2021.08.25 (Wed)
ファイルサーバー・クラウドストレージのビジネス活用(第5回)
クラウドストレージを比較するときに知っておくべきポイントを徹底解説
近年、オンライン上にデータを保存できるクラウドストレージの需要が増えています。新たに導入を検討する場合、サービスがたくさんあるためどのような基準で選んでよいか迷う企業も多いのではないでしょうか。今回の記事では、クラウドストレージを選ぶ際の比較ポイントと代表的なサービスの機能や価格について具体的に紹介します。
◆目次
そもそもクラウドストレージとはなにか
クラウドストレージの比較ポイント
クラウドストレージサービスの比較
まとめ
そもそもクラウドストレージとはなにか
クラウドストレージとは、インターネット上にファイルを保存できるサービスのことです。オンラインストレージとも呼ばれます。共有しているスペースやフォルダは許可されたユーザーならいつでもどこでも同時にアクセスできるため、個人での利用だけでなく企業やチームでのファイル共有目的で導入が進んでいます。
クラウドストレージのサービスを提供している企業は昔からありますが、パソコンだけの利用でなくスマートフォンやタブレットの普及に対応して、ここ近年でサービスやプランが増えています。サービスごとに強みとなる機能やファイルを保存する方式、セキュリティレベルやなどに違いがあります。
ファイルサーバー・クラウドストレージとは? 企業が知っておきたい基本をわかりやすく解説
クラウドストレージの比較ポイント
実際にクラウドストレージを選ぶ際に、比較するべきポイントについて紹介します。
データ容量の上限
サービス・プランで利用できるデータ容量の上限が違います。どのぐらいの利用を想定するのかによって適切なものを選びましょう。また、導入後にプランのアップグレードができるかも考慮しましょう。
操作性の高さ・機能の充実度
使い勝手が良く業務効率の向上が見込めるか、ファイルへのアクセス権限を細かく設定できるか、また他のツールへの連携ができるかなどの機能が充実しているかも選ぶポイントです。
逆にセキュリティ機能が豊富で細かく設定できる反面、たとえばワンタイムパスワードを毎回発行する必要があり、業務遂行時に手間になることがデメリットになる場合もあります。自社にとってどこまでの機能が必要なのか、金額も含めて検討しましょう。
PC以外のデバイスでも扱いやすいか
PCだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応して使いやすければ、移動中でも気軽に資料を確認でき、PCが使えない状況でも誤字を直すなどの簡単な編集作業もできます。モバイル用の使いやすい専用アプリがあることや、Google ChromeやSafariなどのモバイルブラウザ上でも使いやすいかなどをチェックしましょう。
セキュリティ面の要件を満たせるか
クラウドストレージはネットワークに繋がっていればアクセス可能なため、社内のファイルサーバーやHDDで運用するよりもセキュリティリスクが高くなります。そのため、自社のセキュリティポリシーの要件を満たせるサービスを選びましょう。
サービスを選ぶ時のやり方として、自社のセキュリティ項目をリスト化し、検討中のサービス担当者に確認してもらい自社にあったプランを提案してもらうのも手です。
セキュリティ対策として必要な機能の一例は以下です。
・アクセス制限の認証方式(2段階認証、IPアドレス制限)
・アクセス権限の設定(フォルダ・ファイルでの権限設定、編集・閲覧・保存の権限の使い分け)
・データ暗号化、SSL通信対応
・アクセスログをどこまで取得可能か
・ウイルス対策
・強固なデータセンターがあるか
セキュリティについて詳しくは以下の記事で解説しています。
クラウドストレージのセキュリティは安全? リスクと3つの対策を紹介
どのようなストレージ構造か
クラウドストレージにはいくつかの種類の構造があり、構造ごとに利便性が違います。以下に説明するフラット構造(オブジェクトストレージ)やフォルダ構造のうち、自社の要件にあったものを選びましょう。
フラット(オブジェクティブ)構造
フラット構造は、すべてのファイルが単独で存在するためファイル同士の関連性が把握しにくいという特徴があります。情報の整理がしにくく、ファイルを探す際には複数のドライブを並列して開く必要があるため、後述するファイル構造に比べると少し利便性が低いとされています。
一方でファイルの位置関係を意識する必要がないため、ビッグデータなどの大規模データなどのデータの保存には向いています。たとえば大量のファイル移動をする場合などはまとめて移動できるため効率的です。Amazonが提供するクラウドストレージのS3では、2兆個を超えるオブジェクトを格納できると言われています。
フォルダ構造
フォルダ構造は、WebサイトのファイルサーバーやパソコンのHDDのフォルダの構造と同じように、ドライブの配下にフォルダを作成して階層構造で管理することができます。階層構造は、人間の思考で自然に行われる情報整理の方法をそのままファイルの分類にできるためわかりやすく、複数のメンバーが利用しても情報整理の手間が少ないです。
権限の管理もフォルダごとに行うことが可能で、社外への共有設定もフォルダごとに設定できるのでセキュリティ的にも便利です。
一方、ファイルそのもののデータに加えて、ファイルがどの階層に保存されているかなどの追加情報が紐づくため、大容量データの移行の際は時間がかかる際もあります。データ量の多いビッグデータなどを扱う場合はあまり適していません。
共有リンクの発行機能があるか
クラウドストレージのアカウントがない外部の関係者や、権限が付与されていないユーザーに向けた共有リンクを発行できる機能も重要です。リンクを知っていればだれでもアクセスが可能になるような広い権限のものや、自分のアカウントでログインした上でアクセスするもの、またワンタイムパスワードを入力して閲覧できるようになるものなどがあります。
一般的に使われるパスワード付きのzipファイルをメール送信する方式は、仮にメールアカウントに不正アクセスがあった場合に、そのままファイルへのアクセスが可能になってしまいますが、共有リンクではその心配がありません。
リンクの有効期限を限定してアクセスができるものあり、外部共有での使い勝手が良いです。
ファイル転送サービスではないか
クラウドストレージには、昔から存在しているファイル転送サービスも含まれることがあります。メールで添付できない大きいファイルサイズのものをWebのサービス上にアップロードしてリンクを共有し、パスワードを入力することでダウンロードが可能になります。この方式のサービスはあくまで一時的な利用にすぎず、恒常的に企業やチームでの利用には向いていない場合もあるので注意しましょう。
値段・課金方式と機能の兼ね合い
多機能で高品質なクラウドストレージサービスは、利用コストが高くなる場合もあります。利用できる予算と必要になる機能のバランスを考えましょう。
チェックすべき機能や料金項目の一例をあげます。
・ユーザー数による課金額
・利用可能データ量による課金額
・セキュリティ対策の充実
・スマホアプリ対応
・その他、オプションで利用できる便利な機能
必要以上の機能を使うことで予算オーバーにならないかを考える必要はありますが、逆に安価で操作性が悪いものや、メインの機能であるデータ容量が足らない、セキュリティ面で不安が残るなどの場合もあります。
ベンチャーなどの成長企業であれば、いきなり容量無制限のプランではなく、途中からプランを切り替えるようにしたり、今後の社員増加が見込めるのであれば、利用ユーザー数ごとの課金ではなく、ある程度の人数ボリュームごとのお得なプランなどを選びましょう。
クラウドストレージサービスの比較
代表的なクラウドストレージサービスのスペックや価格などを比較して紹介していきます。
※紹介している内容は執筆している2021年7月4日時点での情報です。実際に導入を検討する際は、必ず公式サイトなどの情報を確認してください。
Box over VPN(NTTコミュニケーションズ株式会社)
サービスの特徴
クラウドストレージサービスのBoxを、NTTコミュニケーションズが提供するVPN経由で利用できるサービスです。データ容量は無制限、豊富なセキュリティ機能や複数のデータセンターでのバックアップ、24時間365日受付のヘルプデスク対応があります。
「Box Zones Japan over VPN」というオプションプランでは、データを日本国内のデータセンターで保存できます。またセールスフォースなどの各種業務アプリケーションとの連携があります。
スペック・料金
Business:月額1,800円~2,600円(※1IDあたり)
ストレージ容量:無制限
中小企業向けプラン
Business Plus:月額3,000円~3,800円(※1IDあたり)
ストレージ容量:無制限
外部との共有が多い企業向けプラン
Enterprise:月額4,200円~5,000円(※1IDあたり)
ストレージ容量:無制限
高度なセキュリティ等が必要な企業向けプラン
※価格はいずれも税別、最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:プラン/料金 | Box over VPN | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
https://www.ntt.com/business/services/application/online-storage/box/charge
参考:出典:シームレスな統合│Box
https://www.box.com/ja-jp/integrations
Google Drive
サービスの特徴
Googleが提供するクラウドストレージです。Gmail・Googleカレンダー、Google Meetなどを含むGoogle Workspace(旧G Suite)のサービスの一種で、企業単位でワークスペースを持つことで一つのアカウントで他のサービスも利用できます。Googleのビジネスサービスを利用したい上でストレージも一定量必要であれば、ニーズに応じたプランの組み合わせが可能です。
スペック・料金
無料:15GB※すべてのGoogleアカウントに含まれている。
Google One(個人向け):100GB/月額250円~2TB/月額1,300円 (※1アカウントあたり)
最大5人の他のユーザーを招待し、ストレージ容量を共有可能
Google Workspace(法人向け):30GB/月額680円~無制限/金額は要問い合わせ (※1ユーザーあたり)
最も低価格なプランでも100人参加可能なビデオ会議、セキュリティと管理機能などが付帯
※価格はいずれも税別、最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:プランと料金設定 – Google One
https://one.google.com/about/plans?hl=ja
参考・出典:Google Workspace(旧称 G Suite): お支払いプラン
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/pricing.html
Dropbox Business
サービスの特徴
Dropbox社が提供するクラウドストレージのビジネス版です。登録PCのすべてで指定したフォルダのファイルが同期する機能や、PC内での不要ファイルのみクラウドに保存し、その中で必要なものだけ部分的にPC内に同期する選択型同期などの機能があります。PCデータを閲覧できるスマホアプリや、閲覧制限やダウンロード回数の設定、セキュリティ機能もあります。
スペック・料金
個人向け
Dropbox Professional:3TB/月額2,000円
Dropbox Professional + eSign:3TB/月額2,900円
※電子捺印機能が追加されます。
チーム向け
Dropbox Standard:5TB/月額1,250円(※1ユーザーあたり)
Dropbox Advanced:必要に応じた容量/月額2,000円(※1ユーザーあたり)
※価格はいずれも税別、最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:Dropbox プランの比較 – Dropbox Business
https://www.dropbox.com/ja/business/plans-comparison
参考・出典:簡単にファイルを同期│Dropbox Business
https://www.dropbox.com/features/sync
One Drive for Business
サービスの特徴
Microsoft社が提供するクラウドストレージです。Microsoft Office365と連携しています。2段階認証、アクセスの有効期限設定、マルウェア・ランサムウェアなどのウイルスの検出・復旧などのセキュリティ機能や、ファイル復元機能などがあります。
新規でOfficeサービスを利用する場合は、Officeアプリケーションが含まれたプランもあります。
スペック・料金
クラウドストレージのプラン
OneDrive for Business(プラン1):1TB/月額540円~(※1ユーザーあたり)
OneDrive for Business(プラン2):無制限/月額1,090円~(※1ユーザーあたり)
Officeアプリも含まれたプラン
Microsoft 365 Business Basic:1TB/月額540円~(※1ユーザーあたり)
利用できるOfficeアプリ:Word、Excel、PowerPoint(Web版とモバイル版)
Microsoft 365 Business Standard:1TB/月額1,360円~(※1ユーザーあたり)
利用できるOfficeアプリ:Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Access、Publisher
※価格はいずれも税別、最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:OneDrive クラウド ストレージ プランの比較 | OneDrive の料金プラン
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onedrive/compare-onedrive-plans
Bizストレージ ファイルシェア
サービスの特徴
NTTコミュニケーションズが提供するクラウドストレージです。送受信ファイルごとの最大容量は2GBで、IDを持っていない相手へも送信可能です。送信先の制限や上長のチェック・承認作業の設定が可能です。ウイルスチェック、ファイルの暗号化保存、不正アクセス対策、ログイン認証・制限、各種ログ管理などのセキュリティ機能もあります。
スペック・料金
全6種類のプラン
ディスク容量:1GB~1TB
登録可能ユーザー数:1,000~1万
初期費用:20,000円(6プランとも共通)
月額基本料金:15,000円~20万円
※価格はいずれも税別、最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:NTT Com | 料金・お見積もり | Bizストレージ ファイルシェア | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
https://www.ntt.com/business/services/application/online-storage/bst-sh/pricing.html
クリプト便
サービスの特徴
NRIセキュアテクノロジーズ社が提供するクラウドストレージです。機密情報の受け渡しに特化した法人向けのセキュアなファイル転送・共有が特徴です。ファイル操作ミスを防ぐための操作性や、誤送信防止のための事前承認等、ログ監査機能などがあります。
スペック・料金
エントリー:20ユーザー/一通あたり5MB/月100通/月額1,000円(※1ユーザーあたり、1ユーザー追加につき2,000円)
ライト:50ユーザー/一通あたり10MB/月400通/月額1,000円(※1ユーザーあたり、1ユーザー追加につき1,500円)
スタンダード:100ユーザー/一通あたり20MB/月1,000通/月額900円(※1ユーザーあたり、1ユーザー追加につき1,200円)
※いずれも価格は税別。個別見積プランもあります。最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:セキュアなファイル転送やファイル共有に特化した「クリプト便」|NRIセキュア
https://www.nri-secure.co.jp/service/solution/crypto
Smooth File 6
サービスの特徴
株式会社プロットが提供するクラウドストレージです。ユーザー数無制限の料金形態で、大容量ファイル転送を高いセキュリティ環境で実現できます。操作ログ管理、上長承認、SSL暗号化通信、ウイルスチェックなどが特徴です。日本語、英語、中国語、韓国語の4ヵ国語対応もしています。
スペック・料金
容量別に全8種類のプラン
容量:5GB~2TB
初期費用:55,000円~11万円
月額費用:27,500円~28万500円
※価格はすべて税込み、セキュリティに関するオプション機能があります。最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:クラウド 製品価格|Smooth File
https://www.smoothfile.jp/price/cloud.html
セキュアSAMBA
サービスの特徴
Chatworkストレージテクノロジーズ社が提供する、中小企業での導入実績の多いクラウドストレージです。ユーザー数が無制限で、パソコンとストレージを同期させない非同期タイプなのが特徴です。暗号化通信、グローバルIP制限、端末認証、アクセスログ取得、アクセス制限などセキュリティ機能も標準搭載されています。
スペック・料金
フリープラン:5GB/初期・月額費用0円/3ユーザー
ライトプラン:100GB/初期・月額費用15,000円/ユーザー数無制限
ビジネスプラン:500GB/初期・月額費用35,000円/ユーザー数無制限
※価格はいずれも税別、1TB以上の利用も可能です。最新の情報は公式HPをご確認ください。
参考・出典:料金プラン | セキュアSAMBA
https://securesamba.com/product/samba/plan/
まとめ
今回の記事ではクラウドストレージを選ぶ際に比較するべきポイントと、代表的なサービスを紹介していきました。
クラウドストレージを導入する目的や、守るべきセキュリティポリシーの要件や想定されるデータの上限量などをしっかり定め、利用できる費用とのバランスを考えてサービスを選んでみてください。
NTT東日本では中小企業さま向けに、100GB、5ユーザーで2,750円(※税込み、1ユーザー550円)からご利用できるクラウドストレージ「コワークストレージ」を提供しています。国内データセンターでセキュリティも万全。この機会にぜひご検討ください。
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