2022.03.17 (Thu)

自治体を悩ませる業務課題とは(第3回)

自治体の顔「コールセンター」は、BPOで改革できる!

 自治体の電話窓口は、住民の声が集まる重要な接点です。しかし、一度に大量の電話が掛かってきた場合、職員だけで受けつけるのは困難です。自治体のコールセンター業務を効率化しつつ、住民の誰もが手軽に問い合わせや各種サービスの申し込みができる質の高いサービスを実現するためには、どうすれば良いのでしょうか? その解決法のひとつが、コールセンター業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。

問い合わせの集中がサービス低下の悪循環を生む

 自治体が抱える業務の中で、早急な改善が求められているもののひとつが、コールセンター業務です。高齢化や在留外国人の増加、インターネットに詳しい人とそうでない人など、住民が多様化しており、さらにコロナ禍によって、感染を防ぐためにオンラインでの住民とのコミュニケーションも求められるようになりました。

 自治体のコールセンター業務は、ワクチン接種やマイナンバーカードの問い合わせ・受付だけにとどまりません。粗大ごみの回収、各種行政手続きに関する問い合せ、自治体主催のイベントについての問い合わせや受付、苦情なども含まれます。

 問い合わせが集中すると、電話がつながらず、住民サービスの質が低下します。苦情などが入れば、職員の対応がさらに増えるという悪循環が生まれてしまいます。

 こうした自治体の課題に対応するため、コールセンター業務のBPOを請け負う企業が増えています。

 BPOとは、通常のアウトソーシングとは異なり、自社の業務プロセスを"丸ごと"外部企業に委託する方法です。BPOを導入し、コールセンター業務をアウトソースすることで、職員がコア業務に集中できる環境をつくれます。

 BPOサービスを活用することで、コールセンターのDX化を進められるところも大きなメリットです。通常のオペレーター対応だけでなく、AIによる自動音声対応、AIチャットポットによる対応、さらには、インターネット、メッセンジャーアプリなど、さまざまなチャネルを組み合わせて、住民のニーズに合わせた問い合わせ・受付対応を実現できます。

 さらに、コールセンターやインターネットでの受付システムをネットワークで結ぶことで、業務を円滑に進めることができます。たとえば、ワクチン接種であれば医療機関と、粗大ごみ回収であれば回収業者との連携が可能になります。

 では、自治体がコールセンターのBPOを考える場合、何を基準にBPO先を選定すればよいのでしょうか。まず考えるべきは、委託候補企業が目的に合ったサービスを提供できるかという点です。

 一般的に自治体のコールセンターであれば、住民からの問い合わせへの対応が中心になります。こうした場合、インバウンド業務を得意とする企業に委託すると良いでしょう。

 最近では、業界に特化したコールセンター代行企業もあり、自治体に強みを持つ企業も存在します。こうした企業であれば、自治体特有の慣習や専門知識を理解しているため、導入や運用もスムーズに進むはずです。

 そして、気を付けなければならないのが、BPO先のセキュリティ体制です。住民の個人情報を扱うことになるため、プライバシーマークを取得しているなど、万全のセキュリティ対策を行っている企業を選ぶ必要があります。

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10年以上も前からBPOを開始した自治体がある

 すでに自治体のコールセンター業務にBPOを導入し、DX化して効率、利便性向上を進めているケースもあります。

 たとえば、約48万人の人口を抱える岡山県倉敷市は、10年以上前から「倉敷市コールセンター」を開設。受付業務からシステムまで、BPOで構築しています。

 同市から委託された企業は、電話による問い合わせを年中無休で一元的に受け付けています。応対履歴やFAQのデータベースを作り、随時更新することで、住民一人一人の問い合わせに適切に対応できる仕組みとなっています。このBPOにより、自治体職員はコア業務に集中できるようになったうえ、9割以上の市民がコールセンターの対応に満足しているという結果を得られるようになったといいます。

 「自治体の顔」ともいえるコールセンターは、BPOでより便利に改革できます。もしコールセンターの運営に頭を悩ませているのであれば、思い切ってBPOでのアウトソースを検討してはいかがでしょうか。

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