが重要です。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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