テレワークと職種

テレワークに向いている・向いていない職種とその理由を紹介

テレワークを実施するにあたり、会社の部門の中でどの部門が実施しやすく、どの部門が実施しにくいかで悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?

テレワークに向いている職種にはある程度の共通の要素があり、その要素をうまく反映させられれば、テレワークに向いていない職種でも部分的にテレワークができる場合もあります。

今回の記事では、テレワークが実施しやすい職種とそうでない職種の紹介と、それぞれの理由について解説していきます。

1. テレワークに向いている職種

2020年11月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが出したデータによると、2020年7月時点でのテレワーク(在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務のどれか)を実施している割合が多い職種は以下となっています。

  • エンジニア、情報処理、弁護士、会計士、税理士等:69.1%
  • 営業職:40.7%

実際、コロナ禍からテレワークが普及して3ヶ月時点でのデータでは、対面でのコミュニケーションが多くなくデスクワークが中心の職業では導入率が70%近くに上り、またコミュニケーションの多い営業職も40%近くという高い実施率でした。各職種についてテレワークに向いている理由を紹介していきます。

参考・出典:テレワークの労務管理等に関する実態調査(速報版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000694957.pdf

①営業

営業職は、そもそも1日の大半はオフィス外での顧客訪問が多く、出社のタイミングは朝の出勤または資料作成などに限られます。対面での商談はできるだけ非対面のWeb商談に移行し、朝礼はチームごとにWeb会議で実施、資料作成は在宅またはモバイルワーク(カフェやコワーキングスペース)を行うことでテレワーク化がしやすい職種となっています。

業務報告やコミュニケーション面の課題も、業務フローをテレワークに対応した方式に変更したりITツールを利用したりすることで解消が見込めます。

取引先に直行する場合でも、オフィスに立ち寄る機会が減ることで、通勤や移動時間を大幅に削減できるため、テレワークの導入によって営業組織の生産性を高めやすくなります。

②コールセンターなどのカスタマーサポート

コールセンターやカスタマーサポートなどは、そもそも顧客と直接対面することは少なく、電話・メール・チャットなどテレワークでも利用できるコミュニケーションであることもあって、環境さえ整えられればテレワークでも問題ありません。決まったマニュアルがあれば他のメンバーとコミュニケーションを行う機会も比較的少ない職種です。

コールセンターなどで電話対応がメインとなる場合、在宅勤務やサテライトオフィス勤務用に会社の電話番号を利用できるシステム(PBX)を導入すれば問題なくテレワークでも電話対応が可能です。近年はクラウドベースのコールセンターシステムもあり、導入も増加しつつあります。

電話をする時の環境としては雑音に注意しましょう。在宅での生活音がする場合や、カフェやコワーキングスペースで周りの音が聞こえるなどのケースが想定されます。

③Webデザイナー・イラストレーター

Webデザイナーは自社またはクライントのWebサイトのデザインを行う仕事で、業務の多くは個人で完結するデスクワークのためテレワークを導入しやすいです。基本的にデザインソフトの入っているPCがあればどこでも仕事ができます。そのためフリーランスで働いている人も多く、コロナ禍前からテレワークを実施している人が多い代表的な職種です。

打ち合わせは作ったデザインを事前に共有してWeb会議ツールで画面共有しながら話すことで問題なく進められます。成果物がはっきりしているので評価制度もオフィス勤務時とそこまで大きく変わらず継続可能です。

イラストレーターもWebデザイナーと同様の理由でテレワークに向いています。

④Webライター・エディター

Webライターなどの文章を書く仕事はテレワークに向いています。基本的にPCがあれば執筆作業は場所を問わずできるので、フリーランスとして活躍する人や育休中などの時短勤務で在宅勤務をしている人もコロナ禍前から多い職種です。

自社内での会議、クライアントとの打ち合わせもWeb会議ツールで実施可能で、成果物もクラウド共有ツールで管理可能です。納品物が明瞭のため進捗管理や評価もしやすいです。

複数業務を兼任していて、その中にオウンドメディア運営などのライティング業務を抱えている場合、その業務の時だけ週に数日のテレワークを実施するなど部分的なテレワークの導入が可能です。

Webライター同様に、エディターもテレワークに向いています。

⑤事務

事務職は業務内容的にはテレワークがしやすい職種です。基本的に一人で業務を進めるためPCがあればどこでも仕事ができます。請求書や契約書の作成・処理、書類の作成・入力・整理などの業務効率は一人で進めるほうが集中しやすく生産性が上がるケースもあります。

導入ハードルとしては、セキュリティ面の整備・会社のペーパーレス化の推進・クラウドツールの使用・電子契約の導入などの環境や制度の整備です。これらが不十分な段階でテレワーク化しても、業務の中で結局オフィスに出社しないと進められないものが出てくるため、テレワーク中でもたびたび出社が必要になる場合があります。

テレワーク中に契約書の押印のための「ハンコ出社」や、FAXを送受信するために「FAX出社」をするケースもニュースなどで報道されていますが、これらはクラウドツールの導入で解決できます。

⑥システムエンジニア

システムエンジニアはシステムの開発、提案、設計、テストなどの業務を一人で行うことが多い業務で、成果物がわかりやすいため進捗管理や人事評価もしやすく、テレワークに向いています。

チームでプロジェクトを遂行する場合でも、ICTツールを利用すれば開発途中での成果物の確認ができ、クライアントの打ち合わせもWeb会議を利用できるので、コミュニケーション面でも問題ありません。

取引先で常駐が必要になるインフラ・サーバーエンジニアなどは、セキュリティの問題や機材の都合上テレワークできない場合もあります。

⑦プログラマー・エンジニア

プログラマーやエンジニアは、システムエンジニアよりもコミュニケーションやプロジェクトマネジメントなどの面が少ないため、より個人でのPC作業が多くテレワークに向いています。コミュニケーションや進捗管理もITツールの利用で問題なく、成果物も明瞭で評価もしやすいです。

勤務場所や時間の制約が少ないため、コロナ禍前からフリーランスとして働く人も多い職種です。WebサイトやWebアプリ開発、スマホアプリやゲーム開発などの企業のなかにはオフィス勤務を必須としていない企業もあります。

営業対応などの取引先での作業が必要になるセールスエンジニアは、あまりテレワークに向いていませんが、営業業務自体をテレワーク化する場合は解消できるケースもあります。

⑧コンサルタント

コンサルタントにはいくつかの職種がありますが、基本的には職場に常駐する必要がなく自社オフィスで行う資料作成などの業務はテレワークが可能です。

ITコンサルタントで取引先常駐での開発が必須であったり、現場に行く必要性が多かったりするタイプのプロジェクトではテレワークに向かない場合もありますが、コミュニケーションツールを利用することで問題なくテレワーク化できることもあります。

⑨管理職

管理職の業務内容は自分で実務を行うことよりも、社員やメンバーの進捗管理や評価、会議などがメインなので、テレワークに比較的向いている職種です。

ただし、オフィスにいる時に直接的に見ることが可能だった社員の働き方や、気軽なコミュニケーションなどの機会が減少するため、適切なマネジメントがしにくくなる場合もあります。業務管理ツールの導入や業務フローの見直しなど、テレワーク用に制度を見直す必要があります。

テレワーク中に管理が行き届かないと感じて、過度に監視システムを導入することは社員のストレスにつながるので注意が必要です。

2. テレワークに向いていない職種

2020年11月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが出したデータによると、2020年7月時点でのテレワーク(在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務のどれか)を実施していない割合が多い職種は以下となっています。

  • 生産現場職91.4%
  • 運輸・保安職80.0%
  • 医療、福祉、教育関係79.5%
  • サービス職71.4%
  • 人事、労務、総務、経理等69.0%
  • 販売職68.8%

コロナ禍からテレワークが普及して3ヶ月経過時点でのデータでは、特定の場所にいくことが必須の職種や、対面でのコミュニケーションが必須の職種、またバックオフィス系の職種の実施率はあまり高くないようです。

参考・出典:テレワークの労務管理等に関する実態調査(速報版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000694957.pdf

①医療業・福祉業

医療系や福祉系の職種は、患者への診察・処置や身体的な介護など直接的に人と関わる必要があるため、あまりテレワークに向いていません。

しかし、近年では非対面での取り組みも実施され始めています。救急医療の現場で治療行為にあたること以外は、デジタル化して効率化できる部分がたくさんあります。

デジタル化している業務の例は以下です。

  • 電子カルテのクラウド化
  • 軽症者や健診患者のオンライン診療
  • 処方箋のオンライン受付
  • 薬のオンライン発注
  • 医師とMRのオンライン商談

テレワークが「できない」というイメージが強い医療分野ですら、非対面で可能な業務はデジタル化によるテレワークの導入が徐々に進んでいます。さらに将来的には、開発が進んでいる福祉用ロボットの現場での活用や、介護用のハードデバイスの普及もしていくことでしょう。

②接客業・販売業

接客業や販売業という業種の中でもテレワーク化が進んでいる部分がありますが、根幹となる対面でのやりとりのテレワーク化はまだ難しいようです。銀行や病院などの窓口対応はもちろん、小売業でのレジ業務、品出しやレジ打ちなどの業務は、現状の仕組みの中では最低限の人員が必要となります。

業界全体としては、リアル店舗での販売からネットショッピングへの移行、店舗や施設でもセルフレジの導入や書類の自動交付などICT活用の取り組みは進んでいます。海外では販売員が常駐していない「無人スーパーマーケット」も事例が増えています。

③生産業・製造業・研究職

製造業などの物理的に商品を生み出したり研究開発するような職種ではテレワークは難しいとされています。企業が専用の設備や工場などに投資をすることで大量生産を実現しており、生産力や開発力を伸ばすことを前提にして事業を進めていることや、そもそも設備がなければ業務を行うことが難しいためです。

そのような職種や業種の中でも、資料作成などのデスクワークなどを一部テレワーク化する、あるいは在宅では難しくてもモバイルオフィスであれば可能な業務を行うなどの取り組みが進んでいます。

3. テレワークに向いている職種の要素

テレワークに向いている職種と向いていない職種を紹介していきましたが、テレワークが実施しやすい職種の要素とはなんでしょうか。ここでは共通する要素を紹介していきます。

現在テレワークを行えていない職種でも、ここで紹介する要素が含まれていれば一部の業務をテレワーク化することは可能ですので、ぜひ参考にしてください。

①業務内容が一人で完結している

一人で完結している業務はテレワークに向いています。業務を進めるにあたり、誰かとのやりとりを多く必要とする業務や、分担して進めていく中で細かく頻繁にやりとりが必要な業務に比べて、個人で完結する時間が多い業務もテレワーク化しやすいです。

役割分担が必要な業務でも、個人の業務に独立性があり、プロセスの共有を頻繁に行う必要がないプログラミングなどはテレワークに向いています。コミュニケーションがチャットやメールで基本的に成立し、会話が必要な時でもWeb会議で問題ない場合が多いです。

②セキュリティ対策が取れる

きちんとセキュリティ対策が取れる、あるいは機密情報を取り扱わない業務や職種はテレワークを導入しやすいです。

テレワークで課題となるのはセキュリティ面です。どうしても情報漏えいのリスクは高まりがちで、またセキュリティ環境の構築に手間のかかる業務内容もあります。遠隔でオフィスのパソコンを利用できるサービスなど、セキュリティ対策がしっかりしている仕組みを導入することが大事です。

取引先の資料を扱う業務や、機密性の高い顧客情報などの守秘責任の大きい業務をセキュリティ対策なしでテレワーク化するのはリスクがありますが、普段からアウトソーシングをしているような業務を、社内メンバーでテレワーク化することは比較的ハードルが低めです。

金融系のシステム開発など特に機密性の高いものはテレワークに向いていません。

③業務内容に勤務場所が関係ない

普段のオフィス勤務において一律で出社をして行われる業務のうち、最低限の機材さえあれば出社が必要ないような仕事はテレワークに向いています。ノートパソコンとクラウドツールさえあればできるような業務はテレワーク向きです。

ハードウェア開発や製造業などの物理的に仕事現場に行く必要のある職種や、対面でのコミュニケーションが必要な接客業や窓口業務はあまりテレワークに向いていません。

④業務の成果物が明確である

業務の成果物が明確なる仕事は、働きぶりがわかりやすくテレワーク化してもスムーズに進みやすいです。テレワークでは普段のオフィスで見ることができる社員の仕事への向かい方、プロセスの進め方などがどうしても見えづらく、評価がしにくいです。一方、成果物が明瞭であれば、業務の進捗度合いの把握・従業員評価がしやすいのでテレワーク化しても問題ない場合が多いです。

数字で業務量が管理できる経理・事務、営業などの職種や、成果物のクオリティで判断できるクリエイティブ系の仕事が該当します。

⑤採用難易度の高い稀有なスキルが必要な職種

一般的に売り手市場となっているような市場価値の高い職種は労働人が少なく、採用することに苦労しますが、テレワークを実施することで採用条件は広がります。勤務場所の制限がなくなることで遠隔での業務が可能になり、ライフスタイルの変化によるフルタイム勤務ができない優秀な人材などの採用チャンスの拡大になります。

専門性の高い職業としては、難関国家資格保持者・機械学習やディープラーニングなどの技術を持ったエンジニア・データアナリストやコンサルタントなどが挙げられます。テレワークを導入することで、通常は出会えない人材を獲得できるチャンスにもなります。

4. まとめ

今回の記事ではテレワークに向いている職種と向いていない職種、またテレワーク化しやすい職種の要素について紹介していきました。

テレワークの導入を検討中でしたら、まずは実施しやすい職種を試験的に実施することをおすすめします。もし実施しやすい職種が少ない場合、完全テレワークではなくとも週に数日のテレワーク化ができる場合もありますので、職種ごとに何を整えるべきかを検討してみてください。

テレワークの導入方法やステップについて解説した資料もございますので、ぜひ参考にしてください。

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