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2017.03.07 (Tue)

顧客満足と経営のほどよい関係(第10回)

SNS時代に顧客第一主義は通用しない!?

posted by 株式会社アークコミュニケーションズ

 故・三波春夫の有名なフレーズに「お客さまは神様です」という言葉があります。

 これは本来は、「神前で祈るときのように澄み切った心で歌う」という、芸の仕事をする自身への戒めでした。それが「お客さまのいうことは絶対である」と間違った意味で使われ、さらに近年は過剰な顧客至上主義への皮肉としても使われるようになっています。これまでの顧客至上主義という考え方が通用しなくなり、隠れていた弊害が目立つようになってきたのです。

 どうしてこれまでの顧客至上主義が通用しなくなってきたのでしょうか。そして、今後はどのように顧客に対応すれば良いのでしょうか。

SNSの普及で顧客の声が「拡散」

 これまでの顧客至上主義が通用しなくなった理由は、多様化した顧客のニーズに対して、企業はそのすべてに対応しようと試み、疲弊の色が隠せなくなってきたのが、ひとつの原因でしょう。

 さらに、2011年から2012年にかけてスマートフォンが急速に普及し、SNSが身近になってからは、顧客の声が簡単に拡散するようになりました。そしてSNSで配信した情報の社会的影響力が拡大し、たとえば悪評が“炎上”したりすると、企業はその対応に力を割くことになり、大きな負担になっています。

 SNSの影響力が大きくなっているところに、もうひとつ企業を悩ませている要素があります。たとえば基本無料のサービスです。特にスマートフォンのユーザーは、アプリを無料でダウンロードして吟味し、必要性を感じた場合に課金するビジネスモデルに慣れています。

 また、同じ商品やサービスを購入した人の感想が、インターネット上に数多く転がっているため、目も一段と肥えています。最初にお金を払ってもらう、これまでとまったく異なるビジネスモデルです。

 総じて高くなりつつある顧客の要求レベルに対し、企業側はそれに応じるための多くのエネルギーが必要になっています。

顧客至上主義を言い訳にする体質

 こうした顧客の要求に対し、すべてを飲んでいる企業もあるかもしれません。しかし、それは危険な選択といえます。

 たとえば近年、「ブラック企業」という言葉をよく耳にするようになりました。ブラック企業の明確な定義はありませんが、パワーハラスメントや長時間労働、サービス残業を強要して、従業員を使い捨てる企業に使われることが多く見られます。そして、長時間労働の原因のひとつとして、過剰な顧客至上主義へ対応するための無理な働き方がしばしば挙げられます。

 もし、いわゆるブラック企業に勤務していた経験のある人は、「お客さまが無理なお願いをしてきたとしても、同業他社に仕事を奪われないためには、我慢をしなければ」という考えが染み付いているかもしれません。クレーマー対応やSNSでの炎上などを考え、顧客の要求に無理に対応しようとしている経験をした人も多いでしょう。

 とはいえ、あまり過剰に反応するのも考えものです。もちろん、クレーマーや炎上への対策は必要になりますが、それは顧客至上主義とは少し論点が違います。

 たとえSNSで悪評が拡散されたとしても、実際に顧客は身を削るほどの過剰なサービスを求めているわけではありません。ほとんどは客という責任のない立場から、正直な感想を発言しているだけで、それがSNSで拡散されているだけです。

 反応すべきものと、無理に反応すべきでないものを切り分けるメディアリテラシーを身につければ、解決できる問題です。過剰な顧客至上主義におちいるのは、それを選択した人や企業の意識にも問題があるといえます。企業としては際限なく高まる要求にすべて応える必要はなく、応えられた部分について上手にアピールできれば十分なのです。

 そのときに力になるのは、顧客の真のニーズをとらえる力と、SNSの仕組みを理解することでしょう。どんな発言が注目され、また嫌われるのか。メディアリテラシーを高めて社員同士で共有すれば、新しい顧客満足を生み出すきっかけになるかもしれません。

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