2016.02.01 (Mon)

お悩み解決コラム(第4回)

備えあれば憂いなし!データはルールを決めてバックアップ!

日々数も量も種類も増えていく業務データ。いかに完璧な作業をしていても、もしもそのデータを失ってしまえば全てが水泡に帰し、ITを使った業務効率向上以前の窮地に陥ります。

トラブルでデータが消失してしまった、または誤ってデータを消してしまったなどの経験はありませんか?またバックアップを取っていたはずなのにそのデータが見つからなかったり、そもそもバックアップの作業自体に手間がかかりすぎるようなことはないでしょうか。そのような社内(事務所)環境におけるサポートニーズについてご紹介していきます。

安定した業務遂行には日常のデータ管理の一環としてデータのバックアップが必要です。
メンバーの誰もがバックアップ作業ができ、そのデータを共有化できたら、トラブル対応力が高まり安心ですね。

バックアップもルールがあり、そのルールに従うことでバックアップを誰もがより効果的・効率的に行えます。
「バックアップがあるから安心だ」そんな環境を作るためのポイントを1.バックアップサイクル、2.バックアップデータのロケーションと命名規則、3.バックアップデータのバージョン管理、4.バックアップの自動化に分けてご紹介します。

バックアップルールとは

バックアップは間接的な作業です。それ自体に大きなコストを掛けてしまっては本末転倒です。

  • 簡単で、手間を掛けないバックアップ作業
  • 安全で、確実なバックアップデータの管理
  • 素早く、コストの少ない復旧作業

これらの実現のためにはバックアップルールを決め、これに従うことが重要となります。

つまり、定例的な作業で、可能な限り自動化し、リストア(データの復旧)が容易なバックアップ環境を作ることが、バックアップルールを定める目的です。
そのための基本的な考え方とともにバックアップルールの運用例をいくつか挙げてみましょう。

1.バックアップは定期的に行おう

 トラブルはいつ起きるか分からないものであり、バックアップは思いついた時にやっても効果的ではありません。ここにルールがないと、古いデータしかバックアップされていなかったり、何時の時点でバックアップしたデータか分からなかったりという事態を招きかねません。では、バックアップのタイミングはどのように決めたらよいのでしょう?

 これはリアルタイムにバックアップを実行できれば最もよいのですが(ミラーリングとよばれます)、その内容にもよりますが一般的な業務の場合には一日一回程度が適当な場合が多いのではないでしょうか。頻度が高いほどバックアップの信頼度は高まりますが、併せてバックアップ自体のコスト(手間、データ量、時間、ハードウェア資産の消費等)も増加してしまいます。
その業務に適当なバックアップサイクルを決め、忘れることなく定期的なバックアップを行いましょう。

2.バックアップロケーションとファイル名称を明確にしておこう

折角バックアップを取っていても、いざという時に「あのデータどこ?」「どれがリストアに必要なデータ?」「どうやってリストアするの?」という状態ですと、トラブルの復旧に手間取ってしまい、リストアまでの時間はもちろん、リストア後のデータの正確さにも影響が出かねません。

これを避けるためには、バックアップファイルの

  • 保存媒体
  • 名称
  • バージョン管理

を明確にしておくことが必要です。

●バックアップデータの保存媒体

バックアップデータの保存媒体は同じローカルマシン内、外付けのデータストレージ、ファイルサーバ、クラウドストレージ等があります。
個人的な作業のワークファイルとしてのバックアップについては、同じローカルマシン(パソコン)のハードディスク内に保存をすることはありえますが、そのパソコン自体に障害が起きた場合には手の打ちようがなくなりますので、今回の話題からは対象外とします。

個人的な作業ファイルや単体のパソコンのバックアップ先として最も小回りがきくのが外付けのデータストレージです。しかし、複数台のパソコンのデータを保存する場合には都度パソコンとの接続をしなおさなければならないなどの面倒さがあります。
物理的に別であればパソコンに内蔵のデータストレージを使うことも便利ではあります。
しかしそのパソコン自体が損傷した場合にはデータを守りきれない場合があります。また、そのパソコンが盗難にあった場合には無力となってしまいます。

一般的にバックアップデータの保存先として運用されることが多いのがLAN内に設置されたファイルサーバです。ファイルサーバはローカルマシン(パソコン)よりもより堅牢なOSで構成されていたり、データの容量が大きいことが、多く選ばれている理由です(ファイルサーバ自体のバックアップは組織のシステム担当者が適宜行うことが一般的)。
また、LAN内の他の複数のマシンからデータにアクセスすることが容易ですので、リストアの際も含めて柔軟な運用が可能になります。

一方、近年注目度が上がっているのがクラウドストレージへのバックアップデータの保存です。インターネットへの接続環境が確保されているという前提ではありますが、ローカルにデータを置かないことでハードウェアトラブルや災害にも非常に強く、多くのクラウドストレージが備えているファイルのバージョン管理機能は単なるバックアップ先として以上の利便性を持っています。
サービスのタイプとしてはそれぞれ独立したクラウドストレージサービスとバックアップシステム(ASPやソフトウェア)を接続・連携して使うものと単体のASPとしてバックアップシステムを提供しているものがあります。

●バックアップデータの名称

論理的な場所の概念を含めた名称にも命名ルールが必要です。具体的にはその物理的なデータ保存媒体上でのディレクトリ名やバックアップデータそのもののファイル名のことです。ディレクトリの作成・命名ルールと共に、ファイル名またはzipなどで圧縮したファイルで保存する場合にはその命名ルールが明確になっていないと、これもリストア時のトラブルを招いたり、余計な手間が掛かってしまいかねません。

何のバックアップデータが格納されるディレクトリかが明確な名前でディレクトリ階層を構成しましょう

3.バックアップデータのバージョン管理

バックアップ方法は、毎回データを全てバックアップする完全バックアップと、変化したファイルだけを保存し直す差分バックアップの2つの方法に大別されます。これも業務やデータの内容によって選択されるものですが、複数の世代のバックアップデータを残す場合があります。この際に、どの時点のバックアップデータでリストアするかの判断をするために、「いつの時点の」「どの版のデータを含む」バックアップファイルかを分かりやすくしておくことが、いざという時のリストア作業の効率にかかわります。

具体的には前述のクラウドストレージなどを用いてのバージョン管理であったり、ディレクトリ/ファイル名にバージョン名を含めたり、データ自体のタイムスタンプにて管理を行います。

バックアップデータ自体の名前にもデータの内容とその版や日時等を含めると便利です

4.バックアップを自動化しよう

バックアップを定期的に行うにしても手作業で行っていると、忙しかったり、或いはその作業自体を忘れてしまったり、誤った方法でやってしまったりというトラブルからは完全には逃れられません。その解決のためには作業のルーチン化や自動化が望ましいのですが、どのように行えばいいのでしょうか?

具体的にはそのための専用のソフトウェアやASPを利用することになります。
その製品によって、バックアップファイルを保存できる場所(同じローカルマシン内、外付けのデータストレージ、ファイルサーバ、クラウド等)やタイミング(リアルタイム、一定時間毎、定時毎等)、バックアップ単位(ファイル単位、ドライブ単位等)、導入コストが異なるので、これも業務に合ったものを選ぶことが重要です。
併せて、一旦設定した内容も都度見直すことでより効率的な運用が可能となります。
また、自動化を含め高度なバックアップシステムが多く企業から提供されるようになっています。

まとめ

今回はバックアップルールを構成する要素として以下についてご説明しました。

  • バックアップサイクル
  • バックアップデータのロケーションと命名規則
  • バックアップデータのバージョン管理
  • バックアップの自動化

そして最後に、バックアップの運用そのもののルールではないのですが、バックアップデータからのリストアを平時にやっておくことも重要です。
実際にやってみることで、リストアの練習となることはもちろん、そのルール自体の不備やハードやソフトを含めた環境、人的リソースなど、平時のバックアップ作業では気が付かなかった問題が明らかになります。

適切なバックアップルールの設定と自動化の徹底の上で、これらをよりご自分の業務にあった方法にアレンジしていくことで、より効率的で信頼性の高いバックアップシステムの運用を目指しましょう。

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