テレワークで始める新ワークスタイル 場所や時間にとらわれない新時代の働き方を考える

全業種中、テレワーク実施率最下位の建築業。「テレワークできない」というのは思い込み?

テレワークを導入可能な意外な業種②

テレワーク化が難しいと言われてきた建設業。中小企業の登録も多い東京商工会議所が2020年11月に発表した調査結果では、建設業のテレワーク実施率は41.0%で全業種を含め最低であり、「一時期実施していたが、現在は取りやめた」割合も32.4%と最大であるというデータが明らかになりました。
ここでは、建設業でテレワーク化しやすい業務や、雇用確保のためのテレワーク活用法などについて考えていきたいと思います。

※出典:「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果(東京商工会議所)

アキコさん聞いてください!
彼女が務めている建設会社、テレワーク取りやめになったって…。
先月まで内勤スタッフは月1出社のほぼ完全在宅勤務だったので、こっちに引っ越そうかと言っていたんですけど、それが無理になった…。

あらら…遠距離恋愛だっけ。それは悲しいわね。
けど、ユウタロウさんがテレワークすればいいんじゃない?
うちの部署は比較的テレワークしている人も多いし。結婚前提なら、思い切って転職って手もあるわよ。ユウタロウさんとのお別れはさみしいけど。

わぁ、そうか。なんで思いつかなかったんだろう。
取りやめる会社があるんだ…とショックで頭から抜けてました。
テレワーク、本気で検討してみます。

建設業でテレワークを定着させるには?

建設業におけるテレワーク導入については、業界の半数以上で実施されていた時期があったものの、徐々に縮小される傾向が見られます。生産性向上・業務効率化に成功した企業がある一方で、業務の生産性が低下してしまった企業も少なくありません。
では、定着させるためには何が必要なのでしょうか。建設業でテレワークを適切に導入・運用するためのポイントをみていきましょう。

業務の細分化で「テレワーク対応にするもの」を仕分ける

建設業で「テレワークが難しい」とされてきた理由は、現場作業が多いことにあります。
しかし、「現場でスマートフォンやモバイルPCから資料を見る」「現場で撮影した写真をその場でクラウド共有する」といった業務も、実はテレワークの一種です。

まずは、テレワーク=在宅勤務の思い込みを外しましょう。サテライトオフィス勤務やモバイル勤務まで視野に入れて、業務を細分化すれば、テレワーク化できる業務があるはずです。

では、建設業でテレワークができる業務には、どんなものがあるでしょうか?
他の業種でのテレワーク導入例を参考にしながら、ピックアップしてみましょう。

  • パソコンで行う本社・支社業務
  • CADやBIMによる製図作業
  • 現場で行う事務作業
  • 記録写真や検査記録の管理
  • 施工図面の確認
  • ビデオ通話を利用した技術指導
  • Web会議ソフトを利用した遠隔会議

導入に成功した企業の施策を取り入れる

建設業においても、業務を細分化することにより、テレワーク導入がしやすくなります。
具体的な施策を検討する際には、テレワーク導入に成功した企業の例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

本社・支社の事務作業をテレワーク対応に

使用する端末をデスクトップパソコンからノートパソコンやタブレット端末に切り替え、リモートアクセスが可能な環境を構築。クラウド化された業務ソフトの導入や、クラウドサービスを利用したファイル共有など統一ルールを設けることで、在宅勤務・サテライトオフィス勤務・モバイル勤務でも出社時と同じように作業できるようにした成功例があります。

現場事務所をサテライトオフィスとして利用

これまで現場担当者しか出入りしなかった現場事務所を、サテライトオフィス化。現場担当者が直行直帰できる環境が整ったことに加え、本社・本拠地より自宅に近い事務所を仕事場にできるようにしました。移動時間が短縮したことにより、ガソリン代の削減、車の老朽化や事故リスク低減による保険料の削減などのコストカットに成功しました。

設計業務をテレワーク対応に

CADソフトが入った会社パソコンにリモートアクセスしたり、BIMソフトのクラウド製品を利用したりと、情報漏えいリスクの少ない方法が登場したことで、設計業務における在宅勤務が可能になります。Web会議による打ち合わせや、全員で進捗状況を確認できる進行管理ソフト、複数人で参加ができるクラウド設計ソフトの導入により成功した例もあります。

建設業でテレワークを実施するメリットは?

建設業でテレワーク化が進まない背景には、経理や事務であっても「現場や営業と細かくすり合わせしなければならない」という、現場主義が影響していると考えられます。
しかし、「現場でなくては仕事ができない」という思いが可能性を狭め、失業者・転職者の増加など、雇用に影響を及ぼしているとしたら、改善する必要があるでしょう。
テレワークを実施することによるメリットを確認し、検討してみてはいかでしょうか。

移動時間の短縮でコスト削減、労働環境の改善ができる

会社にいる時間よりも現場にいる時間の方が長い従業員について考えてみましょう。
「書類作成などの事務作業」「図面受け取り」といった業務を現場事務所でできるようになれば、直行・直帰の頻度を増やすことができます。

内勤の従業員も、パソコンでの作業が中心となる人は、比較的テレワークがしやすいといえます。Web会議システムやチャットツールなどを利用すれば、どこにいても会議や打ち合わせに参加ができるので、居場所を社内に限定する必要もありません。
拘束時間が減ることでワークライフバランスが改善されると、働き手の就業満足度が高まり、雇用確保がしやすくなるという側面も期待できます。

子育てや介護が理由の失業・転職を防げる

通勤負担が軽減されることで、仕事が続けやすくなるというメリットも。働く意欲はあっても子育てや介護などの時間拘束により離職・転職せざるを得ない人へのフォローとしても、テレワークが活用されています。

保育時間や家族の見守りなどの都合で「通勤がある場合は時短勤務しかできないが、在宅ならフルタイム勤務が可能」といった働き手にとって、テレワークが可能な職場は魅力的です。
また、企業にとっても、通勤不要とすることで人材の流出を防ぐとともに、幅広い地域から優秀な人材を採用できるようになるというメリットがあります。

「人」単位でなく「業務」単位で考えるところから始めよう

このように見ていくと、建設業とテレワークの相性は悪くないことがわかります。
テレワークを在宅勤務に限定せず、業務を細分化してテレワークする作業と出社が必要な作業に仕分けをすることで、スピーディーな対応や業務効率化が期待できる体制づくりを進めていくと良いでしょう。

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