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テレワークのオススメ環境

テレワークで快適な勤務環境をつくるには? 用意すべきものを紹介

オフィス勤務からテレワーク勤務への切り替え時に、問題となるのが在宅などでの仕事環境づくりです。

オフィスではセキュリティ対策や作業に必要な設備も充実していましたが、在宅で問題なく業務ができる環境をつくるために必要なものがいくつかあります。

本記事を参考にテレワーク時に必要な環境をまとめてリストアップしてみてください。

1. テレワークによる労働環境の変化

2020年の新型コロナウイルスのパンデミックによってテレワークは急速に普及しました。生産性向上や感染対策、働き方改革の有効打として期待される一方で、長時間にわたる在宅ワークによる健康への影響なども指摘されています。産業医科大学産業生態科学研究所が行った調査によると、健康への影響としては「身体活動量の低下」「孤立感の増大」などが懸念として挙げられています。また、仕事面では「コミュニケーションロスによる生産性の低下」や「セキュリティ上の情報漏えいリスクの増大」なども課題です。

2. 自宅におけるテレワーク環境のガイドライン

こうした背景もあり、厚生労働省からもガイドラインが提示されています。

厚生労働省から発表されている、自宅におけるテレワークの作業環境整備のガイドラインによると、自宅で業務を行う際のポイントとして下記が挙げられています。

  • 窓(換気整備、ブラインドやカーテン)
  • 椅子(安定性、移動性、高さ・傾き調整、肘掛け)
  • デスク(十分な広さ、体型にあった高さ・または調整が可能)
  • エアコン(適切な温度・湿度)
  • PCについて(ディスプレイの明るさ、キーボードの位置、マウスの操作性)

3. 自宅のテレワーク環境で必要なもの

自宅でオフィスに近い業務環境を作るために必要なものについて、仕事をするために最低限必要なものと、快適に仕事をするために必要なものの2つに分けて紹介します。

①仕事を行うために最低限必要なもの

急ぎでテレワークを導入する場合など、環境づくりに十分な準備できない場合は以下のものから揃えましょう。

(1)インターネット環境

自宅では大量のデータ通信を必要としないためWi-Fiがない人も多いですが、テレワークでは通常の仕事に加えてWeb会議などの大容量データ通信が必要になります。そのため、テザリングやモバイルWi-Fiなどでは通信制限や回線速度などに問題があります。高速かつ定額で大容量データ通信が可能な光回線の整備が必要です。

(2)パソコン

会社からテレワーク用のPCが配布されたり、いつもオフィスで使用しているPCを持ち帰って業務をする場合は不要ですが、そうでない場合は、従業員が自分でPCを準備する必要があります。

(3)イヤホン、ヘッドフォン

イヤホンやヘッドフォンはWeb会議を行うのに必要となります。ノートPCであればスピーカーがついているのでなくても音声を聞くことは可能です。

しかし、デスクトップPCであれば、スピーカーまたはイヤホンやヘッドフォンがないと音声を出力できないことがあります。在宅勤務だけでなくカフェやサテライトオフィスなど他の人がいる場所で業務を行うことも想定すると、盗聴対策などセキュリティ的にも必須です。

(4)Webカメラ

近年のノートパソコンであれば基本的にカメラがついているため不要ですが、デスクトップパソコンの場合はWeb会議用に購入する必要があります。

(5)マイク

Webカメラ同様ノートPCに備わっているものを利用することが可能です。また、イヤホンやヘッドフォン(ヘッドセット)にマイクがついているものを比較的安価で購入できます。デスクトップPCによっては音声入力と出力の端子が別になっていることもあり、専用のマイクを購入する必要があるので注意が必要です。

②快適に仕事をするために必要なもの

オフィスと同じような状態で、より快適に仕事をするために必要なものを紹介します。

(1)デスク

自宅にデスクがない人は、部屋のスペースに余裕があるならデスクを購入することが推奨されます。オフィスに備わっているデスクと違い、自由に選べるので自分にあった環境をつくることができます。

デスクを選ぶ際のポイントは「デスク上に十分なスペースがあるか」「高さが自分の体型にあっているか(または可変であるか)」「デスクを置く予定のスペースに合っているか」などです。

(2)椅子

デスクとセットで椅子も購入しましょう。座りっぱなしなど同じ姿勢でいることが長くなり、体に負担がかかりがちな在宅ワークでは健康のために自分にあった椅子で仕事をすることが重要です。オフィスチェアタイプだけでなく、近年ではゲーミングチェアもおすすめです。

椅子を選ぶ際のポイントは「高さの調節が可能か」「正しい姿勢が維持できるか」「肘掛けがあるか」などが挙げられます。深く腰掛けた時に背筋が伸び、ひざの角度が90度に近く足の裏が地面についている状態がひとつの目安です。

(3)サブモニター

デスクトップPCでモニターを二台活用したり、ノートPCでモニターを追加するなど、複数のモニターを使用することで業務効率の向上が見込めます。

テレワークでWeb会議を行う際は、Web会議システムで画面が占有されます。2つのディスプレイがあれば会議中の資料の確認や、議事録を取る要の画面などを使い分けることができて便利です。

(4)モニターアーム、モニタースタンド

パソコンで作業をするときの目の高さや首の角度も健康に影響します。使っているモニターの位置が調整できない、あるいは可動域が少ない場合は、少しコストがかかりますがモニターアームを購入し調整するのがおすすめです。また、デスク上のスペースを有効活用したい場合にも、ディスプレイの土台となるスペースがなくなるモニターアームは役立つアイテムです。

モニターアームは他の機材に比べて優先順位はやや低めです。また、利用しているモニターと、新しく設置するアームの種類によっては利用できない組み合わせもあるので注意してください。

(5)フットレスト

フットレストは足と床の間に設置する厚みのあるクッション・マットのことです。利用しているデスクの高さが変えられず、椅子の高さを調節したときに足と床の距離に違和感がある場合はフットレストがあれば調節できます。高さが可変できるデスクの値段は通常のデスクよりも高く、なかなか購入の敷居が高いですが、フットレストは比較的リーズナブルに購入できます。

(6)ホワイトボード

ホワイトボードはオフィスでの会議中だけでなく、在宅ワークでのスケジュール・タスク管理などにも役立ちます。

会議室にあるような脚付きのタイプだけでなく、自宅用の小さいサイズで立てかけるタイプのものや、壁に貼り付けるシート形状のものあります。スペースを必要としないので気軽に利用可能です。

4. テレワークにおけるITシステム環境、4つのパターン

テレワークでは従業員の物理的な作業環境だけでなく、ICTを利用したシステム環境の構築も必要です。会社のパソコンを自宅に持ち帰って利用する場合や、個人所有のパソコンで業務を行う場合以外に、在宅からオフィスのパソコンに接続する方法はいくつか種類があります。

①リモートデスクトップ方式

オフィスPCのデスクトップ環境を在宅用PCなどのテレワーク端末から遠隔で操作・監視する方式です。作業中に保存したファイルはテレワーク端末ではなく、オフィス端末に保存されるので、情報漏えい対策になります。

利用するにあたっては、第三者からの不正利用対策として、専用アプリ・専用機器(認証キー)などによる、パスワード管理やセキュリティ対策が必要です。自宅から会社のLAN環境にアクセスする必要があるのでVPN(仮想私設網)なども必要です。

他に紹介する方法に比べて導入に必要なコストが低く、テレワーク実施時にすぐに導入可能な方法です。早ければ即日〜数日で実施が可能です。

会社PCを利用しているため、仮に会社のPCの電源が消えてしまうと出社して電源を入れる必要があり、設定を間違えるとアクセスできなくなるなどの問題点もあります。

②仮想デスクトップ方式(VDI)

オフィスのサーバー上の仮想デスクトップに、テレワーク端末から遠隔でログインして利用する方式で、オンプレミス型とも呼ばれます。

オフィスに仮想デスクトップ環境などのインフラを構築する必要があるため初期コストがかかりますが、自社のセキュリティポリシーに合わせてインフラを構築できるためセキュリティレベルの向上が期待できます。十分な準備期間を設けて、中長期を見据えてテレワークを導入する場合などに最適です。

③クラウド型アプリ方式(DaaS)

上記の仮想デスクトップ方式の種類の一つです。大きな違いは自社でサーバーなどのインフラ環境の構築はせずに、ネットワーク上のサーバーでクラウド形アプリを利用する方式であること点です。「仮想デスクトップ方式(VDI)」を「クラウド型のサービスのDaaS(Desktop as a Service)」で利用します。

クラウドサービスを利用するため、導入コストや運用時の作業的コストは低く、セキュリティ対策などもワンストップで提供されるのがメリットです。柔軟に規模を拡張縮小でき、一時的に利用したいなどのニーズにも柔軟に対応しやすいです。

上記のオンプレミス型に比べると、サービス費用などのランニングコストがかかり、導入後のカスタマイズ性は低いというデメリットもあります。

④オフィスPCを在宅で利用する方式

オフィスPCを自宅に持ち帰って仕事をする方式は、上記3つのようにテレワーク端末からオフィスPCを操作するわけではありません。その分、導入コストは低いですが、セキュリティ面でのデメリットが目立ちます。

PCに保存されている会社の機密情報の漏えいなどのリスクや、VPNなどを使わない場合は外部からのネットワークの不正アクセス、またそもそものセキュリティポリシー上この方式が実行できない企業もあります。緊急時の一時的な利用を除き、恒常的なテレワークではあまりおすすめの方式とはいえません。

5. テレワークのITシステム環境の成功事例

テレワーク導入時に上記のITシステム環境を構築した事例を紹介します。

①株式会社アウトソーシングビジネスサービス

株式会社アウトソーシングビジネスサービスでは、テレワーク導入時にクラウド型アプリ方式(DaasS)を利用しました。

在宅でも会社のパソコン環境を利用でき、テレワーク端末にはデータそのものが転送されないため、セキュリティ面でも安心な環境を実現。マイナンバーの入力や集計などの社内の専用の場所でしかできない高いセキュリティが必要な業務でも、在宅勤務で問題なく実施できたそうです。

  • オフィスでなくともオフィス同様の業務が可能で、多様な働き方に対応できた
  • 安心なセキュリティ環境が構築されたことで、一部の場所でしか行えなかった業務がどこでもできるようになった。
  • 感染症流行や災害時などでも業務を遂行できるBCP(事業継続計画)の策定ができた

上記のような環境構築の結果、全従業員でテレワークを一斉に開始できました。

6. テレワーク環境を整えるためのポイント

ここまで紹介した内容に加えて、テレワーク環境を整えるためのポイントを3つ紹介します。それぞれ詳しく解説している別の記事があるので、そちらもご覧ください。

①セキュリティ管理

前述したITシステム利用によるネットワーク構築や、仮想デスクトップといったセキュリティ環境の構築だけでなく、デバイスの盗難などのハードウェアの対策や従業員のセキュリティリテラシー向上にも目を配りましょう。

テレワークではカフェやサテライトオフィスなどの、不特定多数が同じ空間にいる「サードプレイス」での業務も含まれるため、デバイスの盗難・盗み見・紛失などから情報漏えいにつながる可能性があります。在宅以外での勤務を制限するセキュリティポリシーの策定、パスコードロックシステムや遠隔地からモバイルデバイスを操作できるリモートワイプ機能の導入、セキュリティ研修の実施などもあわせて行いましょう。

②マネジメント・勤怠管理

テレワークでは上司と部下が別々の空間で働くため、オフィス勤務時によりもマネジメントや勤怠管理、さらに人事評価などのハードルがあがりがちです。

部下がさぼっているのではないかという懸念や、上司から正当に評価されにくいのではという不信感を持ちやすい傾向にあるため、オフィスに出社し対面で仕事を行うことが前提の仕組みや制度を、テレワークに合わせて見直さないといけない場合もあります。

勤怠管理・労務システムなどの導入はもちろん、労働時間ベースではなく成果物ベースの評価方法への変更、一人ひとりの業務範囲の明瞭化などの工夫を行いましょう。

③コミュニケーション

テレワークではオフィス勤務に比べてコミュニケーションの量・質ともに低下する傾向にあります。メンバー間や管理職との連携が弱くなることで業務効率が低下し、また気軽な会話が減ることで心理的な壁が生まれる・孤独感が増すなどのメンタル面の問題にもつながることも。

これまで自然とオフィスで行っていたコミュニケーションを、テレワークで意識的に行うために、チャットツールやビデオ会議ツールの導入に加えて、週に1度はメンバー全員で気軽にビデオ通話をする時間を業務に組み込むなどの仕組み・制度を設けましょう。

テレワークが長く続くとコミュニケーションが少ないことも当たり前になったりします。従業員の悩みをキャッチアップできずに放置してしまうと、生産性の低下や「びっくり退職」など、想定外のトラブルに発展しかねません。そうなる前にマネジメント側の工夫が必要です。

7. まとめ

本記事では、テレワークで円滑に業務を行うための環境づくりについて解説していきました。

オフィス勤務のやり方をそのままテレワークに反映させても、業務効率は上がらず生産性が低下するケースもあります。一方で、テレワークに必要な環境をきちんと整備できれば、オフィス勤務よりもスムーズな業務遂行と、ワークライフバランスの実現につながります。

本記事に加えて、以下からダウンロードができる「テレワーク導入ガイド」も参考に快適で安心なテレワーク環境をつくってみませんか?

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